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【管理栄養士が解説】さつまいもは生・蒸す・焼くの違いでカロリーはどう変わる?
野菜の中でも甘みが強く、カロリーが高いイメージがあるさつまいも。実際のカロリーや糖質はどのくらいかご存じですか?また、さつまいもを蒸したり焼いたりするとさらに甘さが増しますが、カロリーに変化はあるのでしょうか。管理栄養士がわかりやすく解説します。

さつまいものカロリーと糖質の量

それではさっそく、「生」「蒸し」「焼き」の状態別に、さつまいものカロリーと糖質の量を解説します。
さつまいも100gあたりの場合
さつまいも100gあたりのカロリー(エネルギー)と糖質の量は以下の通りです(※)。さつまいもを1cmの輪切りにしたとき、約3切れ分が100gに相当します。
さつまいも(生)の100gあたりのカロリーは134kcalです。蒸しの場合カロリーは変わりませんが、焼きは163kcalで、29kcal分の差があります。
ほかの野菜(生)と比較すると、じゃがいもは76kcal、かぼちゃは91kcalなので、さつまいもはじゃがいもの約1.8倍、かぼちゃの約1.5倍のカロリーです。じゃがいもやかぼちゃに比べて糖質の量が多いため、さつまいもの方がカロリーが高くなります。
※出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
さつまいも1本あたりの場合
平均的なさつまいも1本(250g)あたりで計算すると、以下のようになります。
250gあたりのカロリーと糖質は、以下の式を用いて計算できます。
「さつまいも100gあたりのカロリー(糖質)×さつまいもの重さ(250g)÷100」
この計算式を使うと、さつまいもの重さに合わせて計算が可能です。
さつまいもは焼くとカロリーが増えてしまうのはなぜ?

さつまいも100gあたりのカロリーは、生の場合は134kcalですが、焼きの場合は163kcalと29kcal分増えているように見えます。
これは、焼くことでさつまいものカロリーが高くなったわけではなく、焼く過程で水分が減って軽くなるため、見かけ上のカロリーが増えてしまっているのです。
そのため、生のさつまいも100gを焼いて食べたとき、摂取するカロリーは134kcalとなり、生の場合と変わりません。
蒸しと生の場合のカロリーが同じなのは、蒸す過程では水分が抜けにくいためと考えられます。
ちなみに、干しいもは100gあたり303kcalですが、これも水分量が減っただけで、さつまいも本来のカロリーは変わりません。
▼<簡単!焼き芋>“丸ごと”さつまいもの焼き方
さつまいもはダイエット中でも食べてOK!

さつまいもはダイエットによいなどといわれますが、さつまいもがダイエット中におすすめな理由と、おすすめの食べ方を紹介します。
さつまいもがダイエットに向いている理由
さつまいもは腹持ちがよいうえに、美肌作りに欠かせないビタミンCや便秘改善に役立つ食物繊維が摂れるため、ダイエット中におすすめの食べ物です。
さつまいもは食べごたえがあり、さらに消化に時間がかかるといわれているため、ダイエット中のお腹を満たすのにぴったりです。間食の代わりとして取り入れるといいでしょう。
また、さつまいもに含まれるビタミンCは免疫力の維持にも必要な栄養素です。1日に必要なビタミンC量は100㎎で、さつまいも100gあたり29㎎含まれています。つまり、さつまいもの輪切り3切れ程度で、1日に必要なビタミンCの約3分の1を補うことができるのです。(※)
ビタミンCは熱で壊れやすい性質がありますが、芋類に含まれるビタミンCは熱に強いため、効率的にビタミンCを摂取することができます。
また、さつまいもにはヤラピンという、便をやわらかくする効果が期待できる成分も含まれています。さつまいもに含まれる食物繊維と併せて、便秘改善に役立つでしょう。
腹持ちがいいだけでなく、身体の健康維持に必要な栄養素をたっぷり摂ることができるため、ダイエット中の方にもおすすめできる食材なのです。
▼さつまいもは“皮ごと”食べるが正解!
さつまいもは皮の部分にも栄養が含まれるため、栄養をしっかり摂りたいなら皮まで食べるのがおすすめです。皮は食べても身体に悪影響を与えるものではありませんので、安心して食べられます。皮ごと食べるためにおすすめのレシピを紹介します。
ダイエット中におすすめの食べ方は「ふかし芋」一択!

ダイエット中にさつまいもを食べるなら、蒸して食べるのがイチオシです。先述したとおり、蒸す方法だとさつまいもの水分が抜けにくいので、水分量が多い分、満足感が出やすくなります。じっくり蒸すことで甘みも出やすくなるため、甘いものを我慢することが多いダイエット中のデザート代わりにもなりますよ。
また、皮ごと食べれば食物繊維をより多く摂ることができるので、栄養を無駄にしたくない方は皮ごと食べるのがおすすめです。
▼簡単!“丸ごと”さつまいもの蒸し方
手軽にフライパン、炊飯器、電子レンジでできる方法をご紹介します。
さつまいもは焼いても蒸してもカロリーは変わらない!
さつまいもは焼いても蒸しても、カロリーや糖質の量に変化はないことを解説しました。さつまいもには栄養がたっぷり含まれているので、焼き芋でもふかし芋でも、カロリーに敏感になりすぎずに楽しんでくださいね。
▼ダイエット中にコンスタントに食べたい!さつまいも“冷凍保存”のポイント
さつまいもは、常温でも長期保存が可能な野菜のひとつです。ただし、常温保存には適切な状態での管理が求められます。温度・湿度を気にせずに長期間保存したり、調理時間を短縮するなら冷凍保存がおすすめです。さつまいもの状態別(生・焼き・茹で・マッシュ)の冷凍保存法を解説します。
▼これ、傷んでる? さつまいもの鮮度の見分け方を詳しく解説