目次
失敗しない!たまご不要の天ぷら衣と5つのコツでカラッと絶品天ぷらレシピ
【管理栄養士が解説】天ぷらを家で作るとなると、意外に難しいものです。からりとした衣に仕上げるにはどうしたらよいのでしょうか。ここでは、特に難易度の高いエビ天と子どもが大好きなイモ天のコツを管理栄養士のGOHAN-MAYUさんに聞きました。
衣作りのコツ3つ! グルテンの粘りをできるだけ出さない
からりと天ぷらを揚げるために大切なのが天ぷらの衣作り。衣には具材を包み込んで中身にゆっくり火を通す他、衣が油を吸うことで衣の中の水分を逃がし、天ぷらをからりとさせる役割があります。
そのため、具材に衣がつくよう適度な粘り気が必要ではありますが、粘りが強すぎても失敗の原因に。揚げた後も衣の中に水分が残り、ベタッとした仕上がりになってしまいます。
この"粘り気"の正体は、小麦粉中のタンパク質から作られる「グルテン」という物質。小麦粉に水を加えて練るとこのグルテンができますが、からりとした天ぷらを揚げるためには、グルテンの粘りをできるだけ出さないようにするのがコツです。そのためのポイントは3つあります。
① 冷水を使う
衣を作る際に使用する水の温度が高いと、グルテンができるのが早まり、粘り気が強くなります。なるべく冷たい水を使いましょう。
② 混ぜすぎない
グルテンは練れば練るほど、形成が進みます。薄力粉に水を加えたらぐるぐるとかき回さずに、軽く切るようにして素早く混ぜましょう。薄力粉が完全に水に溶けず、ダマが残っているくらいでOKです。
③ 直前に作る
粉と水を混ぜてから時間が経つことでもグルテンの形成は進みます。混ぜてからの時間経過とともにどんどん粘り気が強くなってくるので、衣を作ったら時間をおかずにすぐに揚げ始めましょう。
揚げ方のコツ2つ! 適切な温度を保って揚げる
衣作りのコツに続いて、揚げ方のコツも解説します。揚げ油の温度は材料によって適温が違います。火の通りにくいサツマイモなどを高い温度で揚げれば、中まで火が通らないうちに表面の衣が焦げてしまいます。そのため、火の通りにくい材料は低温でじっくり揚げましょう。
逆に魚介類など火が通りやすいものを低温で揚げると、材料に火が通っていても衣の水分が適度に抜けずベタッとした仕上がりになったり、反対に衣はからりと揚がっているけれど、中身は火が通り過ぎてパサパサになってしまったりします。ですから、火の通りやすい材料は、サッと高温で揚げることがコツです。
また油は温度が下がりやすいという性質も持ちます。熱した油に材料を入れた際に、例えば冷蔵庫から出したての食材だった場合は油の温度が下がり過ぎることも。そうならないように工夫が必要です。ポイントは以下の2つです。
① 食材によって揚げる温度を変える
天ぷらの場合油の温度は、火の通りにくい野菜などは170度、火が通りやすい魚介は180度を目安に揚げましょう。
② 少しずつ揚げる
1度に多くの材料を油の中に入れると油の温度が下がり、もとの温度に戻るのにも時間がかかります。そのため、1度に揚げる量は油の表面積の1/2程度までにしましょう。
油の温度の見分け方
食材を適温で揚げたくても、温度計をいちいち出すのは面倒。そんな時は箸の先に衣をつけて油に落とすことで、その時の衣の上がり方により温度を見分けることができます。
- 170度: 衣はいったん鍋底に沈み、その後浮いてくる
- 180度: 衣は油の高さの半分まで沈み、すぐに浮いてくる
たまご不要の天ぷらレシピ(エビ天&イモ天)
以上のコツを守りながら、実際に天ぷらを作ってみましょう。今回は天ぷら衣の材料として一般的である"たまご"を使わずに作ります。衣を作る際にたまごを使うのは、味や風味付けの意味もありますが、グルテンの形成を抑える役目も持っています。でも「たまごを1個使って衣を作ると衣のできる量が多すぎる!」なんていうお悩みをお持ち人も多いのでは。そこでここでは、裏ワザとしてたまごの代用品にマヨネーズを使い、からりと揚がる衣を作ります。
材料
エビ・サツマイモ 各適量(エビだと7~8本程度、サツマイモだと5~6枚が目安)
衣
- 薄力粉 大さじ3
- マヨネーズ 小さじ1
- 冷水 大さじ3
作り方
1. エビは背ワタを取り、尾1節を残して殻を剥く。
2. 尾先を包丁で切って中の水分を出す。
3. 腹側に3〜4箇所、包丁で浅く切目を入れる。キッチンペーパーなどで水分をよく拭いておく。これでエビの下処理は完了。
4. さつまいもは皮ごと洗い、厚さ1cm弱の輪切りにする。
5. 続いて衣作り。まずは衣の材料を全て混ぜる。粘り気を出さないために、切るように菜箸でサッと混ぜること。
6. 油を170度に熱し、さつまいもに衣をつけて揚げる。途中で裏返して火の通り方を均一にする。全体で2分強揚げたら網に取り出して油をきる。
7. 次はエビ天を揚げる。油の温度を180度に上げる。エビの尾を持って衣をつけ(尾にはつけない)、身をまっすぐ伸ばすようにして油に入れる。途中で裏返し、全体で1分強揚げたら網に取り出して油をきる。
以上で完成です。衣の作り方・揚げるときのコツをおさえて、ぜひ家庭でもからりとした天ぷらに挑戦してみてくださいね。
▼天ぷらをサクサクに揚げるには?
サクサクの衣にならなくて天ぷらは苦手…という方必見。天ぷらをおいしくサクサクに揚げるなら、気の抜けた炭酸水がオススメ。タネをしっかり冷やすだけでも食感が変わってきますよ。ほかにも、色々なやり方があるので、ぜひ参考にしてみてください。
▼天ぷら粉がない!ときの代用品は?
天ぷら粉を代用するときは、一般的に薄力粉と卵と冷水が使われます。しかし、家にある材料で試行錯誤した結果、「少し気の抜けた炭酸水で衣を作る方法」がベストという結果になりました。詳しい検証結果はこちらの記事をご覧ください!