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琺瑯(ホーロー)の特徴・便利な使い方! おすすめブランドや、長く愛せるお手入れ方法
「琺瑯(ホーロー・ほうろう)、持っているけどイマイチ良さがわかっていない」「買ってみたいけれど、お手入れ方法がよくわからない」。そんな方に向けて、琺瑯の特徴(メリット・デメリット)や使う際の注意点、おすすめ活用方法、長く使うためのお手入れ方法を紹介します。琺瑯を上手に使い、キッチン時間をもっと楽しみましょう!
琺瑯(ホーロー)は、金属の機能性とガラスの美しさが合わさった製品
琺瑯とは、鉄・アルミニウムなどの金属を下地にし、表面にガラス質の釉薬(ゆうやく)をかけて焼き付けたものです。
釉薬とは、焼き物や琺瑯の表面を覆うガラス質の層。簡単にいえば、琺瑯とは表面がガラスの層で覆われた金属のこと、というわけです。
琺瑯は、金属のもつ強度と熱伝導の良さ、そしてガラスの非吸着性や見栄えの美しさなど、金属とガラスの良さが組み合わされた製品です。
主に保存容器や調理器具などのキッチン用品として使われることが多く、その艶やかとした光沢のある外観から、オシャレなキッチン用品としても人気です。
琺瑯(ホーロ)の特徴
お料理シーンをはじめとして、家のなかで大活躍してくれる琺瑯製品。その特徴は次の通りです。
メリット
①耐熱性・冷却性に優れている
一般的に琺瑯製品は鉄をガラスで覆っているため、ステンレス製品に比べ、熱伝導率が高く調理器具としてもすぐれています。鉄製品はサビやすくお手入れが大変ですが、ガラスで覆われた琺瑯製品はサビず、また冷却性にも優れているため、冷たいものを冷たいままキープすることもできます。
②ニオイが付きにくい
琺瑯の表面はガラスのため、容器にニオイが付きにくいことも特徴です。ガラスは「非吸着性」を持ち、成分を吸着しにくいことに優れています。アルミや鉄、ステンレスなどの金属製品・木材や樹脂製品に比べてもダントツにニオイの成分が付着し難いといえます。
また、琺瑯はとても硬く、ステンレスなどのカトラリーが接触しても傷付きにくいのも特徴です。
③直火で使用できる
琺瑯製品には保存容器のほかにも、さまざまな種類があり、中には鍋ややかんもあります。直火で使えることも琺瑯の特徴です。
④オーブンやグリルで使用できる
琺瑯はオーブンやグリルでも使用できます。琺瑯容器に料理を入れてオーブンなどで料理を焼き上げれば、そのまま食卓に並べることもできるのでとっても便利。別の容器に移し替える必要がないので洗い物も少なくてすみますね。
⑤見た目の美しさ
昔は琺瑯製品といえば柄物や色とりどりのカラーリングが一般的でしたが、最近のトレンドとしては野田琺瑯を代表するように、白い製品が一般的です。
シンプルなカラーリングや美しい光沢と色合いで、オシャレな容器としても重宝されています。食卓に並べるだけで、写真映えもばっちり。SNSでも琺瑯容器を使った食卓の写真が多く投稿されており、その人気ぶりがうかがえます。
デメリット
①衝撃や落下に弱い
琺瑯製品は表面がガラス質のため、衝撃を与えるとひびが入ったり割れたりしてしまう可能性があります。落下や衝撃には注意しましょう。
②電子レンジでは使用できない
忘れがちなのですが、琺瑯製品のガラス質に覆われた中身は金属のため、電子レンジの使用ができません。電子レンジ内で火花が発生してしまう可能性もあります。火事や怪我に繋がる場合もあるため、電子レンジを使う際は電子レンジ可のガラス製品や樹脂容器に移し替えてから使いましょう。
琺瑯(ホーロー)の良さを活かす!おすすめの活用方法
では、具体的にどのようなシーンで琺瑯容器を活用すればいいのでしょうか?使い方を見ていきましょう。
冷蔵庫のスッキリ収納に
琺瑯容器は作りおきなどの保存にぴったり。同じデザインの琺瑯容器を選べば見た目の統一感があるため、冷蔵庫の中をすっきりと見せることができます。
特におすすめなのは圧迫感のない白色の琺瑯容器。ごちゃごちゃしがちな冷蔵庫も、白い琺瑯でまとめるとなんだかオシャレな印象になりますよ。
お菓子の型としてもOK
スクエア型のようなプレーンな形の琺瑯容器は、お菓子の型としてもおすすめです。シンプルなデザインのものを選べば、お菓子の色を惹きたててくれますよ。
ニオイが付かない!「ぬか漬け」にも使える
和食献立に添えてあると嬉しい「ぬか漬け」。ぬか漬けといえば、独特なニオイのする「ぬか床」で漬けて作りますが、家で作るには手間のほかニオイのハードルもやや高めです。
そんなぬか床のニオイが気になる方には、琺瑯商品がおすすめ。先ほど説明したとおり琺瑯には非吸着性があり、容器にニオイがつかないため、漬物を作るときにも重宝されます。
また琺瑯でできた保存容器の多くには蓋が付属されており、これによって密閉されるためニオイが漏れないのも良い点です。
お手入れ方法
使った後は台所用洗剤とスポンジで洗い、水気をよくふき取って乾燥させましょう。水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどが蒸発せずに残ったカスが、琺瑯にたまらないようにするのがポイントです。
お手入れに使う洗剤は中性洗剤が一番おすすめですが、ガラスは腐食しにくい素材なので、弱酸性でも、アルカリ性でも大丈夫です。
気を付けたいのは、研磨剤のついたスポンジや研磨剤入りの洗剤などは使用を控えること。傷が付く場合があります。本来、琺瑯容器は最も菌が増殖しにくい素材ですが、小さな傷の穴から菌が増殖することもまれにあります。
もしも焦がしてしまったら?
もしも琺瑯を焦がしてしまった場合は、重曹を使いましょう。鍋に、水と大さじ1程度の重曹、油、そして焦がした容器を加えて火にかけます(琺瑯鍋を焦がした場合は、直接水や重曹を加えます)。一度沸騰したら火を止め、そのまま冷ましてください。完全に冷えたことを確認した後、気になる部分をスポンジでこするとしっかり焦げが落ちますよ。ひどい焦げの場合は何度か繰り返してみましょう。
それでも落ちない場合は最後の手段!傷がつきやすいのであまりおすすめはできませんが、研磨材のついたスポンジや、クレンザーなどでそぎ落とすしかありません。
琺瑯(ホーロー)を使った人気ブランド
使いやすくて、1つあれば重宝すること間違いなしの琺瑯製品。国内にはどんな琺瑯ブランドがあるのでしょうか?琺瑯製品を手掛ける企業と人気ブランドを3つ紹介します。
野田琺瑯「野田琺瑯」
野田琺瑯株式会社は、1934年に創業した老舗企業です。製品は職人さんが一つひとつ手作業でガラスを吹きかけて製作。日本国内では唯一、製作過程を自社で一貫生産している琺瑯メーカーです。
野田琺瑯ブランドのなかでも特に人気のシリーズは「WhiteSeries」。美しい白の光沢が人気のこのシリーズは、2013年に「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」を受賞しています。多くの人に、長きにわたって愛されている製品です。
富士ホーロー「ハニーウェア」
富士ホーロー株式会社は、1947年に創業した琺瑯メーカー。自社製品だけではなく、琺瑯製品のOEM製品にも力をいるそうで、国内外20ヵ国以上で取引しているのだとか。
琺瑯の大ベテランといえる富士ホーローが手掛ける人気ブランドが、「ハニーウェア」です。
ハニーウェアは、“日々の暮らしを豊かにする道具をつくりたい”という想いをもったブランド。転写技術にも定評があり、数々のキャラクターとコラボした製品があります。カラフルな色合いの琺瑯製品は、見ているだけでも食卓に彩を添えてくれそうです。
愛知ドビー「バーミキュラ」
鉄鋳物琺瑯鍋といえば、フランス製のストウブやル・クルーゼが有名ですが、国産ではバーミキュラが有名です。
バーミキュラは、1936年に愛知県で創業された愛知ドビー株式会社が開発している琺瑯ブランド。3代目を引き継いだ兄弟が「町工場から世界最高の製品を作りたい」という想いから、代表的な鋳物の琺瑯鍋を誕生させたのだそう。
バーミキュラは手厚いサポートが有名で、購入前の相談から、購入後のサポートまでコンシェルジュが対応してくれます。またリペアサービスも充実!一生使えるといわれる琺瑯製品だからこそ、ケアをこまめにしつつ末長く使っていきたいですね。
性能の良さと、見た目の良さを兼ね備える琺瑯。琺瑯を生活に取り入れるだけで、おしゃれなキッチンに大変身です。使ったことがない人も、まずは気軽に取り入れてはいかがでしょうか?
監修:株式会社池商 池田義明
株式会社池商は1983年に創業したキッチン用品専門店。約3200名の料理研究家会員とネットワークを持ち、キッチン用品セレクトや料理教室とコンタクトをとりながら調理道具の研究を行っている。キッチン用品メーカーとの新商品開発なども行っており、多くの人にキッチン用品の適切なアドバイスを行っている。