熱中症予防に効果的な栄養素や食べ物は?管理栄養士が解説

暑い時期に起きやすい熱中症。「水分をこまめに補給する」など、何となくは予防方法を知っているものの、具体的にはどんな食事や生活を心がければいいのでしょうか?熱中症の予防に役立つ食事や栄養素、また市販品でおすすめの品などを、管理栄養士が解説します。

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熱中症の症状

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熱中症とは、熱の影響によって起こる身体のいろいろな不調のことです。熱中症にはさまざまな症状がありますが、めまいや立ちくらみ、筋肉痛、こむら返りなどがみられたら要注意。これらは熱中症の初期症状です。

暑い環境の中で体調不良を感じたら、「すぐに涼しい場所で休む」「水分補給をする」などの対応をしましょう。このとき塩分(ナトリウム)を含むものを一緒にとることや、経口補水液での水分摂取が勧められています。

さらに熱中症が進むと、頭痛、吐き気、おう吐、倦怠感などがみられるようになります。

対処しても症状が良くならない場合や、自力で水分摂取ができない場合は医療機関の受診が必要です。さらに重度になると全身のけいれんや意識消失、体が熱いといった危険な状態になり、早急な対応が必要となります。

最悪の場合、命にもかかわる熱中症。このような状態にならないために、熱中症の予防方法を知っておくことが大切です。

熱中症予防のためには

水分摂取をこまめに行う

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熱中症の予防で大切なのは、喉が渇いたと感じる前にこまめに水分摂取を行うことです。人は軽い脱水症状のときには喉の渇きを感じないといわれています。「喉が渇いた」と感じたときは、すでに水分不足になっているサインです。

水分が不足すると汗の材料がなくなり、体温が下がりにくくなり熱中症を進めてしまいます。汗には皮膚の上で蒸発することで体温を下げるという大切な役割があるため、暑い環境の中ではしっかりと汗をかき、十分な水分補給をすることが大切です。

また大量に汗をかくと、汗と一緒に身体の塩分も出ていきます。そのため、汗をかく場面では塩分の補給も重要。塩分の含まれるスポーツドリンクで水分補給をしたり、塩辛いものや塩分タブレットなどで塩分補給をしたりするといいでしょう

食事は3食しっかりととる

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食事を3食しっかりととり、体に必要な栄養を補給して体調を整えておくことも大切です。

中でも朝ご飯を食べないという方は、塩分をとる機会が減り塩分不足になるため熱中症の原因を作ってしまいます。おにぎり、パン、味噌汁など口にしやすい簡単なものでいいので、朝ご飯を食べて熱中症対策をしましょう。

また夏バテしやすい時期でもあり、食欲がわかないからと食べないでいると、体力がどんどん落ちてしまいます。

食べやすいものの中から栄養があるものを選び、体力を落とし過ぎないように対策しましょう。

外では帽子や日傘、室内は冷房を

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気温が高い屋外では、帽子や日傘を利用して直射日光を避けましょう。直射日光を浴びることで体に熱がたまってしまうだけでなく、体力も奪われてしまいます。

例えば日傘を利用することにより、頭部の体感温度が4~9℃も下がったという研究結果(※)もあるので、日傘を活用しない手はありません。お子さんと一緒に歩くといった日傘が難しい場面では、つばの広い帽子などで対策しましょう。

※KAKEN「日傘による暑熱緩和効果の解明」

また屋外だけでなく、室内でも熱中症は起こります。暑い日は我慢せずに冷房を使用して室温を適度に保ちましょう。熱中症にならないための室温としては28℃を保つことが推奨されているため、冷房の設定温度は少し低めの26~27℃程度がいいでしょう。

温度を下げ過ぎると、外気との気温差で体調を崩しやすくなるので、ほどほどにしておきましょう。

熱中症の予防に役立つ栄養素と食べ物

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熱中症の予防には1日3食しっかりととることが大切とお伝えしましたが、具体的にどのような食事がいいのでしょうか?おすすめの食べ物とともに、夏にとりたい栄養素を紹介します。

汗で失われる「カリウム」

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汗で失われる成分は塩分(ナトリウム)、カリウム、マグネシウム、亜鉛、鉄などがあります。中でもカリウムは失われる量が多く、食べ物からも補給する必要があります。

カリウムはトマトやほうれん草などの野菜、イモ類、海藻類、大豆製品、果物に含まれています。普段の食生活で大きく不足することはありませんが、大量に汗をかいたり、食事がとれなかったりすることで不足してしまいます。

食欲が落ちているときはさっぱりとした食べやすいメニューにしたり、水分補給も一緒にできる果物を食べたりするのもいいですね。暑い時期でも栄養補給できる工夫をしてみましょう。

<カリウム補給におすすめの食べ物>

トマト、ほうれん草、えだまめ、ブロッコリー、かぼちゃ、じゃが芋、さつま芋、アボカド、バナナ、メロン、キウイフルーツ、すいか、納豆、豆腐……など

夏に不足しやすい「ビタミンB1」

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ビタミンB1 は糖質の代謝に必要な栄養素です。不足すると疲れやすくなったり、だるくなったりするなどの症状を起こす原因になるといわれています。

特に夏は食事の内容が麺類ばかりになったり、アイスやジュース、さらにはビールの摂取も増えたりするため、糖質の摂取量が増えやすくなる時期です。

糖質をとる量が増えるにつれビタミンB1の必要量が高まるため、夏はビタミンB1が不足しやすくなります。ビタミンB1は特に豚肉に豊富に含まれるため、夏は豚肉中心にメニューを考えるのがおすすめです。

<ビタミンB1補給におすすめの食べ物>

豚肉、うなぎ、蕎麦、玄米、ごま、ピーナッツ……など

疲労予防&美容対策にも「ビタミンC」

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ビタミンCが不足すると疲れやすくなったり、体のだるさを感じたり、食欲低下の原因となるといわれています。食事が偏っている方やお酒をよく飲む方、たばこを吸う方はビタミンCが不足しやすいので注意しましょう。

また夏は紫外線が気になる時期でもあります。ビタミンCはコラーゲン生成に必要で、さらにはシミの元になる黒色メラニン の生成をおさえる効果があるともいわれています。熱中症の対策だけでなく、美容のためにもしっかりととりたい栄養素です。

<ビタミンC補給におすすめの食べ物>

ピーマン、ブロッコリー、れんこん、水菜、キャベツ、さつま芋、じゃが芋、キウイフルーツ、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、パイナップル……など

コンビニやスーパーのお菓子・飲料で手軽に熱中症対策!

最近では熱中症対策のお菓子や飲料の種類が増えてきていますよね。「どんなときに使ったらいい?」「どれを選んだらいい?」と思う方も少なくないはず。使いたい場面や選び方をカテゴリ別にいくつかご紹介します。

塩分タブレット

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汗をたくさんかく場面では、水分と一緒に塩分の補給が必要。塩分タブレットは持ち歩きやすく、どこでも噛んですぐに塩分補給ができるのでおすすめです。

塩分タブレットにはさまざまな栄養素がプラスされていますが、基本的な熱中症の対策では水分と塩分だけでも十分です。決め手に欠けるようであれば、汗で失われやすいカリウムや、疲労回復効果があるといわれているクエン酸が含まれているものを選ぶといいでしょう。

スポーツドリンク

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一般的なスポーツドリンクは、汗をかく場面の水分補給に勧められています。暑いときでもさっぱりとした味わいでゴクゴク飲めるので、夏場の水分補給に選んでいる方も多いでしょう。

ただし、夏だからといって毎日のようにがぶ飲みするのはNG。スポーツドリンクは飲みやすいように甘く作られているため、糖質のとりすぎに繋がってしまいます。例えば500mlのペットボトル1本あたりの糖質量は、「ポカリスエット」は31.0g、「アクエリアス」は23.5g、「ソルティライチ」は42.0gです(※)。

飲みすぎることで血液中の糖が増え、それを薄めようとしてさらに喉が渇いてしまう……という悪循環におちいってしまうこともあります。飲みすぎは控えておき、糖質が気になる方は糖質の量が少ないカロリーオフタイプのものを選びましょう。

※各商品ラベルの栄養成分表示より確認

経口補水液

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経口補水液は「熱中症が疑われるとき(脱水状態)」に飲むことが勧められています。中でも大塚製薬のオーエスワンは「病者用食品」に位置付けられているため、ドラッグストアや調剤薬局などでしか手に入りません。

経口補水液は体への吸収を速めるために、点滴とほぼ同じ成分で作られています。一般的なスポーツドリンクは糖質が多く、また塩分が少なく体に吸収されにくいため、素早い対処が必要な場面には向きません。

「熱中症かも?」と感じたときは、経口補水液での対処が勧められています。外で作業する方や、大量の汗をかく場面では、万が一のときのために経口補水液を準備しておくと安心です。

明治の「アクアサポート」や「アクエリアス」はドラッグストアや大型スーパーなどで手に入れることができますよ。

なお経口補水液に似た名前の飲料を見かけますが、経口補水液とは別物として考えましょう。

経口補水液にはカラダに水分を素早く吸収させるために2%程度のブドウ糖が含まれていますが、似た名前のものはブドウ糖が使われずに人工甘味料が使われていたり、反対に糖質の量が多すぎたりするものもあります。

身体へ吸収されるスピードが経口補水液に比べると遅いため、普段の水分補給用として使いましょう。

熱中症の予防は、栄養と水分をしっかりととり、体調も整えておくことが大切です。さらには睡眠をきちんと取り、体を十分に休めてあげることも必要。しっかりと対策を取り、今年の夏も元気に乗り切りましょう。

参考・参照

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