【レシピ付き】夏野菜の種類や特徴を専門家が解説!トマトは夏野菜じゃないってほんと?

夏に旬を迎える夏野菜。鮮やかな色の野菜が多く、栄養価も豊富なイメージですが、具体的にはどんな種類の野菜があるのでしょうか?夏野菜の特徴やそれぞれの栄養、夏野菜がたっぷり食べられるレシピなど、夏野菜について管理栄養士が解説します。

目次

夏野菜とは?

夏野菜とは野菜の中でも夏の時期(6月から8月)に旬を迎える野菜を指します。夏の太陽をたっぷり浴びて育つ野菜は、夏に必要な栄養素であるβカロテンやビタミンC、ビタミンE、カリウムなどをたっぷり含んでいます。

夏野菜の特徴

①栄養価が高い

夏野菜には人間が暑い夏を乗り切るために必要な栄養素がたっぷり。夏の強い日差しを浴びることで、私たちの体内には老化の原因になる活性酸素が発生します。体内中の活性酸素が増えてしまうとシミ・シワが増えたり、動脈硬化や心筋梗塞などの原因になったりするのです。

夏野菜に含まれるβカロテンやビタミンC、ビタミンEは「抗酸化ビタミン」とも呼ばれており、体内の活性酸素を除去する役割を果たします。そのほか水分やカリウムを豊富に含むものも多く、体温を下げてくれる効果も期待できます。

②鮮やかな色や、みずみずしくジューシーな味わい

太陽をいっぱい浴びた夏野菜は「緑」「黄色」「赤」など、どれも色鮮やか。またみずみずしくジューシーな味わいのものが多いのも特徴のひとつです。生で食べられるものが多く(枝豆、いんげんなど豆類は必ず加熱が必要)、暑い夏に加熱調理の必要がないのもうれしい特徴といえます。

トマトは、夏野菜じゃない!?

夏野菜のイメージが強いトマト。スーパーなどの店頭にも、夏が近づくと真っ赤に熟したトマトが並んでいますが、実はトマトは夏野菜ではないことをご存じですか?

トマトの原産地はアンデス山脈。本来は標高の高いところで育つ野菜で高温多湿に弱く、冷涼な気候を好みます。日本の夏は高温多湿のため、トマトにとっては厳しい環境なのです。

日本でアンデス山脈の気候に近い季節は、春から初夏です。その頃がトマトがおいしく育つ気候、つまり旬といえます。ハウス栽培の場合は年間を通してトマトの生育に合う環境が作られているので、通年を通しておいしいトマトが店頭に並んでいますが、夏場にスーパーに並んでいるトマトは、実はハウス栽培で育てられたトマトの場合も多いのです。

夏野菜の種類

それでは、夏野菜には具体的にどんな種類があるのか、よく店頭に並ぶものを中心に紹介します。

なす

「秋茄子は嫁に食わすな」といったことわざから、秋が旬のイメージが強いなすですが、本来は7月~9月ごろの夏が旬のシーズン。なすの紫の色素であるナスニンは、抗酸化作用のあるポリフェノールの一種です。

煮ても焼いても揚げてもおいしいなすですが、実は生でも食べられる野菜。例えば、薄切りにしてポリ袋に入れ、白だしを入れて袋の上から軽くもんでしばらくおけば、手軽に浅漬けが完成しますよ。

きゅうり

きゅうりは成分のおよそ95%が水分で、みずみずしい味わいが特徴。脂肪を分解するホスホリパーゼという酵素が含まれていてダイエット効果が期待できるということから、最近ではきゅうりダイエットが話題になっています。

サラダやスティックきゅうりなど、生で食べることが多いきゅうりですが、ごま油でサッと炒めて鶏ガラスープの素やこしょうで味付けすると、生とはまた違った食感のきゅうりを楽しむことができます。

ズッキーニ

見た目はきゅうりに似ているズッキーニですが、実はかぼちゃの仲間。体温を下げる効果があるカリウムと水分を多く含むので、暑い夏に積極的に食べたい野菜です。生でも食べられるので、塩もみしてしんなりしたズッキーニに、しょうゆやドレッシングをかけて味わってみてください。

ピーマン

苦味が独特で、ビタミンCがたっぷり含まれているピーマン。通常は加熱すると壊れやすいビタミンCですが、ピーマンのビタミンCは加熱しても壊れにくいのが特徴です。ビタミンCは夏の強い紫外線で傷ついた肌の修復に欠かせない栄養素。油で炒めることで苦味が軽減して、苦手な人でも食べやすくなります。

とうもろこし

プリプリ食感と甘みが魅力のとうもろこし。とうもろこしには糖質やビタミンB群が含まれています。ビタミンB群には食事で摂った栄養素をエネルギーに変える働きをしてくれる効果が。暑い夏を元気に乗り切るのに必要な栄養素です。

とうもろこしは薄皮を1〜2枚残して水から火にかけ、沸騰後5分ほど茹でると、甘くプリプリに茹で上がります。

ゴーヤ

苦味が特徴のゴーヤ。この苦味の正体はモモルデシンという成分です。モモルデシンは胃液の分泌を促し、食欲不振を解消してくれる栄養素。夏の暑さで食欲がわかない時にはゴーヤがおすすめです。

苦味を軽減するためには下茹でするのが効果的ですが、ビタミンCやモモルデシンなど水溶性の栄養素が流れ出てしまうので、栄養素を期待するのであれば下茹ではしない方がいいでしょう。また、わたをしっかり取り除くのも、苦みをやわらげるのに効果的です。

モロヘイヤ

加熱するとネバネバになるモロヘイヤ。アラビア語で「王様の野菜」を意味するモロヘイヤには「王様が病気になった時にモロヘイヤのスープを飲んで病気が治った」という言い伝えがあります。ビタミンB群やビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類、βカロテン、鉄分、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル類ほか、とにかく栄養満点。夏の疲れた体にはモロヘイヤがおすすめです。

モロヘイヤには結石を作る原因になるシュウ酸が含まれるため、必ず茹でて水にさらしてから食べるようにしましょう。

かぼちゃ

鮮やかな色のかぼちゃ。「芋栗南瓜」という言葉やハロウィンのイメージが強いので秋が旬と思われがちですが、7月~8月が最盛期で夏が旬の野菜です。かぼちゃにはアンチエイジング効果が期待できるβカロテン、ビタミンC、ビタミンEがたっぷり。油で焼いたり、炒めたりして摂ると吸収率がアップします。

煮物や天ぷらもいいですが、オリーブオイルで焼いてバルサミコと塩をかけると、簡単なのにレストランのようなおしゃれな仕上がりになっておすすめですよ。

オクラ

オクラのネバネバとした成分は、主に水溶性の食物繊維。腸内の善玉菌を増やし、整腸作用が期待できます。茹でたり、炒めたりすることが多いオクラですが、実は生でも食べられる野菜です。

産毛が気になる場合は塩をつけて板ずりし、水で洗い流してから食べると舌触りがよくなります。生のまま刻んで納豆やとろろと一緒に食べると、シャキシャキ食感が楽しめますよ。

枝豆

ビールのおつまみの定番、枝豆。ビールと枝豆は、実は栄養的にもとても相性のいい組み合わせであることをご存じですか?枝豆に含まれるメチオニンはアルコール分解を助け、肝臓の負担を軽減してくれるため、おいしいだけではなく、体にとってもベストパートナーといえるでしょう。少ない水で茹でると栄養もおいしさも逃げにくくなりますよ。

そのほかにもいんげん、パプリカ、しし唐辛子、とうがん、青じそ(大葉)、みょうがなどが夏に旬を迎えます。

夏野菜を使ったレシピを紹介!

最後は夏野菜をたっぷり食べられるおすすめレシピを紹介します。

夏野菜のひき肉トマトカレー

材料(2人分)

豚ひき肉 150g / 玉ねぎ 1/2個 / にんにく 1/2かけ / しょうが 1/2かけ / トマト 1個 / なす 1本 / オクラ 4本 / かぼちゃ 60g / カレールウ 2かけ(36g) / 塩・こしょう 適量 / 温かいご飯 2人分 / オリーブオイル 大さじ1

A(赤ワイン 大さじ2 / 洋風スープの素※顆粒 小さじ1/2 / ケチャップ 大さじ1 / 中濃ソース 大さじ1 / はちみつ 小さじ2)

作り方

1. 玉ねぎ、にんにく、しょうがをみじん切りにする。トマトは湯むきし、2cmのさいの目切りにする。

2. なすは縦に4つ割りにする。オクラはガクをむく。かぼちゃは1cmの厚さに切る。

3. フライパンにオリーブオイルを入れ、にんにくとしょうがを入れて弱火で炒める。香りがしてきたら中火にしてひき肉と玉ねぎを入れ、ひき肉の色が変わるまで炒める。

4. 3にトマトと水300ml(分量外)、Aを入れて10分煮る。

5. 別のフライパンにオリーブオイルを適量(分量外)入れ、2を焼いて軽く塩・こしょうをふる。

6. 4にカレールウを溶かし、味をみて塩・こしょうで味を整える。

7. 皿にご飯をよそい、カレールーをかけて野菜を盛り付ける。

抗酸化作用を持つβカロテンやビタミンC、ビタミンE、体温を下げてくれる水分やカリウムが多い夏野菜。旬の時期にはたっぷり食べて、健康な身体づくりに役立てましょう。

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