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地鶏、銘柄鶏、ブロイラー…唐揚げにはどれがおすすめ?!【スーパーの鶏肉名人】になるテクとコツ
毎日の献立を美味しくするには、スーパーで普通に買えるお肉を上手に使うのが近道です。
肉料理の決め手は「肉の値段」にあらず!料理研究家・長田絢(おさだ あや)さんの著書「スーパーで買える『肉』を 最高においしく食べる100の方法」から、おいしいお肉を買う&使いこなす方法を紹介します。
スーパーで肉を買っている人なら、絶対読んでおきたい一冊!
肉偏愛料理家、長田絢(おさだ あや)さん。不規則な食生活、ダイエットなどで体クタクタ、肌ボロボロの時代を経て、「食べることは生きること!」と食の大切さに気づき、そこから肉の生産者巡りをスタート。肉の特長に合わせた料理を研究し、日本全国のこだわりの肉をレストランやホテルなどに販売する「ひとり肉卸業」をはじめます。
そんな永田さんが独学で学び続けた肉料理のテクニックとレシピが「スーパーで買える『肉』を 最高においしく食べる100の方法」(ダイヤモンド社)という一冊にまとまりました。その中から、いますぐ知っておきたいアイデアを特別にご紹介!前回の豚肉に引き続き、今回のテーマは「鶏肉」です。
登場頻度No.1の鶏肉。価格だけで選んでいませんか?
手軽で汎用性が高く、牛・豚に比べてリーズナブルな鶏肉。高たんぱくで低カロリー、肉の中では消化のいい食材でもあり、さらに肉と脂肪が分離されているため、脂を取り除きやすく、ダイエットに最適な食材なんです。
そんな鶏肉は食卓登場頻度も高い食材。国内産/海外産または価格などを見ながらとあまり考えることなく、購入していませんか?
実はおいしく食べるためには、種類と部位の特徴を知って、料理によって使い分けることが近道なのです。
地鶏・銘柄鶏・ブロイラー。3種の違い知っていますか?
スーパーで売っている、鶏肉。なんとなく地鶏っぽいものと、無名のもの…みたいな意識ありませんか?実は鶏肉は大きく3種類に分かれるんです。
地鶏
在来種由来血液の純系もしくは血が50%以上入っていること、飼育期間はふ化から75日以上、28日目以降は平飼いで、1㎡当たり10羽以下での飼育などの条件があります。
その中でも名古屋コーチン種、薩摩地鶏、比内地鶏を日本三大地鶏といいます。
地鶏は、歯ごたえやコクがあり、旨味が濃いのが特徴です。
銘柄鶏
地鶏に比べると発育のよい肉専用種から生産されていて、通常の飼育方法とは異なる工夫をされています。
ブロイラー
50〜56日で出荷できるように改良された肉用若鳥の総称。お店で特に何の表示もない場合がブロイラーで、出荷されている鶏肉の大部分を締めています。
飼育数や生産効率から、地鶏→銘柄鶏→ブロイラーの順に価格が下がります。
ですが、それぞれ料理によって向き、不向きがあり、高額であればよいというわけではありません。ちなみに、長田さんは
- 地鶏・・・煮込み料理
- 銘柄鶏・・・焼いたり茹でたりする料理
- ブロイラー・・・揚げ物
といった感じで使い分けているそう。なるほど!これはとても参考になります。
もう一度おさらい!鶏肉の部位
鶏肉は豚肉や牛肉とは異なり、薄切りではなくアルミがあるもの。そのため厚すぎる部分は切り込みを入れて、火を通りやすくしましょう。また、骨付き肉は骨に沿って切れ込みを入れることで骨離れがよくなり、だしが出やすくなります。
モモ肉
歯ごたえがあり、コクと旨味があります。そのまま焼くだけでもとてもおいしく、汎用性の高い部位です。
ムネ肉
やわらかくて脂肪が少なく、淡白な味わい。カロリーが低いことからダイエットをする人にも好まれています。モモ肉のおよそ半額で家計にやさしいのも魅力のひとつです。
ささみ
低カロリー、高たんぱくで、とてもやわらかい肉質です。
手羽元、手羽中、手羽先
コラーゲンや脂肪分が多く濃厚な味わい。骨からだしが出てスープがおいしくなるので、鍋や煮ものにも幅広く使われます。
- 手羽元…上腕部分
- 手羽先…全体から手羽元を除いた部分
- 手羽中…手羽先から手指を除いた部分
徹底研究の末開発!から揚げをおいしくするための5つのテクニック
鶏肉のことに詳しくなったら、やっぱり鶏肉レシピの王様「から揚げ」を上手に作れるようになりたいですよね。
から揚げをおいしくするテクニックは以下の5つです。
1.調味料はひとつずつしっかりもみこみ、ねかせてから調理する
下味の調味料は、目的に合わせて使用しましょう。
- 酒・・・鶏肉の臭みを消し旨味をプラス、水分を加えることで保水性が高まる
- しょうゆ・・・噛んだ時の風味づけ
- 長ネギ、ショウガ・・・臭み消し、風味づけ
- みりん・・・甘みと旨味とコクが加わるので好みで。ムネ肉やササミのように淡白な部位の場合は入れたほうがよい
- にんにく・・・好きな人はすりおろして入れて。
2.薄力粉はしっとりやわらか、片栗粉はカリっとサクサクに。衣はブランド粉が理想的
- 薄力粉・・・やわらかくふんわりあがります
- 片栗粉・・・白っぽくカリカリサクサク揚がります
- 卵・・・卵を衣に加えると衣がふんわりして厚みが出ます。肉の臭み消しにも
長田さんの基本は「薄力粉1:片栗粉2」のブレンド。ただし上げた後にたれに絡める場合は片栗粉のみで。そのほうがたれのしみこみもよくて、食感のばらんすがよくなります。
3.衣をつけたら、よく払って薄づけを心がける
4.揚げ油の温度は160度と200度で二度上げする
最初にある程度火を通して、一旦取り出して休ませている間に余熱で中まで火を通し、再度高温でカラッと上げればベチャベチャになってしまうことはありません。
5.油は新しいものをたっぷり使う。なたね油、こめ油、太白ごま油がおいしく揚がる
た
かがから揚げ。されどから揚げ。おいしくなるポイントは多数あるということですね!そんなテクニックがぎゅっと詰まった、長田さんオリジナルのから揚げレシピを紹介します。
▼徹底検証!鶏むね肉を1番柔らかくする方法はどれ?
価格はお手頃なのに、食感が硬くてパサパサになりがちな鶏むね肉。巷には鶏むね肉を柔らかくするいろいろな方法がありますが、どの方法がベストなのでしょうか?実際に検証してみました。
【完全保存版】長田絢さんオリジナル 鶏の黄金比から揚げレシピ
材料と作り方
- 鶏もも肉……1枚(300g)
- 酒…… 大1
- しょうゆ……1
- 長ネギ(青い部分を半分に切る)……1本分
- ショウガ(すりおろし)……10g
- 薄力粉……15g
- 片栗粉……30g
- レモン(くし形切り)、パセリ……各適量
1.下味をつける
鶏肉の余分な油や筋を取り、50gずつに切り分け、保存袋に入れる。酒、しょうゆの順に入れてその都度よくもみこみ、長ネギ、ショウガを入れて、よくもみ込む。冷蔵庫でできれば3時間ほどねかせる。※急ぐ場合は30分ほど
2.衣をつけて揚げる(1度目)
バットに薄力粉と片栗粉を混ぜて広げ、水分をよくふき取った1に薄くつけて、160度に熱した油で4〜5分揚げる。
3.余熱で火を通す
取り出して2分おき、余熱で火を通す。
4.高温で揚げる(2度目)
油温を200度に上げ、3を再度入れ、カリっとするまで30秒〜1分ほど揚げてとりだし、バットで油をきる。お好みでレモン、パセリを添える。
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いかがでしたか?こちらの本にはおいしく食べる100のテクニックと48のレシピが掲載され、読めば今まで何気に買っていたスーパーのお肉を見る目ががらりと変わります。ぜひチェックしてみてくださいね。
タイトル:スーパーで買える「肉」を最高においしく食べる100の方法
著者:長田絢
発行:ダイヤモンド社
価格:1500円(税別)