え、”丸ごと”はNG?【じゃがいも】「ふにゃふにゃ大失敗」を防ぐ「冷凍ワザ」徹底検証

肉じゃがやカレー、ポテトサラダにコロッケと、さまざまな定番料理に活躍するじゃがいも。じゃがいもはコツを知っておくと、おいしく冷凍ができます。この記事では、じゃがいもの冷凍保存のコツや、実際に3パターンの方法で冷凍して食べ比べた結果などを紹介します。

目次

じゃがいもはマッシュして冷凍するのがおすすめ

じゃがいもは加熱してからマッシュ(潰した)ものを冷凍するのがおすすめです。

じゃがいもは冷凍すると、ぐにょぐにょ、パサパサとした食感に変わることが多くあります。ほかの野菜を冷凍した場合に比べると食感の変化が大きいため、冷凍には不向きです。

じゃがいも入りのカレーや肉じゃがなど、出来上がった料理を冷凍する場合も同じ理由から向いていません。

加熱してマッシュしたものであれば食感の変化を感じづらく、そのまま料理に使っても違和感なく食べられます。解凍後はポテトサラダやコロッケなど、潰したじゃがいもを使うメニューに使えます。

じゃがいもは常温で3~4ヶ月保存できる

冷凍したじゃがいもの保存期間は1ヶ月程度ですが、常温であれば3~4ヶ月と長く保存できます。

長く保存したい場合は常温保存し、調理時間を短縮したい場合はまとめて調理しておき冷凍保存するなど、使い分けるとよいでしょう。

常温で保存する場合、暗くて風通しのよい場所を選び、新聞紙で包んでおくだけでOKです。3~4ヶ月は目安の保存期間なので、じゃがいもの皮がやわらかくなってくるなど、様子に変化が見られ早めに使い切るようにしましょう。

じゃがいもの常温保存の方法について、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

じゃがいもはどのくらい日持ちする?正しい保存方法を管理栄養士が解説

じゃがいもは長持ちするといいますが、具体的にはどのくらい日持ちするのでしょうか? この記事では、じゃがいもを保存するときのポイントや、じゃがいもの日持ち、正しい保存方法について解説します。 日持ちは常温・冷蔵・冷凍・調理後のパターンに分けて詳しく解説するので、参考にしてみてくださいね。

じゃがいもをマッシュして冷凍する方法(保存期間:1ヶ月)

じゃがいもを潰して冷凍する手順を紹介します。

まずじゃがいもを加熱し、フォークやマッシャーなどを使って潰します。

加熱方法は、電子レンジで加熱しても、鍋で茹でてもどちらでもOKです。電子レンジの場合は、水気がついた状態のじゃがいもを丸ごとラップで包み、600Wで約3分加熱し、粗熱が取れたら手で皮を剥きます。鍋で茹でる場合は、じゃがいもを一口大に切り、6~8分ほど茹でてください。

潰したじゃがいもの粗熱が取れたら、小分けにしてラップで包み、冷凍用保存袋などに入れて冷凍します。

解凍方法

解凍は冷蔵庫で自然解凍するか、電子レンジで加熱します。自然解凍したものはそのまま料理に使えます。

電子レンジで解凍する場合は、じゃがいも1個分あたり電子レンジ(600w)1分30秒~2分が目安です。

マッシュして冷凍したじゃがいもの食感や味わい

マッシュして冷凍したじゃがいもは、本当においしく食べられるのでしょうか?

一晩しっかり凍らせたものを電子レンジで解凍して食べてみました。

食感や味わいについて、とくに気になる変化はありません。しいて言えば、冷凍する前のものに比べると、ホクホク感がやや少なくなっているかな?という程度です。

このままでもおいしく食べられたので、ポテトサラダやコロッケなど、さまざまな料理に使えるでしょう。

【検証】冷凍したじゃがいもの食感はどう変わる?

「冷凍したじゃがいもはおいしくない」というものの、実際はどうなのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか?

実際に、冷凍したものを食べ比べてみて食感の変化や味わいを確かめてみました。

検証したのは以下の3パターンです。

1.芽を取り丸ごと生で冷凍
2.カットして生で冷凍
3.カットして茹でて冷凍

今回は「ホクホク感」が特徴の男爵という品種を使っています。どの場合も、一晩しっかり冷凍したものを電子レンジで解凍・加熱しました。

冷凍していない茹でたじゃがいも

冷凍したものを食べ比べる前に、冷凍していないじゃがいもの味わいも確かめておきます。これはくし形に切り、茹でたものです。

じゃがいもを指でつまんでみても、固さがあり、ぐにゃりと曲がることはありません。

ホクホクとした食感で、じゃがいもの甘さや風味を感じます。当然ではありますが、いつも食べているじゃがいもの味で、このままで十分おいしく食べられました。

1.芽を取り丸ごと生で冷凍

まずは丸ごと冷凍したじゃがいもです。よく洗い、芽を取ったものをラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍しました。解凍・加熱は電子レンジ(600w)で2分30秒行っています。

解凍したものはじゃがいもから水分が多く出ていました。指でつまんでみると、ぐにゃりとやわらかく、水分がにじみ出てきます。

半分にカットしてみました。力を入れなくても、ぶよぶよしているのが分かります。

食べてみると「ぐにょ、ねちゃ」っとした食感です。ガシっとした歯ざわりがあり、固さも感じます。味わいは、なぜか土臭いような、泥臭いような味がします。本当にじゃがいもなのだろうか?と思ってしまうほどの変化です。

そのまま食べたあとはポテトサラダにしてみましたが、固いため潰しにくく、口当たりもよくありませんでした。土臭さはマヨネーズやこしょうの風味で少々まぎれましたが、いつものポテトサラダに比べると違和感のある仕上がりになりました。

2.カットして生で冷凍

次は生のじゃがいもを切って冷凍したものです。くし形に切り水にさらしたあと、水気をふき取り、ラップで包んでから冷凍用保存袋に入れて冷凍しています。

解凍・加熱はじゃがいも1個あたり、電子レンジ(600w)で1分30秒ほど行いました。

指でつまんでみると、やわらかく、ぐにゃりと曲がります。

食べてみると、丸ごと冷凍したものに比べると程度は軽いものの、やはり「ぐにょ、ねちゃ」っとしています。もちろんホクホク感はありません。固さもあり、ガシガシ、パサパサといった歯ごたえです。

土臭さのような風味は、丸ごと冷凍したものに比べると少ないですが、若干の臭みを感じました。

こちらも余りをポテトサラダにしてみましたが、やはり食感の悪いポテトサラダになり、いつものポテトサラダが恋しい気持ちになりました。

3.カットして茹でて冷凍

最後は、カットしたじゃがいもを茹でて冷凍したものです。くし形に切り水にさらしたあと、お湯で5分ほど茹でています。粗熱が取れてから水気を取り、ラップで包んで冷凍用保存袋に入れ、冷凍しました。

解凍はじゃがいも1個あたり、電子レンジ(600w)で1分~1分20秒ほど行っています。

指でつまんでみると、やはりぐにゃりと曲がります。ですが、生のまま冷凍したものに比べると、固さが少し残っています。

食べてみると、若干の「ねちょ」っと感はあるものの、少しホクホクとした食感が残っていました。臭みなどはなく、じゃがいもの素材の味を感じられます。

食感の変化は多少あるものの、生のまま冷凍したものに比べると断然おいしく食べられました。「じゃがいもの食感が少しくらいなら変わってもよい」という場合であれば、この方法はおすすめできそうです。

くし形に切り素早く冷凍させることで、じゃがいもの繊維を壊し過ぎないようにできたのが良かったのかもしれません。炒め物に使えるくし形でなく、うすいいちょう切りにしてみそ汁やスープ用に使うのもよさそうです。

【まとめ】茹でてから冷凍なら、場合によってはアリ!

今回検証した、

1.芽を取り丸ごと生で冷凍
2.カットして生で冷凍
3.カットして茹でて冷凍

の中では「3.カットして茹でて冷凍」が一番おいしく食べられました。素早く冷凍されるよう工夫すれば、マッシュせずに冷凍して大丈夫そうです。

生のまま冷凍したものは食感の変化が大きく、やはり冷凍に向かないことが分かりました。生のままで長持ちさせたいなら、常温保存の方がよいでしょう。

じゃがいもの冷凍はコツを知っておいしく冷凍しよう!

毎日の料理の定番のじゃがいもは、工夫すればおいしく冷凍ができます。冷凍保存する際は、今回の冷凍保存のコツや検証結果を参考にしてくださいね。

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