納得!「長く売り続けられるのにはワケがある!」50年以上のロングセラー食品を集めてみた

毎日のように世の中には新商品が登場しています。そんな中、変わらず愛されるロングセラー商品も。今回は、50年以上販売を続けているロングセラーの食品を5商品ご紹介します。

目次

「ミニスナックゴールド」山崎製パン株式会社

「ミニスナックゴールド」画像提供: 山崎製パン株式会社

山崎製パン株式会社の「ミニスナックゴールド」は、1968年に関東エリアで販売開始されたロングセラー商品です。商品名には「ミニ」と付いていますが、サイズは直径約18cm。1つで満足感たっぷりなボリューム感の商品です。また、スナックパン界において、"金メダル級の大ヒット"を願って「ゴールド」と命名されたのだとか。

同社によると「近年、複数のTV番組でミニスナックゴールドを取り上げていただく機会がありました。『懐かしい』『無性に食べたくなった』と反響が広がり、一時は出荷数が通常の約3倍になりました」とのこと。出荷が追いつかなくなるほどの売れ行きにうれしい悲鳴だったようです。参考価格は1個118円(税別)。ボリュームも価格も大満足なスナックパンです。

「オリジナルシュークリーム カスタード」株式会社洋菓子のヒロタ

1924年の発売当時の「ヒロタのシュークリーム」。画像提供: 株式会社洋菓子のヒロタ

手のひらサイズで食べやすい、株式会社洋菓子のヒロタのシュークリーム。開発のきっかけとなったのは、創業者の廣田定一さんが洋菓子店、和菓子店など、様々な現場で修行したのちに開いたチョコレートショップがあえなく失敗し、そのときに手元に残った電気釜を、活用しようと思いついたのがシュークリームの製造販売だったこと。
「開発当時は、明治時代。シュークリームは、一部の洋菓子店だけで販売される高級洋菓子でした。それを誰もが手軽に食べられるよう、サイズを小さくして1個当たりの価格を下げて販売しました。取引先の洋菓子店にシュークリームを卸していましたが、1924年に神戸元町に店舗をオープン。翌年には株式会社洋菓子のヒロタを設立しました」(株式会社洋菓子のヒロタ広報担当)。
開発当時は、現在の4個入りではなく大箱に20個入れて販売されていたのだとか。

長く愛されるヒロタのシュークリームですが、苦労した時期もあったといいます。「阪神淡路大震災により本社工場が被害を受けました。阪神地区での売上は減りましたが、その後関東の工場で深夜製造し、関西へ運ぶことができるようになりました。しかし、売上が回復するまで2年もかかりました」。

画像提供: 株式会社洋菓子のヒロタ

最近では、スーパーの洋菓子コーナーでの取り扱いも増えました。
お客様から「小さい頃大阪に住んでいて、いつも父親がお土産に買ってくるのを楽しみにしていました。最近は近くのスーパーで買えるようになり、とても懐かしい気持ちになりました」と嬉しい声も届いているとのこと。

長く愛される理由は、大きさ、味を守りつつ、時代にマッチしたおいしさを追求しているからこそ。ふんわりとした柔らかいシュー生地とコクのあるクリームが一体となって口の中でとろける魅力を持っています。価格は1箱4個入り346円(税込)。

「赤缶カレー粉」エスビー食品株式会社

(左)発売直後(右)現在。画像提供: エスビー食品株式会社

家庭のカレー作りでおなじみの「赤缶カレー粉」。商品のこだわりは、1950年の発売以降パッケージも中身もほとんど変えていないことなのだとか。確かに、上記の写真を見比べてみても見た目はあまり変わりません。

赤缶カレー粉の開発のきっかけは、1923年にさかのぼります。
「当時、当社では国産初のカレー粉の製造に成功し、エスビー食品の前身である日賀志屋を創業しました。その後、1930年に家庭用の商品として"ヒドリ印カレー粉"を発売。日中戦争を期に、戦争の気配が色濃くなり、原料不足が懸念されました。そんな中、創業者である山崎峯次郎は、カレー協同組合の立ち上げや、原料の国内栽培に積極的に取り組むなど、輸入原料不足の非常時を切り抜け、カレー振興を下支えしました」(エスビー食品株式会社広報担当)。その後終戦を迎え、物資が手に入らない時期にも、カレー粉の原料を各地に飛び回って買い集め、品質を落とさずに製造を続けたといいます。

「そして1950年に、"赤缶カレー粉"を発売し、日本のカレーのスタンダードとして、今もほとんど変わらぬ姿で親しまれています。赤缶カレー粉は調味料として、風味付けに使用する方法もあります。魚や野菜が苦手だった子どもがパクパク食べられるようになったというお話を聞いたときは嬉しくなりましたね」。
家庭用カレー粉のシェア約8割をしめる赤缶カレー粉。変わらぬおいしさはこれからも家庭のカレーになくてはならない商品です。価格は37g缶330円(税別)で販売中。

「野菜フライ」カネテツデリカフーズ株式会社

1980年代に販売していた当時の「野菜フライ」。画像提供: カネテツデリカフーズ株式会社

発売64年目を迎えた、兵庫県に本社を置くカネテツデリカフーズ株式会社の「野菜フライ」。こちらの商品は、白身魚のすり身に玉ねぎ、キャベツを加えパン粉を付けて揚げた魚惣菜フライです。少し温めてもおいしいですが、冷たいままでもおいしくいただけるのが特徴。
「冷たいと味を感じにくくなることを想定し、胡椒をきかせることで、スパイシーでくせになる味わいに仕上げています。また独自に開発した油を吸いにくいパン粉を使用していることもポイントです」と広報担当。

画像提供: カネテツデリカフーズ株式会社

関西エリアを中心に販売される野菜フライ。関東エリアでの販売がほとんど無いため、関西で育った関東エリアの人から「送って欲しい」と連絡が来ることもあるのだとか。参考価格は200円(税込)。関西エリアのスーパーなどで発見したら、買ってみてはいかがでしょうか。

「亀田の柿の種」亀田製菓株式会社

「ピーナッツ入り柿の種」の1966年発売当時のパッケージ。画像提供: 亀田製菓株式会社

おつまみやおやつの定番、亀田製菓株式会社の「亀田の柿の種」。1966年に発売されたロングセラー商品です。
ところで、柿の種にピーナッツを入れた経緯をご存知でしょうか。「これには諸説あるのですが、一説には創業間もない弊社で番台をしていた創業者の奥様が、別々の瓶に入った柿の種とピーナッツを眺め、『一緒に食べたらどんな味がするのだろう』と、試したところ、驚くほどおいしかったことがその後の販売に繋がったと言われています」(同社広報担当)。

「260g 亀田の柿の種 6袋詰」画像提供: 亀田製菓株式会社

ぴりっと辛く、おつまみにぴったりな柿の種。「おやじのおつまみ」といったイメージを持たれがちですが、なんと小学校高学年から中学生までの女の子を主な読者層としているファッション誌で、おやつ部門おつまみ系で1位に選ばれたことも。「チョコレートコーティングした柿の種などを発売しながら、若年層にも親しまれるブランドを目指してきた成果の一例です。もっともっと幅広い世代の方々から愛されるブランドとなれるよう亀田の柿の種は進化していきます」。
参考価格は6袋詰めで280円前後(税別)。様々な味付けやコラボレーション商品などを発売する亀田の柿の種。今後も目が離せない商品ですね。


いかがでしょうか。50年以上にわたって長く愛されるロングセラー商品は、苦労の時代を乗り越えて今の人気を獲得しているものもあるようです。そして、商品へのこだわりが、長く支持を集める理由となっているようです。

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