先勝は午前が吉、では先負は…? 六曜の意味とカレンダーの決まり

「六曜」と聞くと、結婚式などのイベントごとで重視する「大安」や「仏滅」が有名ですが、この他にも日があるのはご存知でしょうか。今回は六曜の中でも「先勝」と「先負」について、正しい意味やこの日に「やってはいけないこと」などを民俗情報工学研究家の井戸理恵子先生に教えてもらいました。

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六曜とは? カレンダーはどう決まる?

現在の日本で、日にちの吉凶を占うために用いられている「六曜」という考え方。「大安(たいあん)」や「仏滅(ぶつめつ)」が有名ですが、その他にも4つの日があるのは知っていますか。六曜にはその名の通り全部で6つの日があり、先の2つの他には「先勝(せんしょう・さきかち・せんかち)」「友引(ともびき・ゆういん)」「先負(せんぷ・せんふ・せんまけ・さきまけ)」「赤口(しゃっこう・じゃっこう・しゃっく・じゃっく・せきぐち)」が含まれます。これらの日はそれぞれに意味があると言われており、その日自体の吉凶に加え、時間帯の吉凶や「やってはいけないこと」が存在しています。

六曜が書かれたカレンダーを見ると、どの日もいずれかの六曜があてはまります。カレンダーでの並び順は基本的に決まっており、「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」の順番で並びますが、時々大安のあとにもう一度大安が来ることも。これはなぜかと言うと、基本の並び方より優先される決まり事として、旧暦1日ごとに来る六曜が決まっているからです。例えば旧暦1月1日と7月1日には必ず「先勝」が来るようになっています。先勝の前の六曜は本来「赤口」ですが、旧暦1月1日になると12月31日が赤口ではなかったとしても強制的に「先勝」になり、並びがリセットされるという仕組みです。

「先勝」は午前が吉、「先負」は午後が無難

六曜の中でもあまり知られていない「先勝」と「先負」。先勝は「なるべく先まわりして行動する」と良い日とされており、午前中が吉、午後は凶の時間帯となります。”先まわりすると良い日”なので、先勝の午前中に結婚式やお見合いなどをするのは良いと言われています。

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次に先負についてです。先勝の「午前中が吉」なのであれば、「先負」は「午後が吉」だと思われるかもしれませんが、正しくは「先勝の午後から比べたらまだ良い」という小吉程度。午後が特に良い時間というわけではありません。この日は「平常を装って吉」とされており、何事も起こらないよう無難に過ごすことがおすすめの日です。

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ちなみに、六曜には「日」と「時間」という考え方があります。六曜の考え方は中国から伝わりましたが、もともとは「時間」を占う指標として使われていました。日本に入ってきた当初も時間と関係が深いものとされていましたが、これが明治時代の暦改正以降、「日」を占う指標へと考え方が変化しました。そのため、本来六曜を考えるときは「日」としての吉凶と「時間」としての吉凶を考える必要があります。先勝・先負はそれぞれに「吉(もしくは無難)」な時間があるものの、日としてはあまり良くない日だと考えられています。

六曜の信ぴょう性は…!?

このようにご紹介してきた六曜ですが、実はあまり信ぴょう性があるものではありません。それは、本来時間を占うための指標だったものが、日を占うものとなったり、新暦に合わせて使用されるものになることでその形を今に適したスタイルに変化させているためです。とは言え、結婚式やマイホームの棟上式など、大切な日にはできるだけ縁起をかつぎたいもの。六曜を信じることで前向きにイベントへ取り組めるようになる人も多いですよね。ご自身の生活にあった取り入れ方で、上手に六曜と付き合っていきましょう。

監修: 井戸理恵子

今回お話を聞いた先生

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井戸理恵子(いどりえこ)

ゆきすきのくに代表、民俗情報工学研究家。1964年北海道北見市生まれ。國學院大學卒業後、株式会社リクルートフロムエーを経て現職。現在、多摩美術大学の非常勤講師として教鞭を執る傍ら、日本全国をまわって、先人の受け継いできた各地に残る伝統儀礼、風習、歌謡、信仰、地域特有の祭り、習慣、伝統技術などについて民俗学的な視点から、その意味と本質を読み解き、現代に活かすことを目的とする活動を精力的に続けている。「OrganicCafeゆきすきのくに」も運営。坐禅や行事の歴史を知る会など、日本の文化にまつわるイベントも不定期開催。