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オートミールの栄養が「すごい」といわれる理由と成分について管理栄養士が解説します
「オートミールは栄養豊富」と聞いたことのある方も多いでしょう。
しかし、具体的に何がどう「すごい」のか、その理由については知っていますか?
また、オートミールだけで、栄養は完璧なのでしょうか。
今回の記事では「オートミールの栄養」「注意点や食べ方」について、管理栄養士が解説します。
オートミールの栄養が「すごい」理由【ほかの主食より栄養豊富】
オートミールの栄養がすごいといわれるのは、以下の理由があります。
【オートミールの栄養がすごい理由】
・ほかの主食に比べ、食物繊維や鉄、カルシウムなどが豊富
・オートミールと似た玄米よりも栄養豊富
・ほかの主食より糖質が少ない
オートミールは「オーツ麦(えん麦)」の外皮を残したまま加工されているため、外皮の栄養もたっぷり含まれています。
玄米も外皮ごと食べられる主食ですが、玄米より栄養価が優れています。
また糖質の量が少なく、カロリーも低いのも魅力とされている点です。
具体的な栄養成分値を見てみましょう。
【1食あたりの比較】
たとえば玄米と比較すると、食物繊維、カルシウム、鉄はいずれも約1.3倍の量であり、反対に糖質は1/3、カロリーは1/2以下です。
オートミールはカロリーや糖質を抑えながらも、効率的に栄養補給できる主食といえます。
またオートミールは離乳食期の赤ちゃんも食べられるため、赤ちゃんから高齢者まで、幅広い年代の健康づくりに役立ちます。
▼実はカロリーが高いって本当?
オートミールの気になる疑問をプロの管理栄養士が解説します。
オートミールはダイエットにもおすすめ
糖質やカロリーを抑えられるオートミールは、ダイエット中の主食にぴったりです。
腹持ちがよいため、ダイエット中でもつらい空腹を我慢しなくてよいのもメリットです。
たとえば毎日2食分の主食を白米(150g)からオートミール(30g)に変えると、258kcalカットできます。
体脂肪1kgは約7000kcalであるため、毎日続けると1ヶ月で約1kg痩せられる計算です。
オートミールのダイエット効果について、こちらの記事で詳しく解説しています。気になる方はチェックしてみてください。
オートミールの栄養と期待される効能
オートミールに含まれる栄養素には、具体的にどのような効能が期待されるのでしょうか。
詳しく見てみましょう。
腸活に取り入れたい「食物繊維」
食物繊維は便の材料となり、腸を刺激して排便を促してくれます。
また善玉菌のエサとなり、善玉菌が働きやすい環境を作り、便秘の対策に役立ちます。
オートミールは腸活にぴったりな食べ物といえるでしょう。
貧血の予防に「鉄」
鉄は鉄欠乏性貧血の予防に欠かせません。
鉄は血液中のヘモグロビンの材料となり、不足すると息切れやめまい、頭痛、疲れやすさなどの貧血の症状があらわれる原因となります。
強い骨を作る「カルシウム」
カルシウムは骨の材料となり骨を強くする働きがあります。
成長期の子どもから、骨粗しょう症を予防したい大人まで、さまざまな年代で取り入れたい栄養素です。
オートミールと牛乳やヨーグルトを組み合わせることで、さらにカルシウムを強化できるでしょう。
オートミールの栄養は完璧?【栄養不足や栄養失調の心配はないの?】
オートミールの栄養が優れていることをお伝えしましたが、オートミールさえ食べていれば栄養面の心配はないのでしょうか?
答えはNOです。
栄養豊富とはいえ、オートミールだけでは栄養が不足します。
【オートミールで不足しやすい栄養素】
たんぱく質、脂質、ビタミンC、ビタミンAなど
これらの不足により、栄養失調も心配な状態になってしまいます。
どの食べ物にもいえることですが「それだけ食べていれば健康になれる」というものはないため、さまざまな食べ物をバランスよく食べることが大切です。
たとえば、以下の食べ物を組み合わせると、オートミールに不足がちな栄養素を補えます。
・たんぱく質、脂質:牛乳、ヨーグルト、卵、肉、魚など
・ビタミンA:卵、ほうれん草、にんじん、かぼちゃなど
・ビタミンC:キウイフルーツ、いちご、オレンジ、ブロッコリー、ピーマンなど
また、オートミール以外の食事でも、バランスよく食べることを心がけましょう。
栄養豊富なオートミールはどう食べる?知っておきたいポイント4つ
栄養豊富なオートミールを取り入れてみたいと思う方の中には「どうやって食べるとよいの?」「おいしくないのでは?」などさまざまな疑問を持つ方もいるでしょう。
初めてオートミールを食べる方が知っておきたいポイントを4つご紹介します。
▼オートミール入門編
初心者におすすめなのは、扱いやすい「クイックオーツ」か「インスタントオーツ」です。調理時間も1〜2分と短く、さまざまな食べ方ができます。
オートミールを取り入れる際のコツや注意点を詳しく解説します。
初心者は「クイック」または「インスタント」がおすすめ
オートミールにはさまざまな種類があり、種類によって味わいや食べ方が変わってきます。
初心者におすすめなのは「クイック」または「インスタント」タイプです。
この2つなら、比較的クセが少なく、また加熱加工されているため火を通さずにシリアルのように食べられます。
スーパーで売られているオートミールの大半がこのタイプのため、手軽に取り入れやすいでしょう。
見分け方は、パッケージを確認するとわかります。
・「クイック」または「インスタント」と書かれている
・加熱せずにそのまま食べられると書かれている
またおすすめのオートミールについてはこちらの記事でも紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
牛乳やヨーグルトと一緒にすると食べやすい
オートミールは、シリアルのように牛乳やヨーグルトとあわせるのがおすすめです。
食べやすく、簡単に取り入れやすい食べ方です。
牛乳やヨーグルトをかけてすぐに食べると、さらっとした食感を楽しめますが、しばらく置いておくとお粥のようなどろっとした食感になります。
またオートミールは基本的に味付けされていないため、お好みで砂糖やはちみつ、メープルシロップなどとあわせて食べます。
ほかにもナッツやフルーツなどと組み合わせるのもおすすめです。
米化すると食べやすくなる
オートミールは麦の香りや食感にクセがあり、苦手に感じる方もいます。
そのときは「米化」して、味付けして食べると比較的食べやすくなります。
炒飯やおにぎりにするなら、オートミール30gに対し水50mlほどを入れて電子レンジで1分ほど加熱すればOK。
これでご飯のようになるため、あとはいつも通りに作ればできあがります。
または和風や中華風の雑炊や、洋風のリゾットもおすすめですよ。
タイミングは朝がおすすめ
オートミールを食べるタイミングは、朝がおすすめです。
オートミールは食物繊維が豊富であるため腹持ちがよく、朝に取り入れると満腹感が持続し、間食や次の食事の食べすぎを防いでくれる効果が期待できます。
特にダイエット効果を期待したい方は、まずは朝に取り入れてみましょう。
▼おすすめオートミールレシピ
基本のおかゆからトルティーヤ、クッキーまで美味しく食べられるアレンジレシピを伝授します。
オートミールを取り入れる際の注意点【栄養豊富だが食べ過ぎ注意】
オートミールを取り入れる際に注意したいのは「食べすぎ」です。
オートミールは食物繊維が豊富であるため、食べすぎることでデメリットとなる恐れもあります。
食物繊維の摂りすぎは、かえって便秘を引き起こしたり、栄養素の吸収を妨げてしまったりすることが知られています。
大人であれば、パッケージに記載されることの多い1食あたり30〜40gを目安にすると、食物繊維の摂りすぎの心配を減らせるでしょう。
離乳食に使う場合は、1食5〜15g前後で使われることが多いのですが、赤ちゃんの様子を見ながらとりすぎにならないよう気を付けましょう。
▼食べ過ぎ注意!オートミールダイエットの落とし穴
1食あたりの目安やトラブル回避の方法を解説します。
オートミールは栄養豊富!注意点を守って取り入れよう
今回の記事では「オートミールの栄養」「注意点や食べ方」について、管理栄養士が解説しました。
食物繊維や鉄、カルシウムなどの栄養素が豊富で、糖質の量を抑えたいときにもぴったりなオートミール。
手軽に取り入れられるのも魅力な点です。
ぜひさまざまな食べ方で楽しみながら、ダイエットや健康づくりに役立ててくださいね。
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