【マナー解説】お宮参りの時期や服装は?いくら包む?

子どもが生まれてから成人するまで、日本では様々なお祝いごとがあります。かつて、成人するまで健康に育つことが難しかった時代もあったことから、節目ごとにお祝いをするようになったといいます。今回はそのうちの一つである「お宮参り」について、参拝する時期や服装、お礼として包む金額、しきたりなどをマナー講師の伊藤祥子さんに教えてもらいます。

目次

お宮参りとは

「お宮参り」は、地元の神社である“氏神様”(うじがみさま)に初めてお参りをする事で、「初宮参り」ともいいます。赤ちゃんが育つその土地の氏神様に参拝して、赤ちゃんをその“氏子”(うじこ)の一員として認めてもらう、昔からの儀式です。

お宮参りの時期は?

地域によって時期は多少違いますが、おおむね赤ちゃんの生後1カ月頃です。男児は生後31日、女児は33日とされていたり、京都府では女児の方が男児より早めであったりします。また、多少日がずれていても大安を重視するケースや、家族が集まりやすい休日を選ぶ人も多いです。地域差があるので、ご家族で話し合って良き日を選ぶことをおすすめします。六曜は参考程度に、仏滅でもNGということはありません。いずれにしても、母体の回復具合や赤ちゃんの体調が第一優先ですね。

お宮参りに適した服装は?

お宮参りの日取りが決まったら、当日の服装もあらかじめ決めておきましょう。家族で記念写真を取る方が多いので、家族そろった時の全体のバランスを整えると良いでしょう。昔は、着物を着る女性も多くいましたが、最近では略装が多くなっています。特に母親は産後間もない時期なので、授乳の都合も考慮すると洋装でも十分です。季節やお天気、体調もふまえて選んで下さいね。

お宮参りの服装例

なお、この時に使用する赤ちゃん用の(上から覆う)祝い着は、男児ならば5歳、女児は3歳の七五三の祝い着に仕立て直すこともできます。

避けたほうがよい服装

お宮参りは、神社で執り行う格式の高い儀式です。神社では、肌の露出の多い服装は控えるのがマナーなので、夏の季節の洋服には気をつけましょう。また、砂利道を歩く可能性もあるので、洋服の時はヒールの高さを抑えて歩きやすい靴にしましょう。男性の服装は短パンやTシャツ、ビーチサンダルなど、ラフすぎる服装は控えましょう。

お宮参りのしきたり

昔からのしきたりでは、赤ちゃんとその両親、父方の祖母が付き添います。そして、祖母が赤ちゃんを抱きます。祝い着は母方の家が用意するのが一般的です。
ですが、最近では、父親や母親が自分たちで準備する場合や、レンタルを利用する人も増えてきました。さらに簡略化されているケースでは、ベビードレスとケープでお参りする方もいます。それぞれの家庭の事情で、無理なく対応してみてはいかがでしょうか。

お宮参りの謝礼

神社への謝礼は、祝儀袋に「初穂料」もしくは「玉串料」と表書きをし、赤ちゃんの名前で納めます。金額はそれぞれの神社で決まっているので、事前に申し込む際に問い合わせましょう。「お気持ちで」と言われた場合は、5,000円~1万円を包みましょう。

お宮参りで用意する縁起物や魔除けの道具

お宮参りでは赤ちゃんを抱き、その上から男児・女児それぞれの祝い着をかけ、背中側で紐を結びます。この時、紐に「扇子」や「犬張り子」、「でんでん太鼓」や「お守り」を結び付ける風習があります(扇子には子どもの名前と生年月日を書いて、神社に奉納します)。これらの道具類は、縁起ものや魔除けを意味します。あらかじめ用意するか、神社にお参りの予約をする時に、購入先などを問い合わせてみましょう。

左から「でんでん太鼓」と「犬張り子」

お宮参りの記念写真について

子どもの成長を祈願する節目の行事なので、写真も残しておきたいですね。自分で撮る場合は、祈祷(式)が始まる前のタイミングの方が、赤ちゃんも家族も疲れが出ないので、少し早めに神社に出かけて撮影すると良いでしょう。最近では指定場所まで出張してくれる写真館もあり、店によっては祝い着の貸し出しもしているので、着物を用意する手間が省けるのでおすすめです。

また、写真館に行って撮る場合は、お宮参りの後になることが多いので、授乳やおむつ替えのタイミング、赤ちゃんがぐずったりすることも想定して準備をしておきましょう。自分で撮る場合以外は、事前の予約を忘れずにしておきましょう。

お宮参りは子どもの成長を神社で祈願する大切な行事です。また、赤ちゃんが初めて長い時間外出する機会でもあります。しきたりも大事ですが、皆さんで赤ちゃんを囲み、健やかな成長を祈りましょう。

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