「コーヒーのカロリーはゼロ」はウソ!?ブラックからラテ、フロートまで【飲み方別カロリー・糖質量】を管理栄養士が解説

ブラックだけでなく、砂糖やコーヒーフレッシュを混ぜたり、カフェオレやカフェラテにしたりと、さまざまなアレンジが楽しめるコーヒー。

コーヒーにはどのくらいのカロリーや糖質が含まれているのでしょうか?
飲み方によって、どれだけカロリーや糖質量が変わってくるのかも気になるところです。

今回の記事では、「さまざまなコーヒーのカロリー・糖質量」「1日あたりのコーヒーの目安量」を管理栄養士が解説します。

目次

ブラックコーヒーのカロリー(エネルギー)・糖質の量

コーヒーは、100mLあたり4kcal、糖質は0.8g含まれます。

そのため、ブラックコーヒーをコーヒーカップ1杯(150mL)飲むと、カロリーを6kcal、糖質を1.2g摂ることになります。
アイスコーヒーでもホットコーヒーでも、カロリーと糖質の量は変わりません。

「ブラックコーヒーって0kcalじゃないの?」とおどろいた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、日本では「100mLあたり5kcal未満」であれば「ノンカロリー」「カロリーゼロ」と表示してもよいとされています。

「ノンカロリー」「カロリーゼロ」と表記のあるコーヒーであっても、正確には0kcalではないため気をつけましょう。

※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,東京都「栄養成分表示ハンドブック 食品表示基準に基づく栄養成分表示の方法等

コーヒーに混ぜるもののカロリー・糖質の量

苦みの強いコーヒーを自分好みの味わいに変えてくれる、砂糖やガムシロップ、コーヒーフレッシュ。
それぞれ1個あたりのカロリーと糖質の量を比較したのが以下の表です。

これらをブラックコーヒー(コーヒーカップ1杯:150mL)に混ぜると、どのくらいのカロリー、糖質量になるでしょうか。

いくつかの組み合わせについて以下の表にまとめました。

アイスコーヒーを飲むときに使うガムシロップは、1個あたり27kcal、糖質量は6.7gと、思いの外カロリーや糖質が多く含まれます。
そのため、コーヒーに混ぜたときのカロリーは33kcal、糖質の量は7.9gとなります。
ダイエット中であれば、ガムシロップの使いすぎには気をつけましょう。

ガムシロップに限らず、砂糖やコーヒーフレッシュもたくさん入れれば入れるほどカロリーや糖質の量も増えていきます。
気になる方は、今までよりも使う量を控えたり、コーヒーの飲む頻度を減らしたりして調整できると安心です。

※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,日新製糖「ガムシロップ」,キーコーヒー公式オンラインショップ「シュガーシロップ ポーション 10個入り」,UCC「UCC ガムシロップ 9g×8P

コーヒーを使ったドリンクのカロリー・糖質の量

続いて、コーヒーを使ったドリンク1人前あたりのカロリーと糖質の量を見てみましょう。

ここからドリンクの種類ごとに、カロリーと糖質の量について簡単に解説します。

カフェオレ

カフェオレはブラックコーヒーと牛乳を混ぜ合わせたものです。
コーヒーと牛乳を1:1の割合で作ると、コーヒーカップ1杯(150mL)あたりのカフェオレのカロリーは51kcal、糖質量は4.8gになります。

牛乳は脂質が含まれるため、比較的高カロリーな飲み物です。
コーヒーに混ぜる牛乳の量が増えるほど、摂取カロリーも増えてしまうため気をつけましょう。

カフェラテ

カフェラテには、ドリップコーヒーではなくエスプレッソが使われています。
エスプレッソとはコーヒー豆を専用の機械にセットし、圧力をかけながら抽出したものです。
ドリップコーヒーよりも味わいが濃いため、カフェラテを作るときは牛乳を多めに混ぜ合わせるのが一般的です。

エスプレッソと牛乳を1:4の割合で作ると、コーヒーカップ1杯(150mL)あたりのカフェラテのカロリーは82kcal、糖質の量は7.5gになります。

見た目はカフェオレとそっくりですが、牛乳が多く使われている分、カフェラテのほうがカフェオレよりもカロリーや糖質が高くなりやすいといえるでしょう。

ソイラテ

カフェラテの牛乳を豆乳に代えた飲み物がソイラテです。

エスプレッソと調整豆乳(豆乳に砂糖などで甘みを加えたもの)を1:4の割合で作ると、コーヒーカップ1杯(150mL)あたりのカロリーは84kcal、糖質の量は6.4gになります。

無調整豆乳を使うと、コーヒーカップ1杯あたりのカロリーは60kcal、糖質の量は4.7gと、さらにカロリーや糖質を抑えることができます。
しかし、無調整豆乳は大豆の風味が強いため、好みが分かれやすいでしょう。

無調整豆乳の飲みにくさから砂糖やガムシロップで甘みを足すと、その分カロリーや糖質は増えるため、入れすぎには気をつけましょう。

カフェモカ

カフェモカにはさまざまなレシピがありますが、定番はエスプレッソに牛乳とチョコレートシロップを混ぜたもの。
カフェラテにチョコレートシロップの甘さが加わったドリンクがカフェモカです。

エスプレッソ:牛乳:チョコレートシロップ=2:7:1の割合で作った場合、コーヒーカップ1杯(150mL)あたりのカロリーは89kcal、糖質の量は10.5gになります。

チョコレートシロップのカロリーが高く、糖質も多いため、チョコレートシロップを使うカフェモカは比較的カロリーや糖質量が高くなります。

コーヒーフロート

アイスコーヒーにバニラアイスをトッピングしたドリンクがコーヒーフロートです。コーヒーフロートはグラス1杯(コーヒー150mL+バニラアイス50g)あたり109kcal、糖質の量は12.9gです。

アイスクリームをトッピングすることで、ブラックコーヒーとして飲むよりも、カロリーは103kcal、糖質は11.7gほど多くなります。

ウインナーコーヒー

ウインナーコーヒーとは、ふわふわに泡立てたホイップクリームをコーヒーにのせたドリンクです。

ウインナーコーヒーのカロリーは、コーヒーカップ1杯(コーヒー120mL+ホイップクリーム30g+グラニュー糖5g)あたり148kcal、糖質は10.9gとなります。

ウインナーコーヒーのカロリーに大きく影響するのはホイップクリームです。カロリーをおさえたい場合には、ホイップクリームの量を控えてみましょう。

※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)

ほかの飲み物と比べるとコーヒーのカロリーは?

紅茶やお茶、ココア、ジュースなどの飲み物とコーヒーのカロリー・糖質の量を比較してみました。

100mLあたりのカロリーと糖質の量は以下のようになります。

コーヒーよりも紅茶(100mLあたり1kcal、糖質量0.1g)や麦茶(100mLあたり1kcal、糖質量0.3g)・緑茶(100mLあたり2kcal、糖質量0.3g)のほうが低カロリー、低糖質ですが、そこまで大きな差はありません。

一方で、オレンジジュース(100mLあたり46kcal、糖質量9.9g)やミルクココア(100mLあたり53kcal、糖質量9.3g)は糖類が含まれている分、コーヒーよりもカロリーは40kcal以上、糖質は8.5g以上高くなります。

※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)

ブラックコーヒーならたくさん飲んでもカロリーは大丈夫?

ブラックコーヒーにはカロリーや糖質があまり含まれていません。
だからといって、水分補給がわりにたくさん飲むのは控えましょう。
コーヒーを摂りすぎると、かえって体調不良を起こすおそれがあります。

コーヒーに含まれるカフェインは眠気を覚ます効果が期待されます。
しかし、たくさんコーヒーを飲みすぎると、カフェインの影響でめまい、吐き気、下痢などの症状があらわれることも。
悪化すると、命にかかわるおそれもあります。

そのためコーヒーは多くても、1日あたりコーヒーカップ(150mL)で4杯まで、マグカップ(250mL)で2杯半までを目安に楽しむようにしましょう。

なお、市販のエナジードリンクにもカフェインは多く含まれます。
エナジードリンクを飲んだ日にはコーヒーの量を減らし、カフェインの摂りすぎにならないよう気をつけましょう。

※参照:農林水産省「カフェインの過剰摂取について」,食品安全委員会「食品中のカフェイン

▼コーヒーにはアレルギーもある!?
コーヒーを飲んだあとに湿疹やかゆみなどの症状が出ることがあります。「コーヒーアレルギーかも?」気になったときは自己判断せずに医療機関で診断を受けましょう。

本当は怖い「コーヒーアレルギー」症状、カフェイン過剰摂取との違いや検査方法を解説【管理栄養士監修】

小麦アレルギーや卵アレルギーなど、世の中にはさまざまな食物アレルギーがあります。 数ある食物アレルギーの中でも「コーヒーアレルギー」については、あまり知られていないのではないでしょうか。 そこで本記事では「コーヒーアレルギーの症状や検査方法」をはじめ「カフェインによる体調不良とのちがい」について、管理栄養士が解説します。

コーヒーは低カロリー・低糖質!飲み方と飲みすぎには気をつけよう

今回の記事では、「さまざまなコーヒーのカロリー・糖質量」「1日あたりのコーヒーの目安量」を管理栄養士が解説しました。

ほろ苦いコーヒーは、眠気覚ましとリフレッシュにぴったりな飲み物です。
カロリーも低いため、体重が気になる方でも安心して飲めるでしょう。

しかし、砂糖やミルクを入れすぎたり、生クリームをトッピングしたりすると、カロリーや糖質が一気に増えてしまうため気をつけましょう。
また、飲みすぎはカフェインによる中毒症状を起こす可能性もあります。

カロリーだけでなく、カフェインの摂りすぎにも気をつけながら、コーヒーを楽しみましょう。

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