2022年の立秋はいつ?お盆や七夕との関連、立秋に食べるものを解説

日本には「二十四節気(にじゅうしせっき)」と呼ばれる、季節を春夏秋冬の4つにわけ、それぞれの季節をまた6つに分ける考え方があります。今回は二十四節気の一つである「立秋」について知っていきましょう。

目次

立秋とはどんな日?

天気予報などで、「今日は立秋です」と聞いたことはありませんか?立秋とはどんな日なのでしょう。

二十四節気とは

二十四節気とは1年を春夏秋冬に4等分し、それぞれの季節をさらに6つに分けることで、気候の推移を示す季節の考え方。1年間を24等分するので二十四節気と呼ぶのです。代表的なものには今回の「立秋」のほか、「春分」や「大寒」などがあります。

立秋とは

立秋は二十四節気の中で、秋を6つに分けたうちの一つ。夏から秋への変わり目の時期で、秋の風を感じる頃です。ちなみに、この時期の俳句には「秋立つ」「秋来る」といった表現が季語として使われます。

立秋はいつ?

2022年の立秋は8月7日

2022年の立秋は8月7日です。立秋には「秋」という漢字が使われますが、新暦の8月8日頃が立秋にあたり、日にちは年によって変動します。つまり、二十四節気としては秋ですが、季節としてはまだ夏。むしろ最も暑い頃といっても過言ではないほど、暑さがピークに達する頃ですね。

しかしながらこの時期には、ひぐらしが鳴き始め、夕方には涼しい風が吹くこともあり、秋の気配をどことなく感じます。まだまだ汗ばむ季節に立秋を迎えるわけですが、少しずつ風の中に秋も感じるようになるのです。

立秋はお盆の時期に重なる

また立秋の頃は、お盆とも重なります。そのため、この時期はご先祖様や親戚縁者と交流をするとき。1年の中でも家族みんなが心を寄せ合う、特別な時期とされています。立秋を迎えた頃に家族で集まり、そしてこの時期を過ぎると、みなそれぞれ日常に戻っていくのです。

ちなみに二十四節気という考え方は旧暦の頃より使われていますが、旧暦の立秋は7月頃。まだ初夏ともいえる頃が立秋とされていました。

なぜ8月に「秋」なの?

ではなぜ8月(旧暦の7月)に立秋なのかといえば、「秋が立つ」つまり秋を迎え始める時期に入った、ということから。完全な秋ではなく、秋めいた風が吹いたり、夏の終わりを告げる風習が行われたりする時期というわけです。

「立春」「立夏」「立冬」の、「立+季節」と書くどの二十四節気にもいえることですが、季節が完全にきてからではなく、季節に入る頃を指しています。その時期を迎える準備を促し、その時期ごとの儀式や風習(立秋だとお盆行事)が行われる目安となったのです。

立秋に食べるもの

日本には季節や行事ごとに、その時期や行事の意味にあった食事が食べられています。立秋では「必ずこれを食べなくてはいけない」という行事食はありませんが、夏の疲れをとる食べ物(瓜系が多い)がよく食べられます。

例えば胡瓜(きゅうり)、苦瓜(にがうり)、西瓜(すいか)など。これは水分の多い瓜系の野菜が、水分を取られやすい夏の身体に必要だと考えられているためです。また麦は体の熱をとると考えられていることから、麦茶や冷麦、素麺などもこの時期に好まれて食べられます。

立秋を境に「暑中見舞い」から「残暑見舞い」になる?

立秋を境に変化があることの代表的なものが、日ごろからお世話になっている方へ出すハガキの言葉です。立秋を過ぎた残暑の頃は、最も暑さが身体に堪える時期。溜まった夏の疲れにより、体調を壊しやすい時期でもありますね。

夏の暑い頃は「暑中見舞い」として便りを出すのが一般的ですが、秋をそろそろ迎える頃となる立秋を境に「残暑見舞い」へと変え、残暑の中での体調を「ご自愛ください」と気遣います。

立秋に七夕をする地域も!?

七夕はもともと、旧暦の7月7日(新暦の6月頃)に行われていた先祖供養の行事。そのため、地域によっては立秋に月遅れの七夕を催すところもあります。

ちなみに、新暦になってからは8月中旬にお盆の行事が行われるようになりました。日本のお盆行事では一部地域を除き、立秋のほぼ一週間後である13日に盆入りし、16日に送り火を焚いて先祖を送ります。「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と呼ばれる仏教のお盆行事と、日本古来の風習であった七夕が融合し、現在のお盆行事となっています。

日本に住んでいる良さ一つである季節のうつろいを感じながら、日々の暮らしを楽しんでいきたいですね。

監修: 井戸理恵子

今回お話を聞いた先生

井戸理恵子(いどりえこ)

ゆきすきのくに代表、民俗情報工学研究家。1964年北海道北見市生まれ。國學院大學卒業後、株式会社リクルートフロムエーを経て現職。現在、多摩美術大学の非常勤講師として教鞭を執る傍ら、日本全国をまわって、先人の受け継いできた各地に残る伝統儀礼、風習、歌謡、信仰、地域特有の祭り、習慣、伝統技術などについて民俗学的な視点から、その意味と本質を読み解き、現代に活かすことを目的とする活動を精力的に続けている。「OrganicCafeゆきすきのくに」も運営。坐禅や行事の歴史を知る会など、日本の文化にまつわるイベントも不定期開催。

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