揚げ物の悩み解決! 揚げ油は何回使う? 冷凍するなら揚げる前? 後??

フライに天ぷら、唐揚げなど、子どもから大人まで広い世代に人気の揚げ物。食卓に出したら喜ばれるけど、揚げ具合の難しさや揚げ油の処理などから、家で作るのは億劫ですよね。今回は揚げ物をする時のお悩みについて、解決方法を管理栄養士がご紹介します。

目次

揚げ物をカラリと揚げるコツ

揚げ物をカラリと仕上げるには、適温を保って揚げるのがポイント。温度の見極めには高温度専用の温度計を使うのが確実ですが、ない場合は箸の先に衣をつけて、油に落として判断します。

  • 150〜160度: 底に沈んでゆっくりと浮き上がる
  • 170〜180度: 途中まで沈んで浮き上がる
  • 200度以上: 沈まずに表面に浮く、または散る

具材を入れた時に油の温度が低下するため、油はたっぷりと用意し、一度に揚げる量は油の表面積の1/2程度に留めるようにしましょう。

油の使用量を少なく済ませたければ、油に2cm程度の深さがあれば揚げることができます。ただし、少ない油だと温度が変化しやすいので、こまめに火加減を調整しましょう。また、直径の小さな鍋で少しずつ揚げる、というのも、油の量を節約する一つの方法です。

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揚げてから冷凍? 揚げる前に冷凍??

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揚げる前に冷凍する場合

パン粉をつけたら1個ずつラップで包み、保存袋に入れて冷凍します。食べる際は冷凍のまま、低温の油に入れてじっくりと揚げましょう。

最初から高温の油に入れてしまうと、「外側はサクサクに揚がっているけれど、中心部が解凍されていない」なんて、失敗の原因に。揚げる前の状態で冷凍する場合、食卓に出す時に揚げるひと手間が必要ですが、毎回揚げたてのおいしさを味わえるところがメリットです。

揚げた後に冷凍する場合

揚げたフライをしっかりと冷まし、1個ずつラップで包んで保存袋に入れて冷凍します。食べる際には、自然解凍又は電子レンジで解凍し、オーブントースターで加熱すれば、サクッとした食感も楽しめます。揚げたてのおいしさとはいきませんが、食べる時に揚げ物をせずにすむ手軽な方法です。

揚げ物の油処理方法

揚げ物をする際に面倒なのが揚げ油の処理。しっかりとエコな方法で処理して、地球にやさしくありたいものですね。使い終わった油の処理方法をいくつかご紹介します。

市販の油処理剤を使う

使い終わった油の鍋に入れて待つだけなのでとても手軽。固まったら油ごとスルッと鍋から外れ、そのままゴミとして捨てられます。

牛乳パックを使う

空の牛乳パックに新聞紙やボロ布などを詰め、しっかりと冷ました油をしみ込ませます。最後はガムテープなどで口を閉じましょう。発火防止のため、中に詰める新聞紙・ボロ布は水で湿らせておきましょう。

ビニールもOK

油を吸わせる新聞紙やボロ布を詰めるのは、牛乳パックではなくビニール袋でもOK。油が熱いと袋を溶かしてしまうので、しっかり冷ましてから注ぐようにしてください。油がしみ出してしまうことがあるので、袋は2重にした方が良いでしょう。

なお、処理した油はお住まいの自治体が指定する方法で捨てて下さいね。

揚げ油を複数回使う場合の注意点

一度使った油を再利用するために保管しておくケースもありますね。その場合は、揚げ油の中に残った食品のカスをきれいに取り除き、冷ましてから保存容器に注いでこします。容器の口元まで油を詰めて、できるだけ空気に触れないようにして冷暗所に保管し、早めに使いましょう。

複数回使用するデメリット

揚げ油を何度使いまわすかについては、多くの人が疑問に思うところ。揚げる材料や量によっても変わってきますが、あまり何度も使うのはおすすめではありません。

その理由は、油を使ったり長く放置したりすると劣化するから。この劣化現象は油が空気に触れて、油の分子に酸素が結びつく「酸化」が起こることによって始まります。油の中に酸性の物質が増え、ある限度以上になると次々と反応が進んでいきます。

油の色が濃くなったり、嫌な臭いがしたりなどがそのサイン。劣化すると油は粘りを増し、カラッとした揚げ物ができません。また油が劣化するとおいしい揚げ物が作れないだけでなく、体にも悪影響を及ぼすと言われています。

なお、油の酸化は次の様な状況で加速度的に進みます。

  • 高温で長時間加熱する
  • 光にあてる
  • 空気に触れる
  • 油の中に不純物が混じる

つまり揚げ物をすること自体が酸化を進めることになるので、何度も油を使用すると、どんどん油は劣化していきます。カラリとしたフレッシュな(そしてできるだけ健康的な! )揚げ物を楽しむには、何度も使い回さない方が良いでしょう。家庭での揚げ物メニューの登場頻度にもよりますが、2回程度で交換することをおすすめします。

複数回使用する場合には、先にも紹介したような方法で保管して早めに使いましょう。

ハードルが高く思える揚げ物ですが、まとめて作ったり、油を処理しやすい方法を見つけたりすることで少しハードルも下がるかも!? ぜひ実践してみてくださいね。

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