花火の豆知識--花火の歴史と種類、「たまや」という理由は?

夏の風物詩である「花火」。自宅で家族や友人と楽しんだり、花火大会に行ってダイナミックな花火を見物したり、夏の楽しみの一つです。この花火ですが、いつ頃誕生したものかはご存知でしょうか。また、なぜ「たまや」というかけ声をかけるのかは知っていますか。花火にまつわる疑問を、公益社団法人日本煙火協会に教えてもらいました。

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花火の歴史

花火とは

花火とは、法律用語では「煙火(えんか)」と呼ばれ、火薬類を燃焼または爆発させることにより、光や音、煙を発生させるものを指します。花火大会などでおなじみの観賞用の他、運動会やお祭りの合図で使用される音だけの信号としても用いられています。

花火誕生の歴史

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遡ると、花火は秦の始皇帝時代に万里の長城で通信手段として使用された「のろし」や、火薬の発明が起源だと言われています。当初の花火は今に比べると原始的なもので、今の形に近い近代的な花火は、14世紀のイタリアでお祭りの際の見世物として使用されたのがルーツです。

日本へは戦国時代(16世紀)に南蛮人によって伝えられましたが、当初は火薬として鉄砲に使用されるほか、合戦の合図である「のろし」として使われました。観賞用の記述としては、江戸時代に明(中国)の商人が徳川家康に見せたという内容が残っているようです。

やがて花火は諸大名の間で流行し、庶民にも広がっていきました。花火の流行とともに花火が原因の火災も多発したことから、幕府は花火の禁止令を出し、特定の場所でのみ鑑賞・実施できるものとなります。花火の許可が下りたもののうち隅田川下流での「両国川開き花火」は、いまの花火大会のもとになったと言われています。

「たまや」と言うのはなぜ?

江戸時代、花火が庶民にも広がってきた頃には「花火師」や「花火売り」という職業も誕生しました。特に活躍した花火師(花火を製作する職業)には、「鍵屋弥兵衛」や「玉屋市郎兵衛」などの名があげられます。この玉屋市郎兵衛は業務上の事故から、一代で商売を終えることとなり、江戸を後にしました。「たまや」というかけ声は、江戸を去った玉屋市郎兵衛の屋号をとり、エールを送る意味でかけられたといいます。また、「かぎや」よりも語呂が良かったことも理由と言われています。それが今でも受け継がれているというわけです。

花火の種類

打ち上げ花火

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花火はその種類を大きく分けると、花火大会などで見る「打ち上げ花火(正しくは『打揚花火』)」「仕掛花火」と、一般家庭で楽しめる「がん具花火」に分けられます。

打ち上げ花火はさらに「割物」「ぽか物」「半割物」に分類できます。割物は星(光や色彩、煙を出す部分の火薬)が四方八方に飛ぶもの、ぽか物は上空でくす玉のように2つに割れ部品などを放出するもの、半割物とは上空で開きその後多くの小さな花(後述の牡丹、菊など)が一斉に開くものを指します。それぞれには一発ごとに「菊」「牡丹」など、花火が開いてから消えるまで、どんな現象をあらわすかを表現した「玉名(ぎょくめい)」という花火の名前が付けられています。

仕掛花火・がん具花火

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仕掛花火とは、「ナイアガラの滝」や「文字仕掛」などに代表される、地上に花火と装置をセットして点火する観賞用花火のことです。

またこの他にも、「がん具花火(別名おもちゃ花火)」と呼ばれる、一般家庭で使用できる花火もあります。メーカーによって何百種類もあるので全てを把握するのは難しいですが、有名な「吹き出し花火」「線香花火」「ねずみ花火」などは全てこのがん具花火に含まれます。

また、花火には夜に使用される「夜もの花火」の他、昼間に信号などとして使用される「昼もの花火」があります。

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提供: 日本煙火協会「花火入門」

花火の原価

気になる打ち上げ花火の原価ですが、実は算出しようがありません。これは、店で売っているものではなく、花火の運搬費や打ち上げる手間などを踏まえて価格が決まるため。もし個人が花火を打ち上げたい場合は、メッセージ花火の申し込みを受け付けているイベントに参加したり、日本煙火協会の会員(花火師)を探して直接依頼したりするという方法があります。いずれも価格はケースバイケースとなります。

花火を打ち上げるのに資格は必要?

花火師としての法的な資格はありませんが、日本煙火協会では技能証明のための手帳を発行しています。「煙火消費保安手帳」の制度を設けて、ほとんどの花火師にはその手帳を保持してもらっているそうです。いわばダイビングのライセンスのようなものですね。

ダイナミックだったり、儚さだったり、光や音、色で様々な雰囲気を演出してくれる花火。家族や友人と花火を楽しみ、素敵な夏の思い出を作ってくださいね。

参考: 公益社団法人 日本煙火協会「花火入門」