「三温糖」の正体、知ってる?なんだか体によさそうな名前だけど…

私達にとって身近な調味料「砂糖」。肥満の原因になるなど、近年はどちらかといえば悪者扱いされることが多い砂糖ですが、実は甘みをプラスする以外にも料理に嬉しい効果をもたらしてくれます。管理栄養士の尾花友理さんに解説してもらいます。

目次

意外に知らない!?砂糖に関する基礎知識

砂糖の種類と原料

砂糖と言っても種類は様々。まずは代表的な砂糖について解説していきましょう。

黒砂糖(黒糖)

原料であるサトウキビの絞り汁を煮詰めて作ったもので、ビタミンやミネラルを多く含む一方、苦味がありアクが強いのが難点です。

▼黒糖じゃないの!?モラセスとは?
砂糖より甘味控えめで見た目は黒糖のようなモラセス。食べると女性に嬉しい効果があるとも言われていますが、気になるモラセスの正体について詳しく解説します。

「モラセス」って何?高い栄養価とその効果とは

モラセスという言葉を聞いたことはありますか?海外ではクッキーやマフィンなど、お菓子のフレーバーとしてよく使われていますが、日本では馴染みがないかもしれません。味やその黒い見た目から、黒糖の仲間ではと思ってる方も多いでしょう。今回は謎多きモラセスについて詳しく解説していきます。

きび砂糖

サトウキビの絞った汁から苦味やアクを取り除いた砂糖で、ミネラルを含んでいます。黒砂糖のような風味を感じるのが特徴。

てんさい糖

てんさい糖はほかの砂糖とは原料が異なり、「さとう大根」から作られています。腸内環境を整えることで知られているオリゴ糖を含んでいます。

上白糖

原料がサトウキビであることは黒砂糖やきび砂糖と同様ですが、精製して不純物を一切取り除いて作られた砂糖です。漂白することで白くなると思っている人もいるようですが、精製されたため白い色をしています。

三温糖

茶色をしている他、価格も上白糖より高めであることから、なんとなく体に良さそうなイメージを持たれる三温糖。実は上白糖を作る際に出る液糖を煮詰めて作るものです。煮詰める間のカラメル化現象により色づくため、茶色に仕上がります(※カラメル色素を使用している三温糖もあります)。
栄養的には上白糖とほぼ変わりありませんが、カラメル化によって香ばしい香りがするため、料理に使うことで深みやコクを与えてくれます。

砂糖は肥満の原因など悪者扱いされることが多く、糖質ダイエットなどでは極端に糖質を制限している人もいるようですが、糖は全身の司令塔である脳のエネルギー源。極端に摂取を控えることは避けましょう。とはいえ、糖に限った話ではありませんが、摂りすぎには注意してくださいね。

▼砂糖の使い分け方はこちらをチェック
どんな砂糖を使うかによって料理やお菓子の仕上がりが変わります。砂糖の種類と使い分け方を管理栄養士の広田千尋さんに教えてもらいました。

砂糖の種類による使い分けを知ろう!種類別の特徴と適した使い方について解説

砂糖には、上白糖、グラニュー糖、三温糖……などとさまざまな種類がありますが、それぞれの違いをご存じですか?味わいだけでなく、用途によって使い分けることで仕上がりに違いが出ます。今回は砂糖の種類と使い分け方をご紹介します。ぜひ買い物の際や、毎日の料理の際の参考にしてみてくださいね。

「甘味を加える」だけじゃない!知っておきたい砂糖の役割3つ

さて、ここからは砂糖が本当の意味で買うべき食材である理由を見ていきましょう。

1.肉をやわらかくしてくれる

安売りになっていた牛肉。そのまま焼くとパサパサして硬くなってしまいそう。砂糖はそんなお悩みを解決してくれます。例えば焼肉なら、肉に醤油や酒、しょうがやにんにくで下味をつける際に砂糖をひとつまみ加えてください。砂糖にはたんぱく質と水分をくっつける保水性があるため、焼いても水分が逃げずにしっとりと仕上がります。加熱するとパサついてしまう肉の代表格・鶏むね肉にも有効です。ぜひお試しを。

2.料理にコクをプラス

煮物や照り焼きなど和食の甘辛味に欠かせない砂糖。普段上白糖を使っている人も多いと思いますが、黒砂糖の香りが残るきび砂糖や、カラメル化現象により芳ばしい三温糖の方が料理にコクや深みが増すのでおすすめです。

▼料理の「さしすせそ」砂糖が最初なのはなぜ?
調味料を入れる順番を示している「料理のさしすせそ」。砂糖を最初に入れるのはどうしてなのでしょうか?

【料理上達への道】調味料は入れる順番で仕上がりに差アリ!どの順番がいいの?

料理をするとき、味の決め手となるのが調味料。入れる量や順番を間違えると、おいしくできるはずのメニューも台無しですよね。皆さんはレシピを見ずに料理する際、「どの調味料をどの順番で入れるんだっけ?」と、ふと疑問に思ったことはありませんか?入れる順番がおいしさに影響するので、ぜひこの機会に覚えておきましょう!

3.保存性を高める

フルーツを砂糖で煮詰めるジャムや、砂糖を加えて作る佃煮。砂糖を使うことで菌の増殖をおさえることができ、保存性を高められるという効果があります。これにより、ジャムや佃煮は比較的長期で保存が可能になるというわけです。

甘みをプラスする以外にも嬉しい効果を発揮してくれる砂糖。上手に取り入れてみてくださいね。

▼固まってしまった塩と砂糖の戻し方
いざ使おうと思ったときに調味料入れの中でカチコチになっている塩と砂糖…。固くなった塩や砂糖をサラサラにする方法を検証してみました。

カチコチの塩と砂糖をサラサラにする方法!簡単な方法を検証してみた!

塩や砂糖が容器の中で固まって出てこない!なんだかしっとりしている……。サラサラと振りかけたい時に限ってそういう経験はありませんか?サラサラの状態でストレスなく保存できる方法や、固まってしまった時の簡単な解決方法を実際に検証します!

調理方法・準備
ランキング

おすすめ記事

全体ランキング