佐賀県民のソウルフード「ブラックモンブラン」が売れ続ける理由とは

地元に住んでいる時は気づかなかったけれど、別の地域へ引っ越したときにスーパーで「あの定番食品がない! 」と驚くことはありませんか。各地域の食文化やご当地食品を知れば、旅行もさらに楽しくなるかもしれません。今回は、佐賀県で高い認知度を誇るご当地アイス「ブラックモンブラン」を紹介します。

目次

「ブラックモンブラン」とは

「ブラックモンブラン」とは、佐賀県にある冷菓・菓子の製造販売企業「竹下製菓株式会社」が手掛けるアイス。バニラアイスをチョコレートでコーティングし、ザクザク食感のクッキークランチをまぶして仕上げられています。外側のチョコレートコーティングとクランチが濃厚な分、バランスをとるために中身のバニラアイスはさっぱりとした味にしているのがこだわりだそう。

ブラックモンブランは佐賀県はもちろん、九州全域のスーパーやコンビニであれば、ほとんどの店舗で販売されています。佐賀県出身者の中には「あまりにもどの店舗でも見かけるので全国販売品だと思っていた」という人もいるほど。価格は1本108円(税込)です。

九州のコンビニでこのパッケージを探してみよう

誕生背景

ブラックモンブランが発売されたのは1969年。竹下製菓前会長の竹下小太郎氏が視察旅行でヨーロッパに行った際、アルプスの山を見てひらめいたことがきっかけなのだそう。「この真っ白い山にチョコレートをかけて食べたらおいしいだろうな」と思ったことから誕生したのだといいます。

商品名の由来

ブラックモンブランは"モンブラン"と付くものの栗は不使用。ケーキのモンブランではなく、アルプスの山「モンブラン」に名前の由来があるそうです。開発の背景の通り、「モンブランにチョコレートをかけたらおいしそう」と思いついたエピソードから、チョコレートの色を表現する「ブラック」と山名の「モンブラン」を組み合わせて、ブラックモンブランになりました。

おいしさの秘密

佐賀県をはじめ九州エリアでロングセラー商品となっているブラックモンブラン。長年愛されているこのアイスのおいしさの秘密はどこにあるのでしょうか。

ブラックモンブランの一番の魅力はザクザク食感のクランチ。クランチを使用した商品は他社からも発売されていますが、同社のクランチは市販品ではなく、竹下前会長が開発したオリジナルレシピのものを約50年間使い続けています。

「アイスの製造はもちろんですが、原料であるクランチの製造にもかなり手がかかっており、非常にこだわった内容になっている」と、竹下真由社長は言います。

「『アイスを食べている途中でクランチがポロポロ落ちてしまう』とのお声をお客さまからいただくのですが、クランチの味と食感を最大限活かすためには、実は仕方がないのです……。落ちやすさの主な原因はクランチの粒の大きさが均一でないことなのですが、弊社ではあえて粒の大きさを揃えないようにしています。大きい粒は食感に大きな影響を与え、小さい粒は味に大きな影響を与えると弊社は考えております。なので、色々な粒感が必要なのです」。

実際に同社のブラックモンブランを食べた人からは、他のクランチを使ったアイスよりもおいしかったと言われることも多いそう。大きさの異なるクランチがランダムに付着することにより、味と食感の両方を際立たせることに成功しているのですね。

販売エリア

そんなブラックモンブランはどこで購入できるのでしょうか。上述の通り、同商品は九州エリアでの販売がメイン。ですが、山口県や広島県の一部の他、京都府、大阪府、愛知県、関東の一部スーパー・コンビニでも取扱いがあるそうです。

同社「ミルクック」「トラキチ君」も人気

佐賀県外の人から有名なのはブラックモンブランですが、北部九州では同社製品の「ミルクック」や「トラキチ君」も人気。ミルクックは、2018年に40周年を迎えたミルクセーキ味のアイスです。ミルクとたまごの風味が絶妙に混ざり合い、ザクザク食感の氷片と、とろりと甘い練乳ソースが癖になります。

トラキチ君は、2016年に30周年を迎えたアイス。黄色いバナナ味のアイスの周りに、黒いガナッシュチョコを巻き付けてトラ模様を再現しています。きれいなトラ模様を出すために何度も試行錯誤を重ね、オリジナルの製造装置を自社で設計して作り上げたというこだわり商品です。価格は両商品ともに108円(税込)となります。

食感にも味にもとことんこだわって作られた佐賀県のご当地アイス・ブラックモンブラン。九州旅行の予定がある人は、ぜひスーパーやコンビニで探してみてはいかがでしょうか。

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