理想の体型を目指す「太る方法」とおすすめ食材やNG方法を管理栄養士が解説【痩せ型の方は必見】

痩せている方の中には「太りたいのに太れない」と悩む方も少なくありません。
痩せ型の体型から筋肉をつけたくても、なかなか太れずに体型が変わらないという方も多いことでしょう。

太る方法にはさまざまありますが、NG方法を行うと、なかなか効果が出ないことも。
正しい方法を実践して、理想的な体型を目指しましょう。

今回の記事では「太れない理由と対策」「効果的に太る方法」「太るためにおすすめの食材」「太りたいときにやってはいけないNG方法」などについて、管理栄養士が解説します。

目次

「太りたいのに太れない」理由と対策は?【太る方法と合わせて知る】

のちほど紹介する「太る方法」を実践する前に、まず自分の「太りたいのに太れない」理由を把握してみましょう。

理由に沿って適切に対策をすることで、成果により近づけるようになります。

考えられる理由をいくつか紹介するので、当てはまるものを探してみましょう。

遺伝的に太りにくい

家族に痩せ型の方がいる場合は、遺伝的に太りにくいことが理由として考えられます。

痩せている人の中には「褐色脂肪」という脂肪組織を持つタイプの方がおり、同じものを食べても太りにくいことが知られています。

褐色脂肪は脂肪を燃焼する作用を持ち、褐色脂肪を多く持つ方は、加齢に伴う体重増加や内臓脂肪の増加がみられず、体型をキープしやすいことがわかっています。

消化吸収能力が低い

よく軟便や下痢をする「お腹のよわい」方、またお通じのよすぎる方は、消化吸収能力の低さが理由になっているかもしれません。

同じものを食べてもしっかりと消化吸収されないために、太りにくくなっている状況が考えられます。

またお腹がよわいために意識的に食事量を抑えている場合も、カロリーを確保できずに太れない理由となります。

食が細い

食が細く摂取カロリーが少ない場合も、太れない理由として考えられます。

しっかり食べているつもりでも、自身の消費する量に食べた量(摂取量)が見合っていなければ、カロリー不足の状態が続いていることになります。

また「忙しいと食事を抜いてしまう」という場合も、やはりカロリー不足となりやすく、なかなか太れない理由となるでしょう。

痩せ型の方が効果的に太る方法

痩せ型の方が効果的に太るための方法を解説します。

太れない理由によって選びたい方法が変わるため、自分に合った方法を選びましょう。

主食を毎食しっかりとる

太れない理由がどの場合であっても、主食は毎食しっかりとるようにしましょう。

主食は1日の摂取カロリーの5~6割ほどを占めるため、食べることでカロリーの不足を防ぎます。

ご飯であれば茶碗1杯は食べるようにしたいのですが、多い場合は小分けにして、間食として食べるようにするとよいでしょう。

食事のカロリー摂取量を増やす

遺伝的に太りにくい場合や食が細い場合は、食事全体のカロリーを無理のない範囲で増やすようにしてみましょう。

体重(体脂肪や筋肉)を増やすには、やはりカロリーを増やす必要があります。

例えば、体脂肪1kgは約7000kcal分であるため、毎日230kcal増やすと1ヶ月に1kg増える計算です。

230kcalとは、例えば次の量となります。

・牛乳コップ1杯+クッキー2枚
・おにぎり1個+バナナ1本
・食パン1枚+ゆで卵1個

食事で増やすのが難しければ、間食として取り入れてもOKです。ほかのおすすめの食べ物については、のちほど詳しく紹介します。

間食(補食)をとる

食が細くて1度にたくさん食べられない場合や消化吸収力が低い場合は、1食の量を減らして間食(補食)をとるようにしてみましょう。

小分けにすることで量を食べられたり、消化の負担を減らしたりすることができます。

このときはカロリーの高いお菓子ではなく、消化のよいおにぎりやバナナなどがおすすめです。

カロリーの高いお菓子は脂質が多いため消化の負担となり、次の食事に影響を与えることがあります。

10時や15時の食事の間のタイミングで取り入れるとよいでしょう。

朝食をとる

太れないのがどの理由の場合でも、朝食を抜かずにしっかりと食べるようにしましょう。

朝食は1日の3分の1の栄養を補給できるチャンスです。

太りにくい体質の方は、栄養補給をするタイミングを逃さないようにしっかりと食べる必要があります。

食欲のない方でも、おにぎりやパン、バナナ、スムージーなどの手軽に食べられるものを食べるようにしましょう。

適度な運動や筋トレを行う

太れない理由に関わらず、健康的に太りたい場合には適度な運動や筋トレが欠かせません。

適度な運動は食欲を増進させ、食べる量を増やしてカロリーをしっかりと補給できるようになります。

また、体の調子を整えてくれ、胃腸の不調も整いやすくなるでしょう。

しかし、激しすぎる運動はおすすめできません。理由はのちほど改めて解説します。

太る方法を行うときにおすすめの食材

続けて、カロリーを増やしたい場合にどのような食材がよいのかを紹介します。

主食の中でも消化がよく、たくさん量を食べやすい米はおすすめです。

健康な方のご飯の量の目安は、食事バランスガイドを参考にすると下記のとおりです。

・成人女性…約165~235g
・成人男性…約235~265g

この量を多いと感じる場合は、小分けにして補食として取り入れるとよいでしょう。

活動量や年齢によってご飯の適量は異なるため、自身にあった量を見つけてみてください。

タンパク質食材

肉、魚、卵、大豆製品などのタンパク質を含む食材は、エネルギー源や筋肉の材料にもなるため、太るために欠かせない食材です。

肉は脂質の多い部位ばかりを選ぶと、飽和脂肪酸(悪玉コレステロール値を上昇させる原因となる)を摂りすぎてしまうため、赤身の部位や鶏肉(もも・むね・ささみどれでも可)を選ぶようにするとよいでしょう。

一方で、魚に含まれる脂質は、体によい働きをしてくれます。さば、あじ、さんま、ぶりなどの脂ののったものを積極的に選びましょう。

ほかにも卵、豆腐、納豆なども消化がよく、効率的に栄養補給できます。

牛乳・ヨーグルト

牛乳やヨーグルトは、しっかりとカロリーを摂れ、カルシウムなどの栄養補給もできる優れた食材です。

牛乳やヨーグルトは低脂肪のものではなく、普通タイプのものを選ぶとカロリーを効率的に摂れます。

1日の量は、牛乳はコップ1杯、ヨーグルトは1カップ程度が目安です。

乳製品でお腹がゆるくなってしまう方は、豆乳を取り入れるのもよいでしょう。

ナッツ類

ナッツ類は少量でカロリーを摂れるため、間食にぴったりです。

例えばアーモンドは25粒で約150kcalであり、おにぎり1個分のカロリーと同じです。

ビタミンEや食物繊維などの栄養補給もできるため、美容や健康作りによい点もうれしいですね。

植物性油脂

油はカロリーが高いため、植物性油脂を上手に活用してみましょう。

大さじ1杯100kcal強ほどなので、食事量を増やさずに、無理なくカロリ―アップができます。

例えばオリーブオイルをスープやヨーグルトにかけたり、ごま油を味噌汁や納豆に入れたりすると、おいしくカロリーをプラスできます。

オリーブオイルやごま油は、体によい働きをするオレイン酸を含むため、健康づくりにも役立つのがうれしいポイントです。

食事量を増やすのが難しい方は、一度試してみましょう。

※参照:農林水産省 厚生労働省「食事バランスガイド」

実はNG!?太る方法を取り入れる際にやってしまいがちなNG方法

太る方法をお伝えしましたが、あわせて知ってほしいのが「実はNG」な方法です。

やってしまいがちな方法ですが、できれば控えたい理由についても紹介するため、ぜひ一度チェックしてみてください。

高カロリーなお菓子を食べる

太るためにはカロリーを増やすのが大事とはいえ、高カロリーのお菓子ばかり食べるのは控えましょう。

高カロリーなお菓子には、糖質、脂質がたっぷり含まれているため、健康に悪影響を与えてしまいます。

また消化に負担をかけたり、満腹感から次の食事量が少なくなったりしてしまうのも、なるべく避けたい状態です。お菓子ではなく、先ほど紹介した食材を中心に取り入れるように心がけましょう。

夜遅い時間に暴飲暴食する

「夜遅くに食べると太る」というため「遅い時間に暴飲暴食すれば太るのでは?」と思うかもしれませんが、これもNGです。

夜は消化機能が落ちる時間であるため、胃腸の不調を招いたり、翌朝の食事がとれなくなってしまったりすることも考えられます。

また睡眠の質を低下させてしまうため、体にもよくありません。

不健康な方法で太ろうとするのは、健康のためにも控えるようにしましょう。

プロテインをたくさん飲む

タンパク質を補給できるプロテインドリンクは、手軽な栄養補給によいかもしれませんが、頼りすぎるのは禁物です。

プロテインをたくさん飲むと、満腹感から食事量を減らしてしまい、食事から摂りたい栄養やカロリーを摂りにくくなってしまいます。

また、消化吸収能力が低い方は、ドリンクタイプを一気に飲んでも、なかなか消化吸収しきれないかもしれません。

プロテインを活用したい場合は、たくさん飲みすぎないことと、食事を基本にすることに気をつけるようにしましょう。

激しい筋トレを行う

「体脂肪ではなく、筋肉をつけることにより体重を増やしたい」と思う方は多いでしょう。

しかし、痩せている方が体重を増やす前に激しい筋トレを行うと、体重を増やすのが難しくなってしまうため、実はNGなのです。

というのも、筋肉をつけるほどの高負荷な筋トレは消費カロリーも高いため、かなりたくさん食べなければいけなくなるからです。

具体的には、筋トレをすることで下記のカロリーが必要となります。

<普段の食事+筋トレで消費するカロリー+体重を増やすカロリー+増えた筋肉を維持するカロリー>

しっかりカロリーを摂らないと、体重が減ってしまったり、筋肉がつかなかったりする状況も考えられます。

ある程度体重が増えて、体脂肪が蓄えられた状態であれば、体脂肪がエネルギー源となってくれるため、筋トレの効果もスムーズに出やすくなるはずです。

まずは食事と適度な運動を中心に太る方法を実践することからはじめてみて、うまくいきはじめたら筋トレにチャレンジするとよいでしょう。

太る方法に近道はなし!地道な取り組みをはじめよう

今回の記事では「太る方法」について、管理栄養士が解説しました。

太りたくても太れない方は、遺伝的な要素が大きいこともあり、太るためには地道な取り組みが必要です。

健康的なボディを目指して、できる取り組みからはじめてみましょう。

ただし、元から痩せている場合ではなく、急激な体重減少により痩せてしまった場合は、病気や別の原因が隠れていることも考えられます。その場合は、一度医療機関の受診を検討しましょう。

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