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【管理栄養士が解説!】大根はカビが生えても食べられる?カビの種類と見分け方
寒くなり、甘みが増した大根が出回る冬の季節。大根は価格が安い上に、様々な料理に活用できる便利な食材なので、ストックしている家庭も多いと思います。しかし、大根をいざ料理に使おうという時に、皮や断面にカビのような黒い点ができていてびっくり…なんて経験はありませんか?この記事では大根のカビの種類や見分け方をはじめ、カビが生えた際の対処方法について、管理栄養士がわかりやすく解説します。
これってカビ?大根にカビが生えているかどうかの見分け方
購入時は白かったのにも関わらず、保存しているうちに変色したり、白いふわふわしたものが発生したりする場合はカビの可能性が高いです。また、断面の1ヶ所に黒点が固まっているときもカビが生えています。
大根は水分の割合が94.6%と非常に高い野菜なので(※1)、カビの生えた部分を取り除いたとしても、奥まで菌が存在している可能性が高いです。カビを食べるとアレルギーを起こしたり、食中毒やがんの原因になったりすることもありますので(※2)、カビが生えていた場合は食べずに処分するようにしましょう。
※1 参照:文部科学省ホームページ「日本食品標準成分表2015年版(七訂)第2章」
※2 参考:内閣府 食品安全委員会e-マガジン「食べものについて知っておきたいこと」
大根に生えるカビの種類
大根に生える代表的なカビの種類と特徴をご紹介します。
黒カビ
大根の皮や断面に斑点状の黒点があったり、また断面の1ヶ所に黒点がまとまって発生したりしている場合は「黒カビ」である可能性が高いです。
黒カビの発生原因は、高温多湿の保存環境にあります。先述したとおり、大根は非常に水分量が多い野菜で、特に断面は水分が多くなります。そんな大根を20~30℃の常温で保存してしまうと、カビが好む高温多湿の環境となり、カビが発生しやすくなるのです(※)。
白カビ
大根の皮や、切って保存しておいた大根に白いフワフワとした綿のようなものが生えていたら「白カビ」の可能性が高いです。
原因は黒カビと同様に高温多湿の保存環境にあります。大根は色が白いため、よく見ておかないと見逃してしまう可能性がありますので注意しましょう。
カビによる腐敗が進んだときに見られる症状
黒カビや白カビの発生により大根の腐敗が進むと、次のような症状が見られるようになります。この場合も食べずに処分するようにしましょう。
- カビ臭いにおいがする
- 触るとブヨブヨとしており、表面や断面にぬめりがある
- 酸っぱいにおいがする
- 茶色く変色している
大根を切ったら色が黒い!これってカビ?
大根を切ったら断面が全体的に黒く変色していて驚いたことはありませんか?これはカビによる腐敗ではなく、大根自体の病気の可能性があります。代表的なものを3つご紹介します。
青あざ症
大根を切ったときに中心部が青くなっている場合、「青あざ症」にかかっていると考えられます。これは大根の老化による生理現象で、生産地での気温や土壌でのホウ素欠乏などの環境が原因で発生するものです。
食べても健康上の問題はありませんが、食感が固い・苦いなど鮮度は落ちてしまっています。
水晶現象
大根を切ったときに中心部が透けている、また薄紫色になっていた場合「水晶現象」によるものだと考えられます。こちらも成長過程において大根の水分量が多くなってしまった、また保存時の温度変化などの環境が原因で起こるものです。
食べても健康上の問題はありませんが、食感も味も落ちているので生食には向いていません。
ダイコンバーティシリウム黒点病
大根を切ったときに、円を描くように黒い筋が入っている場合「ダイコンバーティシリウム黒点病」にかかっていると考えられます。土壌菌が原因とされていますが、大根自体にカビが生えているわけでないので、食べても健康上問題はありません。ただし食感は固く、味も落ちているため、その部分を取り除いたほうがいいでしょう。
▼【もっとくわしく】断面が黒くなった大根の対処法
大根のカビを防ぐには?対策と正しい保存方法を解説!
新鮮な大根を手に入れたら、カビを発生させずに保存しておきたいですよね。大根の保存のポイントは「葉や茎を切り落として保存すること」と「根の部分を根元・中間・先端の3部位に分け、乾燥を防いで冷蔵保存する」ことです。
葉をつけたままの状態で保存すると、根の養分を吸い上げて傷みやすくなってしまうので、必ず分けて保存するようにしましょう。葉の部分は、切断した面にキッチンペーパーを巻いてからビニール袋に入れ、立てて冷蔵することで鮮度を保つことができます。
また、部位別に切り分けた大根はキッチンペーパーで包み、保存袋に入れてから冷蔵庫の野菜室で保管することで、乾燥を防ぎ鮮度を保つことが可能です。
ただし、冷蔵の場合は正しく保存しても保存期間は1週間程度です。より長く保存したい場合は、食べやすくカットした大根を冷凍用保存袋に小分けにして入れて冷凍しましょう。冷凍であれば約1ヶ月は保存することができます。
▼【もっとくわしく】大根を長持ちさせるには?
「常温」「冷蔵」「冷凍」の3パターンに分けて、大根を長持ちさせるコツを管理栄養士の広田千尋さんが解説します。
カビを正しく見極め、安全に大根を楽しもう
カビの生えた大根は食べることができませんが、病気による変色の場合は食べても問題ありません。ただし、品質は落ちている場合がほとんどですので、大根本来の味や食感を楽しむメニューに使用するのは避けたほうがよいでしょう。
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