もやしを生のまま食べるのはNG!管理栄養士が生食の危険性を解説

シャキシャキとした歯ごたえが魅力のもやし。「食感を残したい」「茹でて食べるのはちょっと面倒」と思い、生で食べられるかどうか気になったことはありませんか?しかし実際には、もやしの生食は推奨できません。もやしの生食の危険性について、管理栄養士が解説します。

目次

もやしは生のまま食べるのはNG!その理由は?

結論からいうともやしは生ではなく、加熱してから食べるべき食材です。生のままだと料理が食べにくい仕上がりになったり、最悪の場合食中毒の危険性もあるからです。

理由1. もやし特有の青臭さが残る

生のもやしには独特な青臭さがありますが、加熱することで低減し、食べやすくなるというメリットがあります。つまり、火を通した方が仕上がった料理の風味がよくなるというわけです。

シャキシャキとした歯ごたえを残したまま茹でる方法は、こちらの記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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※参照:もやし生産者協会「Q&A」

理由2. 食中毒を起こす可能性がある

もやしは発芽野菜(スプラウト)の仲間であり、豆から発芽した新芽を収穫して食べる食品です。原料になる豆は一般的にしっかりと洗浄されてから使用されますが、洗浄しても内部に入り込んだ細菌類が取り切れない可能性があります。こうして残った細菌類が食中毒を引き起こす原因となりうるのです。

もしも豆に細菌が残ってしまった場合、細菌が成長とともに繁殖することが考えられます。細菌やウイルスにも好まれる「暗くてジメジメとした場所」でもやしが育てられるためです。

実際に収穫後のもやしに多くの細菌が残っていたという報告もあります(※1)。これらの細菌は流水で洗っても取り切れなかったり、付着した水分によってより細菌が増殖してしまったりすることもあるようです。また、海外では実際に生のもやしが原因で集団食中毒が起こった事例もあります(※2)。

細菌とひと口に言ってもさまざまな種類のものが存在するため「細菌が付いているから食中毒が起こる」とは一概に言えません。しかし食中毒のリスクがゼロだと断言できないため、もやしを生で食べることは推奨されていないのです。

参照:※1 公益財団法人兵庫県体育協会兵庫県学校給食・食育支援センター「検査・食育だより No.228」 ※2 食品安全委員会「オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ)、ツイッターにて、もやしの安全な食べ方について注意喚起」,食品安全委員会「カナダ保健省、モヤシのリスクに関するファクトシートを公表」

生産時の衛生管理はバッチリ◎加熱すれば安心して食べられる

日本では、もやしの品質を保ち食中毒リスクを減らすため、農林水産省が国内の生産者に対して衛生管理指針を提示し、徹底するように推奨しています。また腸管出血性大腸菌(O157)やサルモネラ菌など、もやしに付着しやすい食中毒の原因菌は加熱によって死滅することもわかっています。

生のもやしには食中毒のリスクが少なからずありますが、しっかりと加熱すれば安全に食べられるため、かならず火を通してからおいしくいただきましょう。

※参照:農林水産省 消費・安全局「もやし生産における衛生管理指針」

腐ったもやしは加熱しても食べないで

もやしは加熱すれば安心して食べられますが、それは新鮮なもやしであることが前提です。腐ってしまったもやしはすでに雑菌が増えているおそれがあり、加熱しても食べることはできません。

以下のような特徴が見られるもやしは、残念ですが廃棄するようにしましょう。

  • 消費期限が切れている
  • 全体的にしなびており、根元や折れ口が茶色く変色している
  • 豆が黒ずんでいる(大豆もやしの場合)
  • 異臭がする

もやしは水分量が多く傷みやすい食材なので、購入したら早めに食べきるようにしてくださいね。

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※参照:大阪市中央卸売市場「もやし」,食品安全委員会「オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ)、ツイッターにて、もやしの安全な食べ方について注意喚起」

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