マッシュルームの生食は危険?知っておきたい選び方と調理方法

サラダにスライスされた生のマッシュルームがのっているのを見たことはありませんか?普段、キノコ類を生で食べることはまずありませんが、マッシュルームは生で食べてもいいのでしょうか?管理栄養士が解説します。

目次

そもそもキノコ類は生で食べてもいいの?

マッシュルーム以外のキノコ類は生では食べられません。生のままや加熱が不十分の状態で食べるとアレルギー症状を起こす可能性があるため、よく加熱して食べるよう注意が呼びかけられています。(※1)

とくにシイタケは「シイタケ皮膚炎」を起こす可能性があり(※2)、生焼けのものを食べないように気を付けましょう。

(※1)参考:食品安全委員会 【読み物版】 [生活の中の食品安全 −毒キノコに気を付けよう− その1] 平成28年9月16日配信
(※2)参考:埼玉県皮膚医学会 しいたけ皮膚炎

マッシュルームは例外?

実は、マッシュルームは新鮮なものであれば生で食べられるとして、JAグループのホームページでも紹介されています。(※3)

海外では生で食べられることが多いですが、日本ではあまりなじみがありませんよね。これは、以前は輸入もののマッシュルームが多く、新鮮なマッシュルームが少なかったためと思われます。近年では国産のマッシュルームの生産量が増えてきており(※4)、スーパーで見かける機会も多くなりました。

ただしマッシュルームに含まれるアガリチンという成分には発がん性があることが知られており、加熱することで減衰することがわかっています。(※5)消化にもよくないため、食べすぎには注意しましょう。

(※3)参考:JAグループ マッシュルーム
(※4)参考:農林水産省 地域特産野菜生産状況調査 長期累年統計表一覧
(※5)参考:食品安全委員会「アガリクス(カワハラタケ)を含む粉末剤型の加工食品に係るリスクプロファイル」

▼マッシュルームにはどんな栄養があるの?
マッシュルームにはカリウムや食物繊維などが豊富に含まれています。それぞれの栄養素に期待できる効果や、生と缶詰の栄養素の違いを解説しますので、ぜひこちらの記事もチェックしてみてくださいね。

マッシュルームの栄養や期待できる効果とは?その他のきのこ類との比較も紹介

パスタやソテー、煮込み料理などの洋食料理に活躍するマッシュルーム。きのこは栄養豊富なイメージがありますが、マッシュルームはどうなのでしょうか?この記事では、マッシュルームに含まれる栄養素と期待できる効果について、管理栄養士が解説します。

マッシュルームを生食できる条件は?

マッシュルームは収穫して3~4日以内程度の新鮮なものであれば生食ができます。スーパーで売られているものでも、鮮度が良ければOK。

マッシュルームを新鮮かどうか見分けるためには、かさの開き具合を確認します。かさが閉じていれば新鮮な証拠。かさが開き始めるころまでなら生で食べてOKです。

左右どちらも生食できますが、早めに食べるようにしましょう

右側のマッシュルームをさらに2日ほど冷蔵庫においてみました。

軸とかさのすき間が見えるようであれば加熱しましょう

かさの開きが少し深くなっているのがわかりますか?このようにかさの開きが深くなったり、黒いものが見えるようになったりしたら、加熱して食べるようにしましょう。

「新鮮かな?」と悩む状態であれば、加熱してしまった方が安心です。マッシュルームは傷みやすいので、加熱する場合でも早めに食べきるようにしてくださいね。

▼黒くなったマッシュルームは食べられる?
マッシュルームが黒くなることは珍しくはありませんが、場合によっては食べない方が良いこともあります。マッシュルームの基本的な切り方や、危険な場合の見分け方を知りたい方は是非こちらの記事もチェックしてみてくださいね。

黒すぎる場合は食べないで!マッシュルームの正しい切り方や危険な場合の見分け方を管理栄養士が解説!

様々な料理で使われているマッシュルーム。独特の食感で幅広く利用されていますが、正しい切り方や取り扱い方をご存じですか。生のマッシュルームを調理しようとしたとき、切り方が自己流だったり黒い部分をどうすべきか迷ったり、分からないことも多いことでしょう。 今回の記事では、管理栄養士が「マッシュルームの正しい切り方とそれぞれの切り方に合う料理」をご紹介します。変色している場合など、食べると危険なケースもあわせて解説していきますので、どうか最後までお読みください。

生のマッシュルームを楽しめる料理

いつものサラダをちょっぴりオシャレに

 マッシュルームを生で楽しむならまずは定番のサラダ。いつものサラダが少しだけオシャレになりますよ。

今回はベビーリーフにトマト、砕いたアーモンドと一緒にサラダにしています。

レタスなどの水分が多い野菜よりも、ベビーリーフやサラダほうれん草などのしっかりとした食べ応えのある野菜の方がマッシュルームに合います。ドレッシングはシンプルなものか、オリーブオイルベースのものを手作りしてもおいしくいただけます。

シンプルがおいしいオリーブオイル+ハーブソルト

 マッシュルームの豊かな香りを楽しみたいなら、シンプルにオリーブオイル+ハーブソルトで。写真は飾りにドライパセリを振っています。マッシュルームがオリーブオイルをすぐに吸ってしまうため、食べる直前にかけるのがポイントです。

洋食メニューの副菜にもいいですし、ワインなどお酒のおつまみにもぴったりです。

▼生のマッシュルームを使い切れなかったときは冷凍保存がおすすめ
マッシュルームは冷蔵だと1週間ほどしか日持ちしませんが、冷凍すると1ヶ月ほど長期保存が可能になります。一度に食べきれない場合などは、早めの冷凍保存をおすすめします。

マッシュルームは冷凍保存してOK!正しく保存して長持ち&うまみUP

生のマッシュルームは切った部分が黒く変色しやすく、水分にも弱い食材のためあまり日持ちがしません。そのため、マッシュルームを長期保存したいときは冷蔵より冷凍保存がおすすめです。マッシュルームは冷凍後に調理することでうまみもアップするので、正しい保存方法をマスターして幅広いマッシュルーム料理を楽しみましょう。

マッシュルームは洗わない方がいい?

キノコ類は水で洗うことで風味が飛んでしまうため、ペーパーやふきんで汚れをふく程度にしておくことが勧められています。

きのこは洗うべき?旨味を逃がさないベストな下ごしらえの方法とは

ヘルシーで価格が安定しているきのこは料理に大活躍する食材の一つ。ところで料理をする際に、洗うべきかどうかと悩んだことはありませんか?何となく洗わないイメージがあるけど、農薬の心配があったり、かさに汚れがついているときにどうすればいいか迷ったり……。おいしさを安心して味わえる、種類別の下ごしらえ方法について紹介します。

マッシュルームも濡らしたペーパーなどで汚れをふき取って調理しましょう。

しかし生鮮食品を洗わずに生のまま食べることは、少なからず食中毒のリスクがあります。食中毒は、よく洗ったり加熱したりすることでリスクを下げられます。抵抗力の低い小さなお子さんや高齢者、妊婦さんがマッシュルームを生で食べる場合はよく洗って食べましょう。

マッシュルームは生で食べると風味の豊かさに驚くはず。新鮮なマッシュルームを見つけたら、ぜひ生で食べてみてくださいね。

【参考】
ミツクラ農林 マッシュルームの豆知識

▼しいたけに生える「白いフワフワ」の正体は?
しいたけを冷蔵庫から取り出すと、いつの間にかワタのような白いものが生えていることがあります。一見カビのようですが、そのほとんどが「気中菌糸(きちゅうきんし)」というしいたけの一部。食べてもOKな「気中菌糸」と食べたらNGな「カビ」の見分け方を解説します。

しいたけにカビのような白いフワフワ…食べても大丈夫?カビとの見分け方は?

料理に使おうとしたしいたけに白いカビ!?でも、捨てるのはちょっと待って。その白いフワフワは、カビではなく気中菌糸と呼ばれるしいたけの一部かもしれません。この記事では、しいたけの気中菌糸とは何なのか、カビとの見分け方などについて解説します。しいたけをムダなく安全に食べるためにも、ぜひ役立ててくださいね。

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