住民税の決まり方とは--4~6月の給与で決まる? ふるさと納税効果は??

税金は消費税や自動車税のほか、酒税やたばこ税など多種多様。そのなかでも、収入に対して納めるのが「住民税」と「所得税」。今回はファイナンシャルプランナーの筆者が、住民税について解説します。税金の額の決まり方を知ると、「節税=税金の節約」をすることもできますよ。

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住民税とは?

住民税とは具体的に「市町村民税」と「都道府県民税」のことで、毎年1月1日に住所地のある地域に納める地方税です。

住民税の支払い方法、時期は?

住民税の徴収には「普通徴収」と「特別徴収」の2種類があります。「特別徴収」は主に会社員が対象で、会社が1年分の税金を12回に分けて給与天引きし、本人に代わって納める方法です(老齢年金を受給されている人も、要件を満たせば年金から天引きされます)。「普通徴収」はそれ以外の人にあてはまり、1年分の税金を一括で納めるか、年4回に分割して6月、8月、10月、1月に納めます。

住民税の税額は、「4月~6月の給与で決まる」と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、これは間違い。納付の前年1月1日~12月31日の所得に対して計算され、翌年6月頃に決定した納税額を知らせる「住民税決定通知書」が届きます。ちなみに、「4月~6月の給与で決まる」ものは、社会保険料(健康保険と厚生年金保険料)になります。

特別徴収されている会社員の場合は会社から通知書を渡され、6月支給分の給料から天引きされる税金額が切り替わります。普通徴収の人は、6月頃に自宅へ郵送され期限までに納税する形になります。住民税決定通知書は住民税の明細のようなもので、それを見ればご自身の収入の状況や納税額をチェックできる重要な書類です。

住民税決定通知書の見方

自治体によって様式は異なりますが、決定通知書には以下のことが書かれています。

  1. 収入金額(税金や社会保険料を引く前の、会社から支払われた給与などの総収入)
  2. 所得金額(1の収入から諸経費を差し引いたもの) 
  3. 所得控除金額(社会保険料控除や生命保険料控除など2の所得金額から引かれる金額)
  4. 総所得金額(税金がかかる金額)
  5. 市町村税の内訳
  6. 都道府県民税の内訳
  7. 住民税の総額(1年間の金額)

それぞれの関係は、

2-3=(4×税率=住民税所得割額)+住民税均等割額-(税額控除額+調整控除)=5+6=7 ※

となっています。

※「税額控除額」には住宅ローン控除や配当控除などが含まれます。また、「調整控除額」とは所得税と住民税の差額を調整するものです。その他の用語は後述。

住民税の内訳は? 税率は??

住民税は市町村民税と都道府県民税の両方において、「住民税均等割額」と「住民税所得割額」の2つの合計額で計算されます。「均等割額」は所得に関係なく一律徴収され、「所得割額」は所得に税率を掛けるので、所得が多い人ほど多く納税することになります。

「均等割額」の金額は自治体によって若干異なりますが、年間に市町村税と都道府県民税合わせておよそ5,000円~6,000円です。例えば大阪府大阪市の場合の均等割額は、市民税3,500円、府民税1,800円ですが、愛知県名古屋市は、市民税3,300円、県民税2,000円となっています(それぞれ年間の金額)。また「所得割額」の税率も自治体によって異なりますが、都道府県民税4%、市町村税6%の合計10%というところが多いです。

ふるさと納税でどう変わる?

住民税の計算方法をみると、収入や所得、住民税の均等割額は変えられないので「同じ収入でも納税額を減らすには、所得控除金額と税額控除額を増やすこと」が効果的あることが分かります。「所得控除」に該当する対象は13種類、税額控除には5種類あります。例えば「所得控除」では、生命保険や地震保険に加入したり、医療費がかかった時に医療費控除を申請したりする。「税額控除」では住宅ローンを組んだり、自治体に寄附(ふるさと納税)をしたりすることでも税金を抑えられます。

ここで、「よく聞くけれど『ふるさと納税』って何? 」と思われた人のために、ふるさと納税について詳しく見ていきましょう。ふるさと納税は、「住民税の一部を自分のふるさとや応援したい自治体へ寄附することができる制度」です。限度はありますが、寄付した金額から2,000円を引いた金額が、翌年の住民税や所得税の控除対象となります。また、自治体によっては寄付の返礼として特産物や各種サービス特典などを用意しているところもあります。

ふるさと納税での税額控除金額(節税できる金額)は、「基本控除」+「特別控除」となり、住んでいる地域によって異なる場合もありますが、一般的には以下のようになっています。

  • 基礎控除: (寄附金-2,000円)×10%
  • 特別控除: (寄附金-2,000円)×控除割合

※寄附金額が住民税所得割額の2割を超えている場合は、住民税所得割額×20%

では、具体的に以下の条件の世帯の場合、いくら節税できるのか解説します。

  • 大阪府大阪市在住
  • 家族構成は夫婦と子ども2人
  • 子どもは2人とも小学生(16歳未満は扶養控除の対象にはならない)
  • 妻はパート収入が年間90万円で、配偶者控除が適用されている
  • 住宅ローンなし
  • 収入は給与収入のみ
  • 調整控除額なし
  • 世帯年収500万円(課税総所得196万円)

この世帯の場合、ふるさと納税をしない場合の税金は24万6,300円となります。

この世帯が、ふるさと納税で寄附を5万円したとします。

  • 基本控除: (5万円-2,000円)×10%=4,800円
  • 特別控除: (5万円-2,000円)×84.895%=4万,749円(控除割合は筆者にて試算)

合計で約4万5,000円、住民税が安くなることがわかりました。なお、実際にふるさと納税をした場合は所得税の還付もあり、合計で4万8,000円程度の節税になります。

※2018年8月22日時点で試算

なお、このケースの場合、5万円の寄付に対して節税できる金額は4万8,000円と、実際の収支のプラスマイナスはほとんどありません。それでもふるさと納税がおすすめなのは、寄付した際の返礼品で米や肉などお得に食材を受け取れるからです。ほんの少しの手間で、このお得さは見逃せません。

4万8,000円は還付される訳ではなく、ふるさと納税をした翌年6月以降の税金が安くなるという仕組みです。ふるさと納税をした際は、住民税通知書で住民税が安くなっているかも念のため確認しておきましょう。

税金の計算は数字がたくさん出てくるので難かしい印象を持ってしまいますよね。ただ知っておくと、きちんと申請をすることで税金が安くなったり還付を受けたりこともできます。家計を上手にやりくりする知識として、ぜひ参考にしてください。

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