たらこと明太子の違いとは?辛さ以外に違いはある?

たらこと明太子の違いを聞かれて、説明することはできますか?なんとなく「辛い方が明太子」というイメージがありますが、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。わかりやすく解説します。

目次

どちらも「スケトウダラの卵巣」から作られている

たらこと明太子は、どちらも同じ「スケトウダラの卵巣」から作られています。一般的に「たらこ」は塩漬けしたもの、「明太子」は唐辛子を含む調味液に漬けたものと区別されています。では、なぜこのような呼び方になったのでしょうか?

明太子の呼び名は、韓国発祥でスケトウダラの韓国語名「明太(ミョンテ)」に由来しています。「明太(ミョンテ)」の子(卵巣)なので、「明太子」と呼ばれるようになりました。17世紀から18世紀に朝鮮半島で広まり、昭和初期には日本でも食べられるようになったそうです。ちなみに韓国の明太子は「明卵漬(ミョンナンジョ)」と呼ばれています。

国産たらこは、スケトウダラの漁獲量の多い北海道が主な産地で、昭和中期までは「たらのこ」と呼ばれていました。そこから次第に「たらこ」の呼び方で呼ばれるようになったようです。現在は北海道での漁獲量が減っているため、アラスカなどで漁獲されたスケトウダラの卵を冷凍状態で輸入し、日本で加工されたものを主に販売しています。

このように、「明太子」の呼び名は韓国由来、「たらこ」の呼び名は日本由来のものです。

また、現在ではそれぞれを区別するため「(辛子)明太子」と「たらこ」で名称が分けられています。

たらこと明太子の違い

続いて、「たらこ」と「明太子」の違いについて、具体的にどんな違いがあるのかを解説します。主な違いは「唐辛子の量」と「原材料」の2つにあります。

唐辛子の量

前述のとおり、たらこはスケトウダラの卵巣を塩蔵したもので、明太子はスケトウダラの卵巣を塩蔵し、唐辛子を含む調味液に漬け込んだものです。そのため、“唐辛子が入っているかどうか”が大きな違いといっていいでしょう。

メーカーによって使用している唐辛子の種類や調味液が異なるので、辛さや風味はさまざまです。唐辛子は辛さだけでなく香りも種類によって少し違うため、その違いも注目して食べ比べてみると面白いかもしれません。

原材料の違い

こちらも前述の通り、基本的にはどちらもスケトウダラの卵巣が原材料です。
ただし、たらこには腹子が大きいマダラの卵巣を使った「真たらこ」と呼ばれる種類もあります。
明太子については、「辛子明太子」という名称は「スケトウダラの卵巣を使ったものにしか使用できない」という規約があるため、マダラやほかの卵巣を使ったものを辛子明太子と呼ぶことはありません(※)。

※出典:辛子めんたいこ食品の表示に関する公正競争規約

韓国と日本の辛子明太子は似て非なるもの

韓国の伝統的な明太子はキムチなどに漬け込まれているのに対して、日本の明太子はみりんや鰹節、昆布などを用いた調味液に漬け込んで、日本人の味覚に合うように改良されています。福岡の辛子明太子メーカー「ふくや」の創業者が韓国の明太子を持ち帰り、改良を何度も重ねて現在の明太子の味を作ったと言われています。

また、そのときに商標登録をせず、いろんな人が明太子を作って販売するようになったことから明太子が福岡の名物になったそうです。タラといえば北の地で獲れるイメージですが、福岡で明太子が名物になったのにはこういった経緯があったようです。

卵の成熟具合によっても味は変わる

スケトウダラの卵は成熟過程によって呼び名が5段階に分けられており、「ガム子(未成熟)」「早真子(未成熟)」「真子(成熟)」「目付(過熟)」「水子(完熟)」で分類されます。明太子に最も適しているのは成熟状態の「真子」で、美味しく品質のいいたらこや明太子は、この「真子」が使われていることがほとんどです。反対に、あまり味のよくないものは未熟な「ガム子」を使っている可能性が高いようです。

美味しくないものに当たってしまった場合は、火を通して焼きたらこ・焼き明太子にするか、マヨネーズなどとあえて使ったりするのがおすすめです。

ちなみに、パッケージなどに書いてある「真子」「切れ子」「バラ子」は形状のことを指しています。「真子」はそのままの形のもの、「切れ子」は形がくずれていたり切れていたりするもの、「バラ子」は袋がなく粒(卵)だけのもののことです。

たらこと明太子、代用は可能?

結論から言うと、辛さの有無が気にならなければ代用可能です。前述の通り、たらこは「塩漬け」、明太子は「唐辛子入りの調味液漬け」で、辛さ以外にも多少風味は違いますが、原材料は同じスケトウダラの卵巣のため、代用して大失敗ということは少ないでしょう。

ただし、マダラの卵巣を使った「真たらこ」の場合、粒が大きく食感も少し異なるので注意してください。

明太子とたらこの違いを知って料理に活かそう!

原材料は同じであるものの、ルーツや製造方法が異なるたらこと明太子。その違いについて正しく理解しておけば、調理の際にも役立つはずです。たらこも明太子も料理の味わいを豊かにしてくれる食材なので、ご飯のおともとしてだけでなく、ぜひいろんなレシピで活用してみて下さいね。

参考文献 : 
かねふく公式サイト「めんたいこ物語」
全国辛子めんたいこ食品公正取引協議会HP「辛子めんたいこの話」
大山真理子「辛子明太子の製造方法」
東誉清永「塩たらこの製造方法及び塩たらこ、並びに辛子明太子の製造方法及び辛子明太子」
博多の味 やまや公式サイト 『「明太子」が完成するまで』
西日本シティ銀行『「明太子」誕生物語り』

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