【プロ監修】鉄フライパンの焦げ落とし|家庭でできるお手入れ方法

料理をおいしく仕上げてくれる鉄のフライパン。炒め物には欠かせない調理道具ですが、慣れないうちは料理を焦がしてしまうなど失敗することもありますよね。鉄のフライパンを焦がしてしまったら、どのように焦げを落とせばいいのでしょうか?調理用品を販売している株式会社池商の池田さんに鉄フライパンのお手入れ方法をうかがいました。

目次

鉄のフライパンが焦げた!焦げの落とし方は?

食材を食感良く仕上げるのに役立つ鉄のフライパン。少々扱いが難しいため、調理中に焦がしてしまった……という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

でも大丈夫!鉄フライパンでの調理中に料理を焦げつかせてしまっても、家庭で簡単に落とすことができるんです。

鉄フライパンの焦げの落とし方について、基本の4パターンは以下の通りです。

金属たわしでこする

焦げ落とし度:★★★★

最も効果的なのは、ステンレスやスチールウールのたわしでこする方法。鉄素材はとても強いため、金属たわしのような研磨力の高いものでこすっても、傷つきにくいのです。

激しい焦げや汚れ、さびなどには、この方法でのお手入れが一番きれいに仕上がります。

重曹を使う

焦げ落とし度:★★★

次に効果的なのは重曹で汚れを落とす方法。お手入れ方法は、焦げがついた鉄フライパンに重曹と水を入れて火をつけ、沸騰させてから火を止めて一晩放置するというもの。

この方法で大抵の焦げや汚れは取れますが、汚れが落ちるまでに時間がかかるというデメリットがあります。

また、激しい焦げは重曹では落ちきらないので、頑固な汚れになってしまった場合は、先ほど紹介した金属たわしでこする方法がおすすめです。

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お酢を使う

焦げ落とし度:★★

ちょっとした焦げや汚れであれば、お酢で落とせます。焦げのついた鉄フライパンにお酢を入れて、1日浸けおきしておくだけなのでとっても手軽。

ただしこの方法は、重曹と同様に時間がかかってしまいます。また焦げがひどいものは取ることができないため、汚れの度合いによって他の方法も検討しましょう。

中性洗剤を使う

焦げ落とし度:★

日常のお手入れには、普段のお皿洗いと同じく中性洗剤を使う方法で大丈夫。普段使いのなかでの軽度な汚れであれば中性洗剤で十分に落ちます。

後述しますが、鉄フライパンを洗うときには油を落としきらないのがポイント。中性洗剤を使用する場合は、水で薄めて使い油を落としきらないようにしましょう。

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ささら、たわしを使う

手に持っているのが「ささら」

焦げ落とし度:★

株式会社池商では、鉄フライパンの日常のお手入れにはささらやたわしを使うことをおすすめしているのだとか。

ささらとは、竹や細い木などを束ねて作った洗浄器具。ささらがない場合は、金属製ではない普通のたわしを使い、お湯で洗うという方法が最適です。

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フライパンの外側についた焦げはどう落とす?

料理をしているとフライパンの外側に焦げや汚れがついてしまうこともありますよね。外側は直接火にあたる部分なので、フライパンにとってはとても過酷な環境ともいえます。

鉄フライパンの場合は素材が強固なため、内側の焦げを取るときと同様に、外側の焦げも金属たわしでこすればOK。傷や変形を気にすることなく洗えるのは、鉄フライパンの特長ですね。

そもそも焦げを防ぐには?

そもそも鉄フライパンで焦げを防ぐためには、日頃からどのようなポイントに注意するといいのでしょうか?鉄フライパンを長く使うためのコツも教えてもらいました。

まず初めに「焼き切り」をする

鉄フライパンを初めて使うときは「焼き切り」という作業をしましょう。

さびつきやすい鉄をコーティングするために、鉄フライパンの製造過程ではフライパンの表面に蝋(ろう)が塗られています。この蝋が料理に溶け込まないよう、購入したばかりのフライパンは表面を焼き切る必要があるのです(蝋は有害ではありませんが、料理の味を変えてしまう可能性があります)。

手順はとってもシンプルで、鉄のフライパンを空焚きするだけ。熱していると蝋の成分が溶けて白い煙となり出てくるため、その煙が出なくなるまで焼き切れば完了です。

その後は使っていくうちに油がなじみ、焦げがつきにくくなります。

日々の料理で油をなじませる

鉄フライパンは、本来は油をひいて使う器具。きちんと油をひいてから料理をしていれば焦げることはほとんどありません。

日々の料理で鉄に油をなじませ薄い油の層を重ねていくことで、より焦げつきにくいフライパンができあがっていきます。

洗うときは油を落としきらない

油の層を作っていくためには、洗う際にも油を落としきらないことがポイントです。日常のお手入れでは薄めた中性洗剤やお湯で、サッと洗うだけでも大丈夫。フライパン表面の油は、100%ではなく90%程度を落として、少しずつ油のコーティングを表面に作っていきましょう。

もちろん、激しく焦げがついてしまったときや魚料理などでニオイがついてしまったときなどは、研磨剤を使ったり強めにこすったりしても大丈夫ですよ。

鉄フライパンは日々の料理で、油でコーティングしながら時間をかけて育てていくもの。

「鉄のフライパンは“育てる”と“洗う”の両立が難しくもありますが、そこが楽しいんですよ」と、池田さんは教えてくれました。

焦げや汚れなどを適切に処理しながら、鉄のフライパンを自分好みに作りあげていってくださいね。

話を聞いた人:株式会社池商 代表取締役 池田義明さん

1983年に創業したキッチン用品専門店・株式会社池商の代表取締役。池商では約3,200名の料理研究家会員とネットワークを持ち、キッチン用品セレクトや料理教室とコンタクトをとりながら調理道具の研究を行っている。その他にもキッチン用品メーカーとの新商品開発や、多くの人へキッチン用品の適切なアドバイスなどを実施。

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