800人に聞いた「増税前に何を買っておく? 」上位5品にFPからのアドバイス

いよいよ2019年10月1日から消費税が10%に上がります。「軽減税率」が適用される商品もあるものの、家計にとってダメージとなるのは事実。株式会社ロコガイドが約800人の生活者に対して実施した「増税直前! 増税前の買い物意識調査」アンケートでは、増税前にまとめ買いをしておくものとして「我が家の定番日用品」を挙げる人が多くみられました。

目次

軽減税率、正しく理解していますか?

消費税が8%から10%に上がるにあたり、ニュースなどで「軽減税率」という言葉をよく耳にします。この制度は「低所得者層へ経済的な配慮をする」という目的で、一部商品の税率が8%に据え置かれるというもの。適用されるのは主にお酒や外食を除く飲食料品です。

家計に大きくかかわってくる軽減税率制度ですが、今回のアンケートで認知状況を質問したところ、「内容まで理解している」と答えた人は39.9%。一方「名前は知っている / 聞いたことがある程度」が57%、「名前も聞いたことがない / 知らない」は3.1%と、増税を目前にしたこの時期でも、まだその認知、浸透には課題があるようでした。

増税に備えて購入・まとめ買いをする商品は?

軽減税率の対象とならない商品については、消費税が10%に上がります。増税に備え、生活者はどの程度“増税前の購入・まとめ買い”を検討しているのでしょうか。「増税に備えて購入する / まとめ買いを予定している」と回答した人が多い商品を、ファイナンシャルプランナー(FP)からのアドバイスと共にランキング形式で紹介します。

質問・選択肢概要

質問: 「増税に備えて購入する / 買いだめを予定している商品は何ですか? 」(複数回答可)

選択肢: 

  • a. 一軒家・マンション
  • b. 車
  • c. 白物家電(家事に密接に関わる冷蔵庫、洗濯機、掃除機、炊飯器、電子レンジ)
  • d. 黒物家電(主に音響や映像といった趣味・娯楽分野で利用される製品)
  • e. トイレタリー・バス用品
  • f. 生理用品・乳児用/介護用オムツ
  • g. ヘアケア・スタイリング剤
  • h. 洗濯用洗剤
  • i. 化粧品
  • j. お酒(ビール、発泡酒、ワイン、ウイスキーほか)
  • k. 医薬品・医薬部外品
  • l. ペットフード
  • m. 保存食品・冷凍食品
  • n. 調味料
  • o. 飲料(水ほか)
  • p. その他

1位: 「洗濯用洗剤」 222件(26.7%)

最も「増税前に購入する」と回答数の多かったのが洗濯用洗剤。毎日のように使用し、購入頻度の高い生活必需品であることが要因だと思われます。

FPのコメント

4分の1の方が買いだめしておくと回答した洗濯用洗剤。確かに時間が経過しても腐ったり品質劣化したりしにくいものなので、まとめ買いしておいても良いといえます。しかし保管場所に困るという難点も(前回の消費税増税前、筆者の実家は洗剤やシャンプー類が山のようになり問屋さん状態になっていました)。200円の洗剤だと、消費税アップ前後の差額はわずか4円。ちょっとしたセールやポイントアップデーに買うことで対応できる範疇でもあります。増税にあおられることなく「ある程度」の量の購入にとどめておくと良いでしょう。

2位: 「トイレタリー・バス用品」 149件(17.9%)

回答数2位となったのは、トイレタリー・バス用品です。こちらも1位の洗濯用洗剤と同じく消耗品で購入頻度の高い品。比較的安価でも、生活に欠かせず購入頻度の高い商品をまとめ買いしておこうと検討している傾向が見られました。

FPのコメント

トイレやお風呂まわり用品は消耗品が多いのでまとめ買いしたいものですが、専用洗剤は1位の洗濯用洗剤のように「ある程度」の量にとどめておきたいところです。ただし、少し値のはる必要なものは増税前に買っておきましょう。冬になってから欲しくなる便座カバーやトイレマット、少し高いけれど欲しかったシャワーヘッド、汚れてきて買い替えを検討している風呂ふた、風呂マット、タオル類、洗面器など、セールになりにくい定番品は増税前に買っておくのがおすすめです。

3位: 「白物家電」 134件(16.1%)

3位は冷蔵庫、洗濯機、掃除機などの白物家電がランクイン。使用頻度が高く値が張るので、この機会に買い替えを検討する方も多いのがわかります。

FPのコメント

増税2%の影響が大きいのは単価の高い買い物。電化製品の中でも特に白物家電は高価なので、増税前に買っておきたいと思う方も多いでしょう。

ですが、電化製品は価格変動がかなりあり、型落ち直前では新発売時の半値近くになることも。新商品は価格が高く割引率も低いのですが、ひとつ前の型にすればだいぶ安く購入することができます。また増税後になってしまいますが、年末セールや年明けの初売りで目玉商品が買えればかなりおトクに白物家電をゲットすることも可能。買う前によく検討しましょう。

まだまだ使えそうなのに増税があるからと買い替えるのはナンセンス。10万円で買った洗濯機を10年使えば1年あたり1万円で使ったことになりますが、8年だけ使った場合、1年あたり1万2,500円かかったことになるのです。1年あたりの洗濯機利用料だけで2,500円も差が出るとなると、増税2%の差額はすぐに元がとれてしまいます。ちょうど買い替えのタイミングなのであれば、少し型落ちした白物家電を購入すると良いでしょう。

4位: 「化粧品」 133件(16%)

ドラッグストアなどで購入できる安価なものから、百貨店で購入する値が張るものまで、価格の幅が広い化粧品が第4位。スキンケア用品やファンデーションなどはほとんどの女性が毎日のように使用する品のため、1位の洗濯用洗剤等と同じく、必須消耗品としてストックを検討しているのかもしれません。

FPのコメント

女性にとって化粧品は欠かせないものです。毎日使ううえ単価が高いものもあり、セールもしないため、筆者の中では買っておきたい2位です(ちなみに筆者の1位はお酒類)。未開封であれば品質はある程度保持されるので、化粧水・乳液など日々使うものは少し多めに買っておきましょう。口紅やアイシャドウは流行の色があるので、今買っておくと使うときに野暮ったく見えてしまう可能性もあります。化粧品を買っておくのであれば、スキンケア用品がおすすめです。

5位: 「お酒・ビール」 124件(14.9%)

5位に入ったのが、飲料品ながら軽減税率対象外のお酒。嗜好品のため必要のない方もいますが、毎日のように飲む方にとっては、増税は痛手。賞味期限も長いためか、まとめ買いを検討している様子が見て取れました。

FPのコメント

軽減税率で食料品は8%に据え置かれますが、お酒・ビール類は同じスーパーで買っても対象外。10%の消費税がかかります。ワイン・焼酎・ウイスキー・ビールなどお酒好きな方はまとめ買いしておいたほうが良いでしょう。

ただし、ビールは製造日から日数が経過するとおいしくなくなってしまうのでほどほどに。見落としがちなのが、調味料のみりんです。「みりん風調味料」は軽減税率対象ですが、みりんは酒類に該当し、10%の消費税がかかります。料理に使う日本酒も当然10%に。嗜好品としての酒類だけでなく、調理に使うみりん・日本酒も増税になるのでまとめ買いリストに追加してください。

みなさん、FPのコメントも参考にしながら、10月1日を迎える前に「本当に買っておくべきもの」について焦らずしっかり検討してくださいね。

コメントをいただいたFPさん

稲村 優貴子

ファイナンシャルプランナー(CFP🄬)、心理カウンセラー、ジュニア野菜ソムリエ。 大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポートをする仕事がしたいとの想いから2002年にFP資格を取得し、独立。現在FP For You代表として相談・講演・執筆業務を行い、テレビ・新聞・雑誌などのメディアでも活躍中。年間相談550件を超え累計3,000件、講師業務は年間30件以上で個別相談は1カ月待ち。著書に『年収の2割が勝手に貯まる家計整え術』(河出書房新社)がある。得意な相談分野は、ライフプラン・保険・夫婦パートナー関係・年金・相続。

調査概要

  • 調査期間:2019年8月6日~8月18日
  • 調査対象:「トクバイ」を利用している全国の生活者
  • 調査数:回答数833件(男性 / 195名 女性 / 636名 その他 / 2名)
  • 調査方法:インターネット調査

制度
ランキング

おすすめ記事

全体ランキング