「リコピン」に期待できる効果・効能とは?トマトより豊富に含まれる食材やおすすめの摂取方法を薬剤師が解説

トマトなどに豊富に含まれるといわれているリコピン。
身体や健康によいイメージがありますが、どのような成分であるか知っていますか?

今回の記事では、「リコピンとは?」「リコピンに期待できる効果・効能」について、現役薬剤師が解説します。メリットのほか、デメリットについても説明しますので、どうぞ最後までお読みください。

目次

リコピンとは

リコピンとは、自然界に存在するカロテノイドと言われる赤色色素成分の一つです。トマトや赤い果物・野菜に含まれています。

リコピンは、「抗酸化作用」という体に害のある反応を抑えやすくしてくれる作用があります。

リコピンの効果とは

リコピンには抗酸化作用があるので、体の様々な働きに良い影響が期待できます。

美容効果

リコピンはお肌の大敵である活性酸素の働きを抑える作用があります。

活性酸素は体に必要な細胞などを攻撃し、老化やガンなどの病気を誘発すると言われています。
リコピンはその悪い働きを抑えやすくしてくれます。

ほかにも、紫外線による肌のダメージを防ぐ効果にも期待できます。また、コラーゲンの生成を促進することで、肌のハリや弾力を保つ働きもあります。

健康増進

リコピンは美容に良いだけでなく、体の中から健康になる働きを促してくれます。

不要な物質を外に出しやすくしたり、悪いメカニズムで体の細胞が変化していくのを止めてくれます。

生活習慣病予防

リコピンには、動脈硬化や高血圧、糖尿病などの生活習慣病の予防効果があるとされています。

特に、血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減少させ、動脈硬化を予防する作用が期待されています。

リコピンが豊富に含まれている食品

リコピンが豊富に含まれている食品は、トマト、スイカ、金時人参、ピンクグァバ、ピンクグレープフルーツ、柿などがあげられます。

トマト

トマトはリコピンが豊富に含まれている野菜として有名ですよね。トマトは個体差があり、トマト1個に含まれているリコピン量は10〜20mgです。

トマトは皮にリコピンが多く含まれているので、皮ごと食べる方が多く摂ることができます。

トマトのリコピンは加熱してから食べる方が体に吸収しやすく、またオリーブオイルやたまねぎ、にんにく、ブロッコリー、キャベツといった特定の食材と一緒に熱処理をすることで、より吸収しやすいリコピンの形に変化します。

トマトの実は凝縮している方が効率良くリコピンを摂れるので、缶詰での摂取もおすすめです。トマトは体を冷やしやすい野菜なので、温かいスープなどで摂ると体に良いでしょう。

▼トマトはどのくらい食べても良いの?
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スイカ

スイカの赤色色素もリコピンです。赤みが多ければ多いほどリコピンの量が多く含まれています。スイカに含まれるリコピンの量は、トマトの1.5倍ほどといわれています。

トマトが苦手な方やトマトに飽きてしまった場合、スイカでリコピンを摂るのもいいですね。

スイカもトマトと同様に体を冷やす食べ物なので、お腹を壊したり体調を崩さないように注意しながら摂りましょう。

金時人参

金時人参はよく目にする西洋人参と異なり、鮮やかな濃い赤色が特徴的です。西洋人参に比べて甘み、旨味が多く、日本では冬に収穫されます。

トマトやスイカは摂りすぎると体を冷やしてしまう可能性がありますが、金時人参は体を温めやすくしてくれるので、こちらもバランスよく取り入れることをおすすめします。

ピンクグァバ、ピンクグレープフルーツ

ピンクグァバ、ピンクグレープフルーツのピンク色の部分にはリコピンが豊富に含まれています。

ピンク色ではないグァバ、グレープフルーツにはリコピンはあまり含まれていないので注意しましょう。

ピンクグァバやピンクグレープフルーツは、リコピンだけでなくビタミンや食物繊維などの栄養も豊富に含まれているのも特徴です。

柿の赤色部分にもリコピンが含まれています。

柿は水分量が少なく栄養価も高い果物ですが、消化器官を冷やしやすいので、1日当たりの摂取量は1~2個までが目安になります。

リコピンを摂る時の注意点

リコピンは、空腹時に摂ると吸収率が高くなります。また、その空腹時間が長いほど吸収に良いといわれています。

そのため、朝起床してからリコピンを摂る、またはリコピンの多い食材を摂ると効率的にリコピンを摂取できます。

また、普段たばこを吸っている方は、リコピンを吸収しにくいという報告があります。

これは、喫煙により体内で発生する悪い反応を抑えることにリコピンが使われてしまい、体内に吸収しにくいからです。

ですので、たばこを吸っている方は少し多めにリコピンを摂るといいでしょう。

※参考
リコピン摂取時間帯がラットおよびヒトにおける体内吸収に与える影響 定の野菜との加熱調理によるトマトリコピンのcis異性化の促進
菜の色にはチカラがある

リコピンのメリット・デメリットとは

リコピンを摂ることでどのようなメリットとデメリットがあるのか解説します。

リコピンのメリット

リコピンは、上文で説明している通り「抗酸化作用」があるので、美容だけでなく健康にも様々な良い効果が期待できます。

そのため、「美しく健康に生きていくために有用な成分」といえるでしょう。

リコピンのデメリット

リコピンはトマトやスイカ、柿等から摂る場合は摂り過ぎることは滅多にありませんが、トマトやスイカを食べ過ぎると体が冷え、消化不良になりやすくなります。

また、過剰に摂ることで、皮膚が赤や黄色に発色しやすくなる場合もあるので、適度に摂るようにしましょう。

リコピンは体に良い

今回の記事では、「リコピンとは?」「リコピンに期待できる効果・効能」について、現役薬剤師が解説しました。

リコピンは美容効果だけでなく、老化防止、健康への効果も期待できることが分かりましたね。

リコピンを生活に取り入れて、より健康的な身体を目指しましょう。

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