いまこそ見直したい!節約にも役立つ、家庭でできる食品ロス対策をファイナンシャルプランナーが解説

2019年に日本で「食品ロス削減推進法」が成立したのをきっかけに、企業もそして家庭にも「食品ロス」が大きなテーマとなりました。「食品ロス」は私たち生活者が注意して心がけることで削減できる、身近な問題です。いま一度食品ロス削減を意識してみませんか?

目次

「食品ロス削減推進法」とは

日本ではまだ食べられる食品が1年間で646万トン廃棄されており、この量は、世界で飢餓や栄養不足で苦しんでいる人に送られている、食糧援助量の約320万トンを大きくうわまわっています。廃棄のうち食品関連事業者が規格外品・返品・売れ残り・食べ残しとして廃棄しているのは357万トン、一般家庭が食べ残し、過剰除去(食べられる部分も削ったり切ったりして捨てること)・直接廃棄しているのは289万トンとなっています。

食品ロスを減らすには事業者だけではなく私達の家庭でも取り組むことが必要なため、2019年5月24日、この法律が成立したのです。

「国、地方公共団体、事業者、消費者等の多様な主体が連携国民運動として食品ロスの削減を推進するためこの法律を制定する」(食品ロスの削減の推進に関する法律案要綱より抜粋)。

では全体の半分ほどをしめる、家庭における食品ロスはどのような対策をしていけばいいのでしょうか。「食品ロス」や「法律」と聞くとなんだか難しいイメージですが、どなたでも取り組みやすい対策をご紹介します。節約にもつながる取り組みなのでぜひチャレンジしてみましょう。

家庭でも取り組める3つの食品ロス対策

1)特売日に過度のまとめ買いはしない

チラシを見てその日限りの特売品があれば、まとめ買いをするのがやりくり上手のように思えます。しかし、使い切れずに腐らせてしまい結局破棄したり、買ったことを忘れて戸棚の奥にしまいっぱなしにしたりしていませんか。

「大掃除の時にミイラのように干からびた状態で発見」「小分けに冷凍しておいたまではデキる主婦だったのに、他のものに紛れてしまい存在を忘れ、気づいたときにはさすがにもう食べられない日数がたっていた」という悲しい経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

度を越えたまとめ買いをすると、結局使い切れなかったり、買ったことを忘れて放置し使えない状態にしたりすることにもつながります。特売があっても使い切れる量までに抑えて買うようにしましょう。

2)食材を使いきる・食べきる意識を持つ

購入した食材はすべて使いきっていますか? 先述した「特売日に買いすぎる」こと以外にも、メニューが思い浮かばないなどの理由でなかなか食材を使いきれず、捨ててしまうことがあるはず。

ファイナンシャルプランナーである筆者は、食費を節約するために野菜ソムリエの勉強もしましたが、食材の中でもなかなか使い切れないのが野菜。でも、意外と捨ててしまう部分も料理に活用できますよ。例えば大根や人参は以下のようにアレンジできます。

  • 大根……皮はよく洗ってむいた後千切りに刻み、大根の葉と塩もみすれば浅漬けに。
  • 人参……皮はきれいに洗えばむかずにそのまま食べられる。むいた皮も、千切りにしてごま油で炒めて醤油や砂糖で味を整えたら簡単きんぴらに。


その他、使い切れず捨ててしまいがちなのが調味料です。ドレッシングは自宅にある油・酢・塩コショウ・醤油など基本の調味料を混ぜれば自宅で作ることができます。自宅で使いきれる分だけ作れば、保存料も使われていないので体にも良く、無駄遣いを防ぎお財布にも優しくなります。

すきやきのたれ、ポン酢、すし酢なども実は簡単に作ることができますよ。もしレシピがわからなかったら、インターネットで検索すると家庭にある調味料でできる内容がたくさん出てきます。

用途別に調味料を買っていると冷蔵庫がいっぱいになり使い切れません。自宅で作れるたれ・ドレッシングはなるべく買わないようにすると、食費の節約につながります。

※食品ロス削減レシピはこちら→「その部分捨てないで! 野菜の皮や芯を使って作るもう1品--節約&食品ロス削減レシピ」

3) 週に1~2回「ノー買物デー」を設ける

食材の使いきりと食費の節約に大きくつながるのが、「ノー買物デー」です。週に1~2回曜日を決め、この日は買物に行かず家にある食材だけでメニューを考えます。普段は「ハンバーグを作るために玉ねぎが足りない」と買い足すのもOKですが、ノー買物デーは玉ねぎがないなら、別の食材で代用したり、いまある食材でできるメニューに変更したりするのです。

ひき肉があれば、そぼろ丼や麻婆豆腐にするといった風に、他に献立はいろいろあるはず。ノー買物デーを3日続けるなど「サバイバルゲーム」感覚で楽しむと、より家にある食材を使いきることができます。2日目、3日目になると冷蔵庫のものだけでは足りなくなってくるので、ストックしていたひじき・わかめ・切り干し大根などの乾物類、さば・カニ・ツナなどの缶詰も活用しなくてはいけなくなります。冷蔵庫やストック食材の整理整頓の機会にもなりますね。

新たなメニューを作り出すきっかけになることもあるので、ノー買物デーを利用して家にある食材を使いきりましょう。

家庭から出る生ごみのうち10.3%が手つかずの食品、13.6%が食べ残しです。計画的に食材を購入し、食べきれる分だけ作れば20%ほども生ごみを減らすことが可能ということです。できることから少しずつ食品ロス削減に取り組み、食費の節約にもつなげていきましょう!

参考: 消費者庁「食品ロス削減関係参考資料(平成30年6月21日版)」

節約
ランキング

おすすめ記事

全体ランキング