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「チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出る」はウソだった!?食べ過ぎによる症状と対策【薬剤師が解説】
チョコレートの食べ過ぎによる”ニキビ”や”鼻血”は本当?症状や対策を薬剤師が解説
【リード】
バレンタインデーの時期は、店頭にも多くのチョコレートが並び、ついつい食べすぎてしまうという人は多いのではないでしょうか。
また、普段からコンビニ等でも簡単に購入でき、疲れた日につい食べすぎてしまう、なんてことも。
そこで今回は、チョコレートはどのような影響があるのか、チョコレートを食べ過ぎた時の症状などについて、現役薬剤師が解説します。
チョコレートを食べ過ぎた時の症状
チョコレートを食べ過ぎるとどのような影響が出やすくなるのか、症状別に解説します。
肌荒れ・ニキビ
チョコレートは肌荒れやニキビの原因となる糖質と脂質を多く含んでいます。糖質や脂質を多く摂ると、体の代謝の負担になります。それにより皮膚のバリア機能の低下が起こりやすくなり、肌荒れやニキビができやすくなります。
アレルギー
糖質(甘いもの)は体の様々なホルモンバランスに影響します。特に副腎皮質から放出されているコルチゾールに影響します。コルチゾールは別名ストレスホルモンとも呼ばれ、体のストレス反応に関係し、免疫力、抵抗力に関係しています。
チョコレートを食べ過ぎることで血糖値の変動から体に負荷がかかり、コルチゾールが分泌しにくくなります。そしてアレルギー症状が出やすくなります。
またチョコレートには様々な物質が含まれているため、それらにアレルギー反応が出てしまうことがあります。少量でアレルギー反応が出なくても、食べ過ぎることで症状が現れることがあるので注意しましょう。
睡眠不足
チョコレートにはカフェインが含まれています。特に高カカオのチョコレートや抹茶味のチョコレートには、通常のチョコレートに比べてカフェインの含有率が高いことが分かっています。普段からコーヒーや紅茶などで夜が眠りにくくなる方は、夕方以降のチョコレートを控えるようにすると良いでしょう。
頭痛
チョコレートにはカフェインなど様々な物質が含まれています。体質にもよりますが、チョコレートを食べ過ぎると頭痛、片頭痛という症状が出やすくなることが分かっています。普段から頭痛を起こしやすい方は、適度に摂るようにしましょう。
頻尿
チョコレートに含まれるカフェインやテオブロミンは利尿作用があり、トイレが近くなったり、頻尿になる可能性があります。
倦怠感・疲労感
チョコレートなどの糖質が含まれているものは、疲労や集中力の減少を感じた時に摂ると効果的です。しかし食べ過ぎると血糖値やホルモンバランスが乱れて体のストレスになり、逆に倦怠感・疲労感につながりやすくなります。適度に摂るようにしましょう。
肥満
チョコレートに含まれる糖質や脂質はエネルギーとして消費されないと、中性脂肪として体に蓄積され太りやすくなります。日頃から必要以上のチョコレートを取り続けると肥満の原因になりやすく、寿命を短くする可能性があります。
参考:厚生労働省「肥満と健康」
糖尿病
チョコレートなどの糖質を摂り過ぎて高血糖の状態が続くと、血糖値を下げる働きに負荷がかかってしまい糖尿病になる原因となります。
糖尿病は、それに付随して起こる網膜症・腎臓病・神経障害、血管の動脈硬化を誘発するため、心臓病や脳卒中のリスクを高めてしまいます。
日頃からチョコレートを食べすぎている方、健康診断で指摘されている方、ご家族に糖尿病をお持ちの方は注意が必要です。
参考:厚生労働省「糖尿病」
自律神経失調
チョコレートを食べ過ぎることで血糖値が必要以上に変動すると、ホルモンバランスが乱れ自律神経の調整に疲れが出てしまいます。
自律神経やホルモンバランスを調節しにくくなると、自律神経失調の傾向になりやすくなります。チョコレートは一気に食べ過ぎず、少しずつ摂るようにしましょう。
冷え症
チョコレートは糖質や脂質が多く含まれているので、体の血流を悪くしやすいです。血流が滞ることで温かい血液や体液が循環せず、体が冷えやすくなります。
チョコレートを食べ過ぎると「鼻血が出る」は本当?
「チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出る」と聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?
チョコレートを食べることで血圧が一時的に上がると、弱っている鼻の血管を刺激し、出血してしまう場合があります。
普段から鼻血が出やすい方は元々の鼻の血管が弱っている、あるいは傷がついている場合があるので、食べる際は注意しましょう。
チョコレートを食べ過ぎないように、また症状が出ないようにするためには?
チョコレートには様々な症状を誘発する可能性があることが分かりました。では、症状が出ないように摂るにはどうすればいいののでしょうか。
チョコレートの選別
チョコレートにはたくさんの種類がありますが、中でも高カカオのチョコレートは他のチョコレートに比べて脂質が高く、カフェインや添加物も多く含まれています。チョコレートを多く食べてしまう人は、カカオ豆の含有率にも気をつけながら選んでみましょう。
参考:国民生活センター「高カカオをうたったチョコレート(結果報告)」
チョコレートの適切な摂取量
具体的な推奨されている摂取量はありませんが、チョコレート100gで1日に必要な脂質量に該当する場合があります。体に必要以上の脂質や糖質を摂り過ぎてしまう場合があるので、少しずつ摂るように心がけましょう。
チョコレートの食べ過ぎはさまざまな症状に繋がりやすい
現在、健康を促す謳い文句で販売されているチョコレートもありますが、食べ過ぎると逆効果になってしまう場合も。
健康を害する可能性もあるので、必要以上に摂り過ぎないよう注意してくださいね。