ほうれん草は茹でてから冷凍がおすすめ!冷凍するときのコツと手順

日持ちしにくいほうれん草は、気づくと冷蔵庫の中でしなびてしまったり、変色してしまったりすることも。ほうれん草を長期保存したいなら冷凍がおすすめです。この記事では、ほうれん草を上手に冷凍保存するコツと手順を解説します。

目次

ほうれん草は冷凍保存がおすすめ!鮮度を保って冷凍するコツ

ほうれん草は比較的足がはやい食材です。たとえば常温保存だと2日ほど、冷蔵保存だと1週間ほどしか鮮度を保つことができません。

購入当初にできるだけ近い状態で長持ちさせるためには、冷凍保存が最も適しています。鮮度を保って冷凍するには、次のポイントを守ることが大切です。

購入したらはやめに冷凍する

ほうれん草は緑黄色野菜のひとつで、ビタミンなどの栄養成分を豊富に含む食材です。ほうれん草は収穫直後から日ごとに品質が落ちていき、品質の劣化とともに栄養価も低下してしまいます。購入したらすぐに冷凍保存しましょう。

▼ほうれん草はビタミン以外の栄養素も豊富
ほうれん草には貧血予防に役立つ鉄分や、塩分の排出をサポートしてくれるカリウムも含まれています。「冷凍したりゆでたりしたほうれん草は栄養が少ない」という噂は本当なのか、管理栄養士の広田千尋さんに教えてもらいました。

ほうれん草にはどんな栄養があるの?調理による成分量の変化とおすすめの食べ方

緑黄色野菜であるほうれん草は身体にいいイメージがありますが、どのような栄養があるのでしょうか?また「冷凍ほうれん草は栄養が少ない」と聞いたことがある方もいるかもしれません。今回はほうれん草に含まれる栄養や期待できる効果、冷凍による栄養成分の変化などについて管理栄養士が解説します。

栄養を効率的に摂るなら茹でてから冷凍する

ほうれん草は茹でてから冷凍すると、酵素の働きがストップすることにより、ビタミンなどの栄養素の損失が軽減することが知られています。市販の冷凍ほうれん草もこの性質を利用して、ブランチングと呼ばれる加熱処理が行われるのが一般的です。そのため購入当初の栄養をできるだけ保ちながら保存するには、事前に茹でてから冷凍するのがおすすめです。

反対にほうれん草を生のまま冷凍した場合、調理に使う前にアク抜きをする手間がかかってしまいます。ほうれん草を食べやすくし、アクの成分である「シュウ酸」の摂りすぎを防ぐためには欠かせない下処理です。

参照:
辻村卓,荒井京子,小松原晴美,笠井孝正(1997).「冷凍あるいは凍結乾燥処理した野菜・果実中のビタミン含有量に及ぼす通年貯蔵の影響」『日本食品保蔵科学会誌』23(1) 35-40, 農研機構「青果物の鮮度に関する収穫後生理学」

▼ほうれん草のアク抜き方法はこちら
ほうれん草のアク成分である「シュウ酸」が残っていると、料理にえぐみをが出るだけでなく体内に結石が生じやすくなるリスクもあります。必ずアク抜きをして、美味しく安全にほうれん草をいただきましょう。

ほうれん草はアク抜き必須!手軽な方法とアクの成分「シュウ酸」について

ほうれん草はアク抜きをしてから調理するのが一般的です。このひと手間が必要な理由は、ほうれん草のアク成分「シュウ酸」を減らすことにあります。そこで今回はほうれん草のアク抜きの手順と、シュウ酸を摂るデメリットについて解説します。

ほうれん草の冷凍保存方法

ほうれん草の冷凍方法について、茹でてから冷凍する場合、生のまま冷凍する場合の2パターンにわけて紹介します。

茹でてから冷凍保存する場合【保存期間:約1ヶ月】

ほうれん草の色を保ち、できるだけ風味よく保存するには、基本的に茹でてから冷凍するのがおすすめです。また事前に茹でておくことで、使うときにアク抜きをする必要がなくなり、料理の時短につながります。

1. ほうれん草を洗う

ほうれん草は根元の先端を切り落とし、十字(細い場合は一文字)の切り込みを入れたら、根元部分を流水で洗い流しましょう。葉先は水をためたボウルの中で、振り洗いをします。

2. 鍋にお湯を沸かし、塩を加える。沸騰させている間に、ボウルに水を用意する

約2リットルのお湯に対し大さじ1/2の塩を入れます。また茹であがったほうれん草をすぐに冷やせるよう、お湯を沸かしている間にボウルに水を用意しておきましょう。

3. ほうれん草をかために茹で、冷水で冷やす

ほうれん草の茹で時間は1分半~2分半ほど。茹ですぎないようにしましょう。

まずはほうれん草の根元から鍋に入れ30秒~1分茹でます。その後、葉先まで沈めてさらに1分~2分茹でましょう。鍋から取り出したほうれん草はボウルに移し、水でしっかりと冷やします。

▼ほうれん草のゆで時間はどのくらい?
ほうれん草は火の通りが早いため、食感を活かしたい場合はゆで時間を短くするとシャキシャキになりますよ。ただし、アクやえぐみが残るので冷水にしっかりとさらすのを忘れずに。

ほうれん草のゆで時間は「40秒」がベスト!食感の違いやレンジ調理のやり方を管理栄養士が解説

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4. 水気を絞り、使いやすい長さに切る

冷めたら水気をしっかりと絞り、3~4cmほどの使いやすい長さに切ります。

5. ラップで小分けに包み、金属トレイの上にのせて一旦冷凍庫で凍らせる

1食分ずつラップで包んだら、金属トレイの上で急速冷凍させます。

6. ほうれん草が凍ったら、冷凍用保存袋に移し替えて冷凍庫に入れる

冷凍庫のにおい移りを防止するため、ほうれん草が凍ったらラップに包んだまま冷凍用保存袋に移し替えましょう。

解凍方法

味噌汁や炒め物に使うときは凍ったまま加熱調理しましょう。和え物やお浸しなどに使いたいときは自然解凍ではなく電子レンジで加熱解凍すると、ビタミンCの損失を抑えることができるのでおすすめです(※)。

※参考:井上 瑞穂,高橋 亜由美,久保加織 「ホウレンソウ中のビタミンC量の冷凍および解凍による変化」

生のまま冷凍保存する場合【保存期間:約1ヶ月】

茹でてから冷凍したものに比べ、保存中に色味が変化しやすかったり、解凍後の食感が落ちやすかったりするデメリットがありますが、生のまま保存することも可能です。

お湯を沸かしたり、茹でたりする手間が省けるため、下ごしらえする時間がないときにはこちらの方法を活用してみてください。

1. 全体を丁寧に洗い、食べやすい長さに切る

2. キッチンペーパーで水気をしっかりと拭き取ってから冷凍用保存袋に入れ、冷凍庫に入れる

およそ1ヶ月持つといわれますが、おいしく食べるためにもできるだけはやく調理に使うように心がけましょう。

解凍方法

凍ったまま調理に使います。生のほうれん草にはシュウ酸が含まれるため、かならずアク抜きしてから食べるようにしましょう。

▼キッチンペーパーでほうれん草の冷蔵保存も可能!
キッチンペーパーを使うと、ほうれん草のみずみずしさを損なわずに冷蔵できます。料理に使うペースや、冷蔵庫の保存スペースを考えながら、冷凍と冷蔵を上手に使い分けましょう。

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冷凍ほうれん草を使ったおすすめレシピ

最後に、冷凍ほうれん草を使うのにおすすめのレシピをいくつか紹介します。

牡蠣とほうれん草のグラタン

牡蠣(加熱用)、ほうれん草(茹でたもの、もしくは冷凍)、バター、ホワイトソース缶、ピザ用チーズ、片栗粉

調理時間:20分

カキとほうれん草のゆずこしょうパスタ

カキ(加熱用)、ほうれん草、スパゲティ、にんにく、○めんつゆ(3倍濃縮)、○ゆずこしょう、塩・こしょう、バター

調理時間:20分

焼き油揚げとほうれん草のポン酢和え

ほうれん草、油揚げ、○ポン酢、○柚子胡椒、○ごま油

調理時間:10分

ほうれん草は茹でてから冷凍することでおいしさ長持ち!

傷みやすいほうれん草は、冷凍保存するととても使い勝手がよくなります。劣化を抑えるためにも、できるだけ事前に茹でてから冷凍するのがポイントです。冷凍ほうれん草を常備しておくと、料理の彩りに少しだけ使いたいというときにも活躍してくれますよ。今まで冷凍保存したことがない方も、ぜひ一度お試しください。

▼ほうれん草は生食できるの?
ほうれん草には結石の原因になる「シュウ酸」が含まれているので生食はNG。炒め物に使う場合でも下茹でをして水にさらしましょう。

ほうれん草、生で食べたらダメ!冬が旬の栄養満点“買い”野菜

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▼旬のほうれん草は栄養も増える!?
冬のほうれん草は甘みを多く蓄えており、ビタミンCの量も豊富です。旬のほうれん草の栄養について、管理栄養士の広田千尋さんに教えてもらいました。

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