蚊取り線香は本当に効くの?おすすめの蚊除け対策を薬剤師が解説

蚊除けといえば蚊取り線香がお馴染みですが、実際に効果があるのか、疑問に思ったことはありませんか?蚊取り線香以外にも、様々な蚊除けグッズを目にしますが、結局のところどの商品を選ぶのが正解なのでしょうか?蚊の習性や苦手な成分を元に、オススメの蚊除け対策について薬剤師が解説します。

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蚊が好む条件を避けて、蚊除け効果をアップしよう

蚊除け対策は、まずは蚊をよく知ることから。蚊が好む成分や条件がたくさんあるので、上手く利用することで、蚊除け対策が可能です

蚊が反応する条件

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二酸化炭素

蚊は二酸化炭素が大好きです。二酸化炭素を察知する能力も脅威的で、風が吹いていなければ、5メートル先にいる人間の吐息を検知できるともいわれています。

汗や足のにおい

人間の汗に含まれる乳酸や脂肪酸も、蚊の大好物。汗をかいている人を見つけたら、近寄らずにはいられません。また、足の裏からでる匂い成分も蚊を刺激して、行動を活発にします。

温度

蚊は自分の触覚をセンサーとして使い、温度を感じ取りながら刺す標的を探します。低い温度よりも、高い温度の方が蚊に感知されやすくなり、居場所がバレます。

黒い色

人の目は、様々な色を見分けることができますが、蚊の目ははっきりと色を区別することができません。明るい色よりは、比較的見やすい黒い色が好きです。

蚊に刺されやすい人はこんな人

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体の大きな人

体が大きければ大きいほど、吐き出す二酸化炭素の量が増えるので、蚊に刺されやすくなります。子どもより大人。大人の中でも、特に体型の大きい人は刺されやすいです。

お酒を飲んでいる人

お酒を飲むと、アルコールが体の中で分解されるときに、大量の二酸化炭素が発生します。それが息と一緒に口から出てくるので、お酒を飲んだ人は蚊に刺されやすくなります。

汗っかきな人

汗をかいていると、蚊が汗の成分に反応して寄ってくるので、刺されやすくなります。汗をかきやすい子どもや、運動をしている時などは蚊に狙われやすくなります。

体温の高い人

体温の低い人よりも、高い人の方が蚊に見つかりやすくなります。体温が高い赤ちゃんや妊婦さんは狙われやすいので要注意。

服や肌の色が黒い(濃い)人

蚊は、黒などの濃い色に寄ってきます。黒い服を着ている人や、日焼けして肌が黒い人は刺されやすくなります。

体の中で、刺されやすい場所は?

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体の中で刺されやすい場所は、圧倒的に「足」です。

足は汗をかきやすく、それに加えて足の匂い成分である「イソ吉草酸(いそきっそうさん)」という物質が分泌されます。蚊は、イソ吉草酸の匂いが大好き。蚊が体のどこに寄ってくるのかを調べたところ、実に6割の蚊が足の甲にとまったという報告もあります。

蚊に刺されにくくするためには、石鹸を使って丁寧に足を洗い、匂い成分を取り除くことが大切です。

蚊にまつわる噂の真相を調査してみた

蚊に関する様々な噂や、効果不明の怪しい(?)蚊除けグッズ。果たして科学的根拠はあるのでしょうか?気になる情報が本当かどうか、調査してみました。

血液型によって、刺されやすさが違う?

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「血液型がO型の人は、蚊に刺されやすい」などと聞いたことがある人もいるかもしれません。でもこの噂、実は科学的根拠は不十分なようです。調べてみたところ、「O型>B型>AB型>A型の順に刺されやすかった」という報告もあれば、「血液型と刺されやすさには関係が無かった」とする報告(※)もありました。

蚊の刺されやすさには、血液型以外の様々な要因があります。なので、純粋に血液型の影響だけを調べる研究はなかなか難しいようです。血液型に関しては、話のネタ程度に思っておくのが良いかもしれませんね。

※論文:Landing Preference of Aedes albopictus (Diptera: Culicidae) on Human Skin Among ABO Blood Groups, Secretors or Nonsecretors, and ABH Antigens (Yoshikazu Shirai, Hisashi Funada, HIsao Takizawa, Taisuke Seki, Masaaki Morohashi and Kiyoshi Kamimura)
概要:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15311477/?dopt=Abstract

蚊除けアプリは効果ある?

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蚊が苦手とされる超音波を出す、蚊除けアプリ。無料で手間なく、化学成分も使わずに蚊除けできるとしたら、最高ですよね。
ということで、海外の論文を含めて調査してみましたが、見つかるのは、「超音波は蚊に効果なし」という論文ばかり......。蚊が集まる数や動きは、超音波では変わらないようです。

筆者もいくつかアプリをダウンロードしてみましたが、音量を上げると「ピーーーー」という高音が聞こえます。なんというか、率直に言って......効果なさそうな感じ!開発者の方も薄々気づいているのか、アプリの説明欄に「信じる者は救われます」みたいなことが書いてある始末。残念ながら、蚊除けアプリは効果がないようです。

アロマオイルは蚊除け効果がある?

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「アロマオイルで蚊除けができる」という情報もよく見かけますが、本当でしょうか?

こちらの情報は本当のようです。じつは、私たち人間にとって良い匂いに感じるアロマオイルの中には、蚊を含めた、様々な虫が苦手とするものがあります。代表的なものは、

  • シトロネラ
  • ラベンダー
  • ゼラニウム
  • レモンユーカリ
  • レモングラス
  • ハッカ油


など。甘いフローラル系の香りではなく、ハーブや柑橘系のスッキリした香りが苦手なようです。中でもハッカ油は、安価で手に入りやすいので、手作り虫除け作りに最適です。

ハッカ油5、6滴と無水エタノール10mlをスプレー容器に入れ、よく混ぜ合わせます。そこに、水を90ml入れて更に混ぜれば完成です。ハッカ油は水とは上手く混ざらないため、先に無水エタノールと混ぜ合わせるのがポイント!よく振ってからさされやすい箇所に吹きかけましょう。

蚊除けグッズの大定番!蚊取り線香は効果があるの?

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昔ながらの日本の夏といえば、緑色のぐるぐるから立ち上る、蚊取り線香の煙。独特の香りは、幼い頃の夏休みを思い出します。そんな超定番の蚊取り線香ですが、実際の効果はどれほどなのでしょうか?

蚊取り線香の主成分はピレスロイド系殺虫成分

蚊取り線香には、ピレスロイド系と呼ばれる殺虫成分が含まれています。火をつけることで、熱によって殺虫成分が空気中に漂い、近くにいる蚊を殺虫します。また蚊を追い払う忌避効果もあります。つまり、蚊取り線香は、殺虫剤としても虫除け剤としても使うことができるのです。

蚊取り線香は、蚊だけではなく、カブトムシや鈴虫などの昆虫全般に殺虫効果があります。また、熱帯魚や金魚など水中の魚に対しても毒性が強いので、蚊取り線香を使う時には、虫カゴや水槽にカバーをしたり、部屋の外に出すなどの注意が必要です。

閉め切った部屋で長時間使うと、ヒトの目・鼻・のどなどに刺激を感じることがあります。換気の良い場所の風上に置いて、必要な場所に成分が届くように調節しながら使うのが良いでしょう。

体に悪い影響はないの?赤ちゃんでも平気?

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蚊取り線香の有効成分であるピレスロイド系殺虫剤は、蚊の皮膚や口から入り、神経に作用して退治します。人間などの哺乳類の体に入ったときには、体の中で速やかに分解され、短時間で体外へ出ていくので、害はありません。

例えば、閉め切った部屋の中で何個も同時に火をつけるといったような極端な使い方をしなければ、体への悪影響はないというわけです。赤ちゃんや子ども、妊婦さんやお年寄りでも、安心して使うことができますよ。

ただし、喘息の持病がある人は要注意。蚊取り線香の煙が、喘息の発作を引き起こすことがあります。喘息持ちのお子さんがいるご家庭では、蚊取り線香は使わない方が安心です。

蚊取り線香以外の蚊除け商品は効果があるの?

蚊取り線香以外にも、電気式やスプレー式など、様々な蚊除け商品が販売されています。蚊取り線香に効果があるのは分かりましたが、他の蚊除け商品はどうでしょうか?そして、結局のところどれを選ぶべき?徹底的に比較してみました!

電気蚊取り

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コンセントにつないで使う、リキッドタイプの電気蚊取りです。電気で熱を出し、有効成分を空気中に拡散します。「防除用医薬部外品」の表示がある商品なら、有効成分はピレスロイド系殺虫剤で、蚊取り線香と効果は同じです。蚊取り線香と違って火を使わないので、小さな子どもがいるご家庭でも安全に使えます。また、煙が出ないので喘息などの危険もありません。電気代を考えても、蚊取り線香よりコスパがいいので、お財布にも優しいです。

以前はコンセントがない屋外では使用できませんでしたが、最近は電池式の商品があるので、バッグやベビーカーにつけて屋外で使用できるようになりました。注意事項としては、蚊取り線香と違って無臭なので、使いすぎに気づきにくいこと。1部屋で何個も使ったり、換気をせずに使い続けるのはよくないので、注意してくださいね。

スプレー式蚊取り

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スプレー式の蚊取りです。

  • 空間に浮遊する薬剤で、飛んでいる蚊を撃退する
  • 天井、壁、床に付着後、空間に再浮遊した薬剤で、天井、壁、床付近の蚊を撃退する


2つの効果があり、手軽に使えます。「防除用医薬部外品」の表示がある商品なら、有効成分は電気式蚊取りと同じピレスロイド系殺虫剤です。

スプレー式蚊取りは、スプレーした瞬間からだんだん効果が弱まります。効果を持続させたいときは、電気蚊取りの方がオススメです。ただし、飛んでいる蚊を見つけて、今すぐに退治したい時には、狙い撃ちできるスプレー式が効果抜群です。

吊るすタイプの虫除け

吊したり、網戸に貼り付けて簡単に使える、ネットタイプの虫よけです。一見手軽に使えそうですが、このタイプは「ユスリカ」という、夕方の公園などで大量発生しやすい小さい虫を対象にしたもので、蚊には効果がありません。注意しましょう。

虫除けシール、ブレスレット

アロマ成分を利用した、虫除けシールやブレスレット。キャラクターものなど、かわいいデザインで子どもは喜びそうですが、効果はかなり弱め。

匂いを嗅いでみると、微かにアロマの匂いがします。つまり、この匂いを感じられる範囲にしか効果はありませんし、効果自体も、ピレスロイド系殺虫成分に比べるとかなり弱めです。

虫除けスプレー


ここからは、虫除けスプレーについて。肌に直接つけるものなので、効果はもちろん、安全性も気になりますよね?

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虫除けスプレーで使われる有効成分は、大きく分けて3種類。効果を求めるなら、「ディート」か「イカリジン」が入った商品がオススメです!

ディート入りの虫除けスプレー

ディートは、虫除けスプレーで最もよく使われる成分です。ディートの濃度が12%以上の商品は「医薬品」、10%以下は「防除用医薬部外品」に分類されます。濃度が高いほうが、効果も高いと思われるかもしれませんが、実は蚊除け効果に違いはありません。濃度の高いほうが、持続時間が長くなります。例えば、ディート10%以下だと3時間ごとに塗り直しが必要ですが、30%だと8時間くらいは長持ちします。

なおディートは、神経毒性やアレルギーなどの副反応が報告されたことがあるので、赤ちゃんや子ども(12歳未満)に対して使用の制限があります。

  • 生後6ヶ月未満の赤ちゃんは、ディート含有商品は使用できない
  • ディート濃度10~12%までの商品は生後6ヶ月以上で使用できる(ただし回数制限あり)
  • ディート濃度30%の商品は12歳以上で使用できる


スプレータイプのものは吸い込んでしまう恐れもあるので、大人が手にとって、子どもの肌に塗ってあげてください。

イカリジン入りの虫除けスプレー

ディートが不安な人には、イカリジン含有の虫除けスプレーがオススメです。日本では2015年から認可された、新しい虫除け成分です。

  • ディートと同じくらいの虫よけ効果を発揮
  • 皮膚への刺激が弱いので、年齢制限なしで子どもでも安心して使用することができる
  • 虫よけ特有のニオイがない
  • ディートと違って服の繊維や樹脂を傷めない


という特長があり、ディートよりも使いやすい成分です。

アロマ成分含有のアウトドアスプレー

アロマなどの天然由来成分を使った虫除けスプレーです。「医薬品」や「防除用医薬部外品」に分類される商品ではないので、効果が実証されているわけではありません。そのため、「アウトドアスプレー」という名称で販売されている商品が多くなっています。

香りも良いですし、自然の成分なので体にも優しいのですが、ディートやイカリジン含有の虫除けスプレーに比べると、やはり効果は弱め。近所の散歩や街歩きなど、あまり蚊の多くない場所で使うのがオススメです。

外出時におすすめな蚊除け対策

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ここまでの情報を元に、外出時におすすめの蚊除け対策についてまとめました。

白い薄手の長袖や長ズボンで肌を覆う

1番の対策は、肌を露出しないこと。蚊は白い色が見にくいので、白い薄手の長袖や長ズボンで肌を覆うと効果抜群です。ただし、熱中症には注意してくださいね。

汗や匂いはこまめに拭き取る

蚊は汗の匂いや足の匂いに寄ってきます。汗をかいたら制汗シートなどでしっかり拭き取ったり、外出前に足を石鹸で洗っておくと良いですね。

イカリジン配合の虫除けスプレーと、電池式蚊取りを併用する

蚊除けグッズを選ぶなら、ディートよりも安全性に優れた、イカリジン配合の虫除けスプレーがオススメ。蚊に対する効果もディートと同程度あるので安心です。

虫除けスプレーに加えて、屋外でも使える電池式蚊取りをバッグやベビーカーにつけると、更に蚊除け効果が高まります。

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蚊除け対策は、蚊の習性を利用することと、目的に合った蚊除けグッズを選ぶことが大切です。

  • 白い薄手の衣類で肌を覆って、汗や匂いはこまめに拭き取る
  • 蚊取り線香よりも、電気蚊取りの方が安全。使用条件が同じなら、効果はほぼ変わらない。
  • 虫除けスプレーは、効果と安全性を両立するイカリジン含有の商品がオススメ
  • 屋外では虫除けスプレーと電池式蚊取りを併用すると効果抜群


しっかり対策して、外出を楽しみましょう!


監修:大西真理(薬剤師)

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