「三が日に掃除はするな」はなぜ? お正月にやってはいけないこととその理由

家族や親戚が集まりおせち料理を囲むお正月。この由来や、この日にやってはいけないことについてご存知ですか。民俗情報工学研究家の井戸理恵子先生に教えてもらいました。

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お正月とは

1年の始まりであるお正月。1月1日の朝を「元旦」と呼び、1月1日を「元日」と呼びます。本来お正月とは1月全体を指しますが、今は特に三が日をお正月と呼ぶようになりました。

昔から日本ではお正月はゆっくりと過ごす文化がありましたが、これは三が日には年神様(としがみさま)を迎えることから。年神様とは、自分のご先祖様のことです。三が日にはご先祖様たちが家に帰ってきますが、いつ帰ってくるかはわからないため、なるべく家を空けずに家の中にいて過ごします。

また、三が日は「火の神様」と「水の神様」にお休みしてもらうという考え方も。これには火や水を使う料理や掃除を忌むことも含まれます。日本では女性(妻)を「かみさん」と呼びますね。このこともあり、三が日はねぎらいの意味も込めて、妻を家庭の中の神様のように扱い、家事は控えます。

初詣とは

初詣とは、お正月の時期に神社や寺へその年初めてお参りすること。今では有名な神社などへお参りする人も増えていますが、昔は家の中の神棚にお参りをするというのが、まさに「初詣」にあたりました。氏神様(住んでいる地域の神様)や産土様(自分が産まれた地域の神様)など地元の神様のお札を用意し、若水(元日の早朝にくむ水のこと)とお供え物を供え、家族の平安をお祈りするのです。これは神様をお迎えする準備でもありました。

このことから本来の初詣を大切にしたい場合は、まずは神棚、もしくは地域の神様や地縁の深い神社へお参りに行くことをおすすめします。

鏡餅を飾る理由

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重なった餅の上にみかん(橙が正式)がのっている「鏡餅」の名前の由来や飾る理由はご存知でしょうか。

鏡餅の「かか」(かが)とは、実は蛇の古語。つまり鏡餅の「かがみ(鏡)」とは、"かか"様が"み"ているで「かか(が)み」です。また「かか」とは「母」でもあります。鏡に写る自分の顔には、先祖代々「かか」から生み出されてきたご先祖様たちの顔が集約されています。

蛇は脱皮を繰り返しながら復活するというように捉えられており、餅の重なった形は蛇のとぐろをイメージしています。この生まれ変わっていく力強い蛇に、先祖代々の力(年神様)が寄り付いて籠ると考えられ、祀られるようになりました。

なお、昔は鏡割り行事で割った鏡餅のかけらをお年玉と呼びました。年神様がこもった餅をみんなに振り分け、それを揚げたり焼いたりして食べ、縁起をかついでいたのです。

NGな過ごし方

ご先祖様が帰ってくるお正月。この日に行ってはいけないと言われているのは、以下の通りです。

「料理」

火の神様をお休みさせるため。料理をせずに過ごせるよう、年末には日持ちするおせち料理を作っておきます。

「掃除」

水の神様をお休みさせるため。また、ほうきを使って掃くと、福を運んでくれる年神様を掃ってしまうしまうことから。

「洗濯」

水の神様をお休みさせるため。またいつ来客があるかわからないお正月に、お客に洗濯物を見せるのは失礼なことから。

「お墓参り」

お正月はハレの行事として過ごすのが大切なので、陰の行事であるお墓参りはしない。

大掃除やおせち料理作りなど、お正月を迎えるために年末は大忙し。ですが、年神様を迎えゆっくりとしてもらうためにも、適度に頑張って準備しておきたいですね。

監修: 井戸理恵子

今回お話を聞いた先生

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井戸理恵子(いどりえこ)

ゆきすきのくに代表、民俗情報工学研究家。1964年北海道北見市生まれ。國學院大學卒業後、株式会社リクルートフロムエーを経て現職。現在、多摩美術大学の非常勤講師として教鞭を執る傍ら、日本全国をまわって、先人の受け継いできた各地に残る伝統儀礼、風習、歌謡、信仰、地域特有の祭り、習慣、伝統技術などについて民俗学的な視点から、その意味と本質を読み解き、現代に活かすことを目的とする活動を精力的に続けている。「OrganicCafeゆきすきのくに」 も運営。坐禅や行事の歴史を知る会など、日本の文化にまつわるイベントも不定期開催。

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