パイナップルは熱したらダメ!?生食がおすすめな理由「栄養・効能の変化」を管理栄養士が解説

パイナップルは栄養豊富で、健康や美容にも良いと聞きますよね。生のパイナップルだけでなく、カットされたものや缶詰、冷凍のものなども、変わらず良いのでしょうか?今回はパイナップルに含まれる栄養素や期待できる効能、加工による栄養成分の変化などについて、管理栄養士が解説します。

目次

パイナップルの栄養と期待できる効能

パイナップルはビタミンCやカリウム、食物繊維などさまざまな栄養素を含みます。これらの栄養素に期待できる効能はどのようなものがあるのでしょうか。

美肌作りに欠かせない「ビタミンC」

ビタミンCはコラーゲン生成に欠かせない栄養素で、皮膚を健やかに保ちます。ほかにも抗酸化作用があり、老化の原因となる活性酸素の働きを抑え、細胞を保護してくれる働きもあります。美肌作りのためにも、意識して摂りたい栄養素です。

むくみ解消に役立つ「カリウム」

カリウムは余分なナトリウムを排出する働きがあります。ナトリウムの摂りすぎが原因となるむくみ解消にはぴったりの栄養素です。

また血圧を下げる働きもあるため、高血圧の対策にも役立ちます。

便秘対策に摂りたい「食物繊維」

食物繊維は腸の中で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えてくれる働きがあります。また食物繊維の不足は便秘の一因となるため、便秘対策にしっかり摂りたいものです。

消化を助けてくれる「ブロメライン」

パイナップルには「ブロメライン」というたんぱく質消化酵素が含まれ、消化を助けてくれる働きが期待できます。

ブロメラインは加熱すると失活してしまうため、消化への効果を期待したいときは生の状態で食べるようにすると良いでしょう。

※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

加工により栄養成分はどう変わる?

カットパイナップルやパイナップルの缶詰の栄養成分値はどのように変わるのでしょうか。それぞれのパターンについて解説します。

カットされた場合

カットされたパイナップルがスーパーやコンビニなどで販売されていますが、栄養成分値の減少を心配しすぎる必要はありません。

ビタミンCなどの水溶性の栄養素が、カットされた後に水で洗い流すときに流れ出たり、果汁として流れ出たりすることは考えられますが、心配するほど大きな減少には繋がりにくいでしょう。

カットされたものは手軽に食べられるのが魅力です。積極的に活用しましょう。

冷凍された場合

市販の冷凍パイナップルは、急速冷凍され栄養成分が損なわれないよう工夫されています。

また冷凍後も、栄養価が長期間維持されることも知られているため、こちらも大きな心配は不要です。

スーパーやコンビニなどで手に入る冷凍パイナップルは、保存が効くのでフルーツを手軽に取り入れたいときに便利です。冷凍のものは比較的価格が安定しているため、フルーツが高価なときにもぜひ活用したいですね。

缶詰の場合

缶詰のパイナップルは、加工の際にビタミンCなどの栄養素が熱で壊れたり、シロップに流れ出たりしています。

生と缶詰、それぞれの100gあたりの栄養成分値を比較してみましょう。

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

食物繊維、カリウム、ビタミンC、いずれも缶詰の方が含有量が少ないことがわかります。またシロップ漬けにされているので、エネルギーや糖質の摂りすぎに繋がりやすいのも心配な点です。

缶詰は生の果物が高価で手に入りにくい時季に利用するなどして、普段は生の果物を取り入れるようにすると良いでしょう。

果汁100%ジュースの場合

パイナップルのジュースを栄養補給目的で取り入れるのはあまりおすすめできません。

たくさん飲むとエネルギーや糖質の摂りすぎになりやすいこと、食物繊維が含まれないこと、噛んで食べる必要がないため満足感を得られにくいことなどが、おすすめしにくい理由です。

ジュースはあくまで嗜好品として適量楽しむ程度にしておき、果物をとるなら生のものを食べるようにしましょう。

加熱する場合

酢豚や炒め物など、パイナップルを加熱して食べる場合、ビタミンCなどの熱に弱い栄養素が壊れてしまう恐れがあります。また消化を助けてくれるブロメラインという酵素は、加熱により働きが失われてしまいます。

パイナップルを加熱して食べる際は、サッと加熱するようにするのも良いですね。

【結論】取り入れるなら生のパイナップルがおすすめ!

ビタミンやミネラルなどの栄養をたっぷり摂れるパイナップルは、缶詰やジュースなどではなく、生のものを取り入れるのが良いでしょう。エネルギーや糖質の摂りすぎに繋がりにくく、栄養補給でき、満足感も得やすくなります。

生のパイナップルは、カットされたものでも、冷凍のものでも、取り入れやすいものでOKです。

パイナップルのおすすめの取り入れ方

パイナップルはどのように取り入れるのが良いのでしょうか?おすすめの取り入れ方をご紹介します。

ダイエット中の間食に

パイナップルは100gあたり54kcalと、果物の中でも比較的カロリーが低くなっています。ダイエット中などの間食に取り入れると、たっぷり食べても安心です。

果物の1日の目安量は、およそ200gとされています。パイナップル可食部200gの目安は、大きめのパイナップル4分の1個分ほどです。ほかの果物も食べるときは、あわせて200gになるように調整してくださいね。

ヨーグルトとあわせてとる

パイナップルに含まれる食物繊維は便秘解消に役立ちますが、ヨーグルトと組み合わせるとさらに効果を高められます。

食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなり、善玉菌が増えるのを助けてくれます。ヨーグルトに含まれる乳酸菌は腸内で善玉菌として働くため、一緒にとると効率が良い、というわけです。

朝食や間食に、パイナップルとヨーグルトを一緒にとるのも良いですね。

肉料理とあわせてとる

パイナップルに含まれるブロメラインは、肉類のたんぱく質の消化を助けてくれます。肉類がメインの食事のときに、パイナップルをデザートに添えたり、パイナップルで作ったソースとあわせたりするのもおすすめです。

繰り返しになりますが、ブロメラインは加熱に弱いため、なるべく生の状態で食べるようにしましょう。

ジューシーなパイナップル、ぜひ生で楽しもう!

パイナップルは生の状態で食べるとさまざまなメリットを得られます。ジューシーで甘酸っぱいパイナップル、ぜひ毎日の果物のレパートリーとして取り入れてみてくださいね。

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