費目別に節約ポイントをおさえる!節約生活のために意識したいこと

節約を始めたいと思っても、何をどうすれば、どの程度の額が節約できるのかイメージがわかず、結局行動に移せない……なんてことはありませんか?お金のプロであるファイナンシャルプランナーに、家計の費目別に節約生活をおくるポイントを教えてもらいます。

目次

家計を上手くやりくりするためにも、節約を意識した生活をおくりたいところ。でも、節約しようと思っても、どこから手をつけていいのか分からなかったり、何から何まで節約しているとストレスがたまったりしてしまいます。

成功する節約でポイントとなるのは、ストレスなく節約すること。例えば、毎日ちょこちょこ節約をするよりも、毎月定期的に出ていく固定費は、見直すときこそ大変ですが、その後はストレスなく節約が続き、節約の効果も大きいです。

まずは節約のターゲットを絞り、自分で始めやすい支出から節約を始めてみましょう。

住居費

家賃・住宅ローンは手取り15%~30%に

住んでいる地域により異なりますが、手取り収入の15%から30%に抑えたいのが住居費です。

この住居費は、賃貸の家賃も、購入物件の住宅ローンも同じ基準で考えてOK。毎月の支払額がその目安を超えている場合は、家賃が安い物件への引っ越しを検討したり、住宅ローンの見直しを検考えたりしましょう。

保険は比較し、うまく利用する

賃貸の場合、数年おきに加入が必要な火災保険を言われるがまま払うのではなく、比較すると安くなることも。筆者が見てきたケースでは、2年で1万5,000円かかっていたものが、9,000円ほどになったケースもありました。

これから購入する場合は金利だけでなく、付帯している団体信用生命保険について、どのような場合に対象となるのかもチェックしましょう。ものによっては死亡のみではなく、ガンになってもローンの支払いが免除になる場合もあります。

光熱費

暮らしに合ったプランを選ぶ

また、住居費と一緒に考えたいのが電気代です。電力自由化になり、自分のスマホの契約会社やガス会社などを同じ系列にしたり、夜間利用が多い場合は夜間の料金が安いプランに変更したりするなど、契約を見直すことにより安くなることもあります。

一括見積りできるサイトもあるので比較してみるとよいでしょう。

食費

生活費を節約をするにあたり、まず取り組みやすいのが食費。健康のことを考えると節約するにも限界はありますが、食費を節約する方法として以下のような行動がおすすめです。

<食費節約のためにできる行動>

  • ストック食材の使い切りを意識する。
  • まとめ売りにこだわらず(2つで〇〇円など)必要な分だけ買う。
  • 1カ月の食費予算を決め、その範囲内で買い物をする。
  • 「献立を決めて買い物する」ではなく、家にある食材で作れる献立にする。
  • アプリ決済のポイント還元、お店のポイント10倍デーなどお得な日に買い物をする。

家にある食品を使い切る意識を

この中でも、特に心がけたいのがストック食材を使い切り、食品ロスをなくすことです。冷蔵庫や食品のストックスペースに、使っていない食材がたくさんたまっていませんか?

しっかり家庭の在庫を把握すれば、3日間ほど買い物をしなくてもしのげるくらいの量があるかもしれません。購入するときに安く買えても、使えずに捨ててしまっては無駄遣いになり、食材ももったいない。まずは日々の生活の中で、家にある食品を使い切るような流れをつくりましょう。

ふるさと納税を活用する手も

またお米やミネラルウォーター、酒類など、日常で毎日消費するものは、ふるさと納税を利用するのもおすすめです。住民税の一部を好きな地域を選んで寄附すれば、実質負担は2,000円ほどで返礼品が送られてくるので、毎日の生活に必要なものを返礼品としている地域を選んでみると家計が助けられますよ。

外食費

お得な決済方法・クーポンを調べていこう

家族そろっての外食となると大きな出費になります。“○○ペイ”などの、アプリ決済で企画されているポイント還元キャンペーンはぜひチェックしましょう。その電子マネーが使えるお店で食事をすれば、現金で普通に支払うよりも外食費の節約ができます。

また、金券ショップで事前に全国共通のお食事券(ジェフグルメカードなど)を5%引きほどで購入するという節約方法も。お食事券が使えるお店に行けばお得に食事できますね。

さらにレストランの公式サイトやグルメサイトでクーポンを探すと、割引やドリンクサービスなどの特典があるかもしれません。

行きたいお店が決まったら、食事に出かける前に「お得に食事できる方法はないか?」と考えてみましょう。

通信費

よく使うサービスを考慮し、契約プランを見直す

今や携帯電話のプランはさまざまあり、格安スマホもたくさん販売されています。お得に利用したい場合は、いま契約しているものと同じような利用環境で、別のプランや会社にするといくらほどになるか、見積もりをとってみましょう。違約金や手数料を考慮しても、数カ月で元がとれるほど安くなるケースもあります。

また「格安SIM」を使うと携帯電話の使用料を1カ月1,000円ほどにできることも。例えばSNSを多く使用する学生だと、LINEモバイルで月額1,000円台の使用料から、SNS(LINE、Twitter、Facebook)のデータ通信料がゼロになるSNSデータフリーを利用できます。

また音楽好きな人は同じくLINEモバイルで、SNS(LINE、Twitter、Facebook、Instagram)に加え、LINE MUSICのデータ通信量がゼロになるSNS音楽データフリーを、こちらも月額1,000円台から使えます(※)。

固定費となる通信費は、見直すと効果が大きい項目です。2年以上料金プランを確認していない場合は必ず比較検討しましょう。自分のライフスタイルに合ったプランがないか、一度調べてみてくださいね。

※いずれも2020年4月20日現在

車代、交通費

交通系ICカードはオートチャージに要注意

「Suica」などの交通系ICカードはとても便利ですが、お金を使っている感覚が薄れがち。オートチャージ設定をしているとさらにその感覚は大きくなります。使いすぎていると感じたら、オートチャージを解約するのも一つの手です。

また健康のためにも一駅早く降りて歩いたり、移動手段を自転車中心にしたりするのもいいですね。片道200円の往復で30日間節約すれば、1万2,000円がカットできます。

自動車の保有、本当に必要?

このほか、自動車を保有すると車体代はもとより駐車場代、車税、車検、保険料、ガソリン代がかかります。週末しか車をつかわず、公共の交通機関やカーシェアリングで不便がなければ、手放すことも節約のための選択肢といえるでしょう。

保険代

保険で欲しい保障を明確に

理解するのが難しく、入っているだけでなんとなく安心して、ほったらかしにしがちなのが保険です。

保険は万が一のことがあったとき、預貯金でまかなえない事柄を保障してもらうのが目的といえます。まずは自分がどのような保障がほしいのか、いつまでその保障がほしいのか、「目的」を確認してみましょう。それがはっきりすると欲しい保険がイメージできます。

不要な特約を外すだけで月1,000円~1万円がカットできることも。すでに入っている方はプランの見直しを検討してみましょう。

またその他にも節約観点で保険を考えたときに、知っておきたいのが、所得控除の一つである、生命保険料控除という税金の優遇。払い込んだ生命保険料に応じて、一定の所得控除が受けられます。例えば年収400万円の人が月1万円の個人年金保険に加入すると、住民税が年間2,800円、所得税が4,000円安くなります。

ただし生命保険は中途解約するとかなり元本割れするので、活用するか否かは慎重に検討してくださいね。

保険ショップではなく、FPへの相談がおすすめ

保険は無料相談できるショップが巷にあふれていますが、ほとんどが保険代理店で、収入源は保険紹介による手数料。

強引な勧誘はなくなっていますが、どうしても保険加入に誘導したり高い保険料の商品を提案されたりするケースがあるようです。自分で商品を探すのが難しければ、有料とはなりますが、プロのファイナンシャルプランナーに相談し、公平な視点でプランニングしてもらいましょう。

教育費(塾・習い事)

将来の学費を考えたうえで、塾や習い事を選ぶ

節約することをためらいがちなのが塾や習い事の教育費。

子どものやりたいことをやらせてあげたい、という素敵な親心はもちろん尊重したいものの、将来の学費が不足して奨学金を借りることになると、結局子どもに負担をかけてしまいます。

大学資金などの学費をどのようにいくら貯めるか、具体的なプランを立てたうえで、いま負担できる教育費はいくらか、家計全体から長期的な視点で決めていきましょう。区や市など公共施設で行われる割安な教室を活用するのもポイントです。

被服費

欲しいものはバーゲン前に定価で買い、長く使う

バーゲンはお得な買い物のように思えますが、結局は売れ残り商品です。欲しい品がバーゲンになっていたのであればお買い得ですが、特に買う予定ではなかったものを安いからと購入しても、無駄遣いになりかねません。

どうしても欲しいものかどうか考えたうえで、欲しいタイミングで定価で購入し、長く使う方がお得なケースもありますよ。流行のものはファストファッションですませ、ワンシーズン使い切るつもりで取り入れるとよいでしょう。

また、すぐ着られなくなる子ども服は、リサイクルショップやフリマアプリを利用したり、おさがりをもらったりして節約するのがおすすめです。

交際費、レジャー代

交際費は割り切って減らすことも大切

やりくり次第で減らすことができるのが交際費、レジャー費です。

交際費でいうと、「どうしても行きたい」と思わない飲み会やママランチ会などは断るのがベター。その会に参加しないことで人間関係が悪くなるかもと、気になるところではありますが、節約のためには割り切ることも大切です。その分、日頃のコミュニケーションを多くとっておくなど、別の方法でカバーできるかもしれません。

お出かけスポット選びに一工夫

レジャー費は家族との時間を充実させたり、忙しい毎日のご褒美のためだったりと、減らしたくない費用ですが、工夫はしていきましょう。

例えば家族と出かけるなら、工場見学や公共の施設を利用すれば、入場料を節約することができます。定期的に旅行するなら、旅行会社や航空会社が提供している旅行資金積み立てサービス(旅行積立)を利用すれば、利回りがいいので効率的に貯められます。またクレジットカードや福利厚生の特典でお得なクーポンを探すのもいいですね。

支払方法の見直しでも節約できる

クレジットカード払いでポイントGET

家計の費目ごとの節約方法検討に加えて、支払方法の見直しも節約生活に役立ちます。

例えば現金払いをメインにしている方は、クレジットカード払いにすると各社の特典に変えられるポイントが貯まり、お得といえます。還元率を調べて1%以上のカードを選びましょう。

デパートやガソリンスタンドでは、初年度の年会費が無料、かつ商品券がもらえるといったキャンペーンがよく行われていますが、これは要注意。そのままほったらかしておき、次年度手数料が引き落としになってしまうと無駄遣いになってしまいます。

年会費のかかるクレジットカードを特典目的で作った場合、カードが届き、もしほとんど使わないでいた場合は、できるだけ早めに解約してしまいましょう(ただし常識の範囲で契約・解約は行ってください)。

なおメインとなるクレジットカードは、還元率の高いカードと、あと2枚ほどにとどめておきましょう。またクレジットカードの支払回数は、利子のかからない翌月一括払いがマスト。分割払いだと高い利息がつくので割高な買い物になってしまいかねません。

投資、運用という方法も

「つみたてNISA」「iDeCo」「NISA」で投資・運用

日々の生活の中で節約を心がけるのは良いことですが、貯金は増えてもそもそものお金は増えていきません。節約できた資金を投資して、お金を増やすという選択も検討してみましょう。

現金として手元に持っておきたい貯金の額は、生活費の3~6カ月分が目安。そのベースができていたら、投資に目を向けてみてはいかがでしょうか。

初心者でもチャレンジしやすい投資としては、少額からコツコツ投資信託を積み立てていく「つみたてNISA」がおすすめです。

「つみたてNISA」は銀行や証券会社などの金融機関で口座を作り、その金融機関で指定された投資信託の商品ラインナップから商品と月々の積立金額を指定し、積み立てて運用していくものです。

投資可能期間は2037年まで(2020年4月現在)で、積み立てた金額に対する非課税期間は最長20年間。

投資できる金額の枠は毎年40万円が上限と、そこまで高くはありませんが、短い期間で利益を狙うのではなく、長い期間で運用していくことでリスクが軽減されます(もちろん元本割れリスクもあります)。

その他におすすめの投資・運用方法なのが「iDeCo」や「NISA」。iDeCoはつみたてNISAと似ていますが、投資できる金額上限が異なるほか、60歳まで原則払い出しすることができません。口座開設や毎月の維持費が毎年2,000円~7,000円ほどかかるものの、掛金の全額が控除対象となるので所得税・住民税を軽減することができます。

NISAは年間120万円、最長5年間の売買益や配当が非課税となる仕組みです。短期的な投資で売買益を非課税にしたい時、株を購入して配当を非課税で受け取りたい場合に向いています。

いまは預金金利が0.001%と、ほとんどゼロに近いため銀行口座に貯金が貯まっていても増えません。節約できた金額分からでも、少しずつ「増やす」資金に回していきましょう。

辛くない節約生活をおくるために

節約生活を送る中で、自分にとって辛い方法はダイエットと同様に長続きしません。できそうな項目から始め、楽しんで実行するのが長続きするポイントです。ひとつできたら、次はこれ!と少しずつ取り組んでいきましょう。

節約上手な人は、キリキリ目くじらを立ててやりくりをしていません。節約することは頑張るけれど、使う時はどーんとお金を使うというメリハリのつけ方が上手です。

楽しみながら節約して、したいことをしたり、買いたいものを買うという夢を叶えられるといいですね。

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