バナナを毎日食べるのは危険?ダイエット・美肌効果や便秘改善について薬剤師が解説します

栄養が豊富で、健康に良いといわれているバナナ。お値段もお求めやすい価格帯で、年間を通して手に入りやすいことから日常的に食べている方も多いことでしょう。そんな折に「バナナを毎日食べてもいいの?」という疑問を感じたことはありませんか。
今回の記事では、「バナナを毎日食べること」について、現役薬剤師が解説します。バナナに含まれる栄養をより活かすため、正しくおいしく食べられるようにしていきましょう。

目次

バナナは毎日摂ってOK?

結論からいうと、バナナを毎日食べても問題ありません。問題はありませんが、日々適切な量を食べた方が良いでしょう。
一日の適切な量を知るため、バナナについて解説します。

バナナの栄養

バナナのエネルギーは1本(100g)当たり約93kcalです。
およそご飯1杯(150g)と、バナナ約3本分のカロリーが同等です。
また、食パン1枚(80g)と、バナナ約2.5本分のカロリーが同等です。

バナナ可食部100g当たりの栄養素は、下記の通りです。

カロリーが低いにもかかわらず、各種ビタミンや食物繊維、カリウム、マグネシウム、カルシウム、タンパク質、葉酸、鉄などが豊富に含まれているため、1本摂取するだけでさまざまな栄養素を得られます。

また、バナナは低GI食品なので、含まれる糖質の吸収が穏やかであるといわれています。果物の甘さはありますが、お菓子やケーキと比べてカロリーが低くタンパク質が豊富なので、持続的にエネルギーを保ちやすいといわれているのです。

※参考:文部科学省データリンク 日本食品標準成分表2020年版
農林水産省HP:https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/engei/attach/pdf/iyfv-50.pdf

▼バナナの栄養について詳しくはこちら
バナナにはエネルギー補給に欠かせないでんぷん・ブドウ糖などがバランスよく含まれています。そのほかの健康に役立つ栄養成分や期待される健康効果を、管理栄養士の藤倉詩織さんに教えていただきました。

バナナの栄養はエネルギー補給にぴったり!熟度による違いも解説

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バナナを毎日食べることで期待できる効果・効能

バナナを食べることで、次のような効果・効能に期待することができます。

便秘の改善

バナナは、便秘対策にとても効率よく栄養を摂取できます。
バナナには水溶性・難溶性食物繊維がバランス良く含まれています。また便をやわらかくしてくれるマグネシウムも含まれているので、綺麗な便になり排便症状が改善しやすくなります。
ある研究(※参考①)では、バナナ摂取により善玉菌の増加、望ましくないと考えられている悪玉菌の減少がみられたという結果が出ています。便秘は肌荒れや睡眠障害、自律神経のバランスにとても影響してしまうので、バナナで便秘改善を目指しましょう。

※参考①:バナナの長期摂取がヒト腸内フローラおよび血液生化学に与える効果の研究 ランダム化並行群間比較試験 薬理と治療 (0386-3603)49巻2号 Page259-269(2021.02

美肌効果への期待

バナナには綺麗なお肌になるための、ビタミンやタンパク質、鉄分が豊富にふくまれています。また、便秘は肌荒れになりやすくなるので、便秘を解消することで美肌に近づくことができます。

▼バナナに含まれる“カリウム”にはむくみ予防効果も
カリウムにはナトリウム(塩分)の排泄を促し、体内の水分量のバランスを正常に保つ働きがあるので、むくみの予防・解消に役立ちます。

バナナにはカリウムがたっぷり!注目の働きと、過剰摂取のデメリットを管理栄養士が解説

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ダイエットのお供に

バナナは効率よく栄養を摂れるので、ダイエットのお供にオススメです。

最近の研究(※参考①)では、BMIが24以上の方が4週間継続してバナナを摂取したことでBMIが有意に減少したという報告が出ています。また、便秘もダイエットの大敵です。便秘を解消することで、効率よくダイエットを進めることができるでしょう。

※参考①:バナナの長期摂取がヒト腸内フローラおよび血液生化学に与える効果の研究 ランダム化並行群間比較試験 薬理と治療 (0386-3603)49巻2号 Page259-269(2021.02

▼バナナダイエットは本当にやせる?
本当にバナナを食べるだけで体重を落とすことができるのでしょうか?バナナダイエットの効果やデメリットを管理栄養士が解説します。

バナナダイエットの効果の実際は?健康的に減量するコツも解説

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バナナを毎日食べる際に気を付けたいこと

メリットの多いバナナですが、一方で食べ過ぎ等によるデメリットもあります。

最近の研究(※参考②)では尿酸値が上がる可能性が示唆されていますので、尿酸値を下げる乳酸菌(ヨーグルト)やポリフェノールを多く含む食品(チェリー、ブルーベリー、スモモ、イチゴ、ブドウなどの果物、コーヒー、ワイン、チョコレート、ココア、大豆食品など)と一緒に摂ることで、尿酸値が上がることなく健康的に摂れます。

また、食べ過ぎはカロリーオーバーになるので、1日1~2本を目安に摂るようにしましょう。

※参考②:血清尿酸値の低下作用が示唆される食材および食材に含まれる物質の作用機序 痛風と尿酸・核酸 (2435-0095)45巻1号 Page13-21(2021.07)
厚生労働省HP:https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0326-10l-008.pdf

▼バナナのデメリットについて詳しく解説
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バナナダイエットの取り入れ方

バナナは糖質の吸収が比較的緩やかで、エネルギー消費の効率がとても良いので、朝食として摂ると良いと考えられます。
また、ついつい甘い物を食べたくなりお菓子を食べてしまう方は、その代わりにバナナを食べると良いでしょう。

▼バナナダイエットのコツはこちら
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バナナの農薬は大丈夫?

農薬は主に果皮に含まれ、果肉に含まれる量は果皮濃度の1/100程度です。
これは食品衛生法の残留基準値に則り、定期的に厚生労働省の検査もされています。そのため、安心して食べられるでしょう。
もし気になる場合は、栄養分布が果皮に一番近い、バナナの端部分を約1cmほど捨ててから召し上がってください。

※参考:LC-MS/MSによる果実中の防カビ剤の同時分析法の開発と残留実態調査 人間生活文化研究 (2187-1930)26号 Page440-442(2016.12)
農産物中の残留農薬検査結果等の公表について 厚生労働省HP 

バナナのおいしい食べ方3選

皮をむいて生のまま食べてもおいしいバナナですが、ひと手間加えることでよりおいしく食べることができます。

スムージー

尿酸値を上げにくくするヨーグルトや豆乳、ベリー系の果物、野菜などと一緒にスムージーにすることで、バナナの栄養を効率良く摂ることができます。また、プロテインも混ぜればタンパク質も摂取できます。朝ごはんや間食におすすめです。

バナナケーキ

ホットケーキミックスや豆腐等と混ぜて焼けば、おいしいバナナケーキの出来上がりです。一味違うバナナを楽しみましょう。

焼きバナナ

バナナを保存するため、冷凍庫に入れている方も多いですよね。そんな時は、焼きバナナにしてシナモン等をかけてみてはいかがですか?あたたかく甘さ引き立つ、ちょっと変わったバナナを楽しめます。

適量ならバナナは毎日食べても大丈夫!

今回の記事では、「バナナを毎日食べること」について、現役薬剤師が解説しました。
バナナは便秘改善や美肌効果への期待などのほか、身体にやさしくダイエットにも効果的なことが分かりましたね。バナナを毎日の生活に取り入れて、より健康的な身体を目指しましょう。

▼美肌効果が期待できる野菜“パセリ”
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