高級オーブンレンジが「高い」ワケ--高性能機種をおトクに買う方法も解説

一家に一台レベルで普及した「電子オーブンレンジ」。その名の通り、電子レンジとオーブンが一体となった調理家電ですが、1万円程度から15万円以上のものまで価格は様々。高価格な製品は具体的にどのような点が優れているのでしょうか。ここでは、高価格オーブンが秀でているポイントや価格差の理由を解説します。

目次

電子レンジ機能の場合

センサーの違いが価格差に

一般に、電子レンジ機能で価格差に違いが出やすいのは、加熱具合を判断するためのセンサーの違いです。最近の製品で採用されているのは、主に蒸気、赤外線による感知方式ですが、同じ価格帯の製品を比べた場合に加熱ムラが少ないのは赤外線センサーです。

価格帯が異なると、赤外線センサーを採用している製品でも赤外線の数が高価格帯と低価格帯の製品とは違い、高価格帯では食品の位置を細かく分析して検知できるなど、各社が独自に開発した高性能なセンサーが採用されています。それにより、より高い精度で検知と加熱コントロールを行うことができます。また、重量センサーや蒸気センサー、温度センサーなど複数のセンサーを組み合わせることで、より高性能に検知を行う機種もあります。

パナソニック「ビストロ NE-BS1500」。高精細・64眼スピードセンサーで、温度の異なる2品(冷蔵と冷凍など)のあたためを同時に行える

加熱方式の違いも価格に影響

もう1つ違いが大きいのが、加熱方式です。例えば電子レンジの場合には、マイクロ波という波長の短い電波で食品に含まれる水分に振動を与え、その摩擦熱で内部から温める仕組みです。ワット数が高いほどその能力は高くなり、その分温めるスピードも速くなります。また、構造上も上位機種ではフラットテーブルが主流。庫内の皿が回転するターンテーブルは、センサーの性能が高くない低価格帯の製品に採用されているケースが多いです。

オーブン機能の場合

加熱方式の違いに注目

庫内を一定の温度に保って加熱する仕組みのオーブン機能に関しては、低価格な製品では庫内上下に備えられたヒーター方式であるのが主流。高価な製品では、ヒーターの熱をファンで循環させて高温を保つ仕組みである場合が多いです。また、ヒーターが外に露出しているか否かも違いがあります。お手入れの面を考えると、ヒーターが内部に埋め込まれているほうが簡単ですね。

日立アプライアンス「ヘルシーシェフMRO-VW1」。重さと温度をはかり、分量に合わせて火加減を調整してくれる

スチーム加熱機能の有無

もう1つが、スチーム加熱機能を搭載しているか否か。「過熱水蒸気」と呼ばれるもので、300℃以上の高温に加熱した水蒸気を庫内に充満させて食品を加熱する仕組みです。水分を失わずに加熱ができることから、電子レンジ加熱よりも仕上がりがジューシーで、揚げ物の温め直しにも向いています。

シャープの「ヘルシオ」シリーズのスチーム加熱もこの一種で、「ウォーターオーブン」と呼ばれます。ただし、他社の過熱水蒸気加熱が水蒸気とヒーターの組み合わせによる方法であるのに対して、ヘルシオシリーズは100%過熱水蒸気のみを熱源とした仕組みで、より熱量が高く高度な調理を行うことができます。

庫内の容量も影響

その他、価格差が反映されるのは庫内容量の違いです。基本的に容量は大きいほど価格も高くなる傾向にあります。市場には15L程度から30L以上のものまで展開されていますが、大は小を兼ねるものの、庫内が必要以上に大きいと、同じ量を調理するにもその分電気代と時間がかかるので、各家庭での利用に見合ったサイズを選ぶことが大切です。

東芝「石窯ドームER-SD7000」。レンジ出力1000W、庫内容量は30L。石窯ドームで350度の高火力を実現

それ以外の要素では、オートメニューの有無やメニューの種類と数、操作部や表示部などに違いがあります。高価格な製品では、操作部がカラー液晶やタッチパネル式が採用されています。最先端のモデルの中には、スマートフォンとの連携や音声対話機能、人工知能によるメニューの提案機能などが搭載されている機種もあります。

おトクに高性能機種を購入する方法は?

毎年のように大手家電メーカーから発売される電子オーブンレンジの新製品。各社の最新の技術が詰め込まれたフラッグシップモデルの場合、発売開始時の市場想定価格はおおよそ17~18万円前後というのがここ数年の相場です。しかし、1年後に新モデルが発売されると、だいたい10万円以下の価格まで値下がりする傾向にあります。型落ちになったといえども、1年前の最高峰モデルなら十分高性能。終売になる直前にそれらをお得にゲットするというのもかしこい購入方法です。

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