自家製パン、夜仕込んで朝焼き立て! 「オーバーナイト発酵」でラクラク

手作りパンにチャレンジしてみたいけど、時間がかかって大変そうと思う人も多いはず。そんな人に提案したいのが、夜の時間を効率的に使って生地発酵させる、「オーバーナイト発酵」です。寝ている間に生地を発酵させるので、翌朝成形して焼けば焼き立てパンが完成。休日の朝ごはんにもぴったりです。

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オーバーナイト発酵とは?

「オーバーナイト発酵」とは、少なめのドライイーストで仕込んだ生地を、寝ている間に冷蔵庫の野菜室で発酵させ、翌日焼き上げる作り方です。近年人気の手軽なパン作りの方法の1つで、「低温長時間発酵」や「冷蔵庫発酵」とも言われます。

生地の仕込みと焼き上げのタイミングを別日に分けることで、時間の経過を生地作りの味方にし、無駄なく少ない労力でパン作りを楽しむことができますよ。本来パン生地を発酵させるためにはしっかりこねることが必要ですが、オーバーナイト発酵なら入念に生地をこねる必要もなく、仕込みも簡単。忙しい人にこそチャレンジしてほしいパン作りの方法です。

オーバーナイト発酵の魅力

冷蔵庫の野菜室の温度は、一般的に7度前後と冷蔵室よりも少し高め。生地を入れておくと、発酵が止まらず、ゆっくりと進む温度です。低温でゆっくりと発酵させることで、時間と共に粉の吸水も進み、パン生地の骨格となるグルテンも徐々に作られていきます。

そのため生地の仕込みは少ないこねでもOK。また、ゆっくり発酵させることで生地の熟成も進み、小麦の旨味をより味わえるパンに仕上がります。ベストな発酵のタイミングも長いので失敗リスクも軽減。発酵させている時間に就寝するのはもちろん、朝に仕込んで発酵を待つ間に家事をするなども可能です。

今回はオーバーナイト発酵で、休日の朝ごはんに焼き上げる想定でレシピを紹介します。仕込んだプチパンの生地を、翌日・翌々日の2回に分けて焼くイメージです。例えば金曜の夜に仕込めば、土曜日、日曜日と朝に焼き立てのパンが楽しめますよ。

「プチパン」の基本レシピ

材料(12個分 ※今回は6個ずつ2日に分けて使用することを想定)

A(強力粉 300g / 砂糖 15g / 塩 5g)

ぬるま湯 195g / ドライイースト 1.5g / 打ち粉(強力粉または薄力粉) 適宜

作り方

生地の仕込み(前日)

1. ぬるま湯にドライイーストを振り入れてふやかす(画像1)。

2. ボウルにAの材料を入れて泡立て器でムラなく混ぜる(画像2)。

3. ふやかしておいた1を泡立て器でよく混ぜたら(画像3)、2に一度で注いでしゃもじで粉っぽさがなくなるまで混ぜる(画像4)。

※しゃもじを使うとゴムベラよりもしっかりと混ぜられ、スケッパーのように手が汚れないのでおすすめ。

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4. 3にラップをかけて10分ほど休ませたら(画像5)、生地の端をつかみボウルの底に軽く叩きつけるようにして、表面がなめらかになるように整えていく。底に叩きつける面を変えながら、20回ほど繰り返す(画像6)。

5. 再び4にラップをかけて10分ほど休ませたら、同様にボウルの底に軽く生地を叩きつけるようにしてさらに表面をなめらかに整える。面を変えながらこれを10回ほど行う。ボウルにラップをして1時間ほど室温に置いた後(画像7)、冷蔵庫の野菜室で休ませる。

※生地は8~24時間以内に使用する。今回(2日目のレシピ)のように使用タイミングが24時間を超過する場合は、超過する前に一度、生地のガス抜きをして丸め直しておき、できるだけ早く使い切る。

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ポイント

  • 生地を休ませながら叩きつけるうちに、固さのムラがなくなりなめらかになる。なお、ボウルの底にすべり止めマットを敷くと作業がしやすい。
  • 生地の仕込み時にはポリエチレン手袋をはめて作業すると手にパン生地がつかず、都度手を洗わずに済むのでスムーズ。
  • 生地を発酵させるときは、ボウルではなく密閉できる大きめのタッパー(2リットル程度の容量がベスト)に移してもOK。
  • 成形・発酵(次の朝)

1日目は、表面はパリッ、中はもっちりとしたシンプルなプチパンを作ります。

1. スケッパーを使い、打ち粉をしたまな板に生地を取り出す。上から手のひらで生地をつぶしてガス抜きをしたら2分割して丸め直す(画像8)。

2. 1のうち一方は再びボウルに入れてラップをかけ、野菜室へ戻す。この生地は翌日使用する(画像9)。もう一方はスケッパーで6分割して丸めたら、ぬれ布巾をかけて10分ほど休ませる(画像10)。

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3. 生地を休ませ終わったら、表面を張らせるようにきれいに丸め直す。オーブンシートを敷いた天板に並べていく(画像11,12)。

4. 乾燥しないようにぬれ布巾をかけ、温かなところでふっくらと一回り大きくなるまで発酵させる(30分~1時間程度)(画像13,14)。

※発酵の目安は、オーブンの発酵モードなどを使用し、35度で30分ほど。また常温の場合は30分(夏場)~1時間程度となる。生地の表面を指で触り、ふっくらとしていたら焼き始めてOK。オーブンの発酵モードがなく、生地の発酵を急ぎたい場合は予熱中のオーブンの上に生地を並べた天板を置くと多少時間が短縮できる。

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ポイント

  • 生地をきれいに成形するために、成形時は打ち粉をして、手に生地がつかないように扱う。
  • オーバーナイト発酵の生地はイーストを少なめにしてあり、また冷蔵庫に入れていたことで生地が冷えているため、発酵が進む温度に回復するまで、ある程度時間が必要になる。2次発酵(成形後の発酵)が足りないと小ぶりでもっちりとした仕上がりになるが、1次発酵を長時間かけてしっかりとさせているため、多少2次発酵の時間が短くとも十分おいしく食べられる。

焼成

オーブンを200度に予熱する。パン生地に茶こしで軽く強力粉(分量外)を振りかけ、包丁でパン上面に切り込みを入れる。予熱完了後、13〜14分ほど焼いたら完成。

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アレンジレシピ「ツナマヨコーンパン」(2日目)

2日目は基本のプチパン生地を使い、惣菜パン作りに挑戦しましょう。

材料(6個分)

基本のプチパン生地 1/2量 / ツナ缶(油漬) 1缶(80g) / コーン缶 大さじ2 / マヨネーズ 適量 / 塩胡椒 少々 / 牛乳 適宜

作り方

1. 野菜室から生地を取り出し、ガス抜きしてスケッパーで6分割する。まな板に打ち粉をしたら、めん棒を使って生地を薄く丸く伸ばす。後から膨らむので、この時は薄く伸ばしてOK(画像15)。

2. 中央を指で押して凹ませ、くぼみを作る(画像16)。

3. 生地をアルミカップにのせたら、缶汁を切って塩胡椒したツナとコーンをのせる(画像17)。

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4. 基本のレシピの【4】の工程同様、生地を発酵させる。好みで生地のフチにつや出し用の牛乳をハケなどで塗る。上面に網状にマヨネーズをかけたら、200度に予熱したオーブンで13~14分ほど焼いて完成。

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アレンジ色々

具材にはツナとコーンの他にも、マッシュしたじゃがいもとベーコンやハムとチーズをのせて焼いてもいいですね。粉の10%ほどを全粒粉に置き換えても、香ばしくておすすめ。またごまや青のり、ナッツやドライフルーツを生地を仕込む際に混ぜ込むアレンジもおいしいですよ。

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ハードルが高いように感じるパン作りですが、慣れると夕飯作りの合間に作り置き感覚で気軽に仕込めます。オーバーナイト発酵を利用することで、パン作りの負担が減り、効率良くパンを作れるので、ぜひお試しください。