ポリフェノールに期待できる効果・効能とは?豊富に含まれる食材やおすすめの摂取方法を薬剤師が解説

「身体によい」というイメージがあるポリフェノール。
しかし、具体的にどのような成分にどのような効果・効能が期待できるのかはご存じでしょうか?
また、メリットだけでなくデメリットもしっかりと把握しておきたいですよね。

今回の記事では、「ポリフェノールに期待できる効果・効能」「ポリフェノールのメリットやデメリット」について、現役薬剤師が解説します。

どのような食材に含まれているのかなども合わせて説明していくので、最後までお読みください。

目次

ポリフェノールの効果とは

ポリフェノールは、植物の抗酸化物質の一種であり、果物、野菜、穀物、お茶、ワインなどに含まれています。

ポリフェノールには、次のような効果・効能が期待できます。

・美容効果
・血流改善効果
・動脈硬化予防
・高血圧症予防
・免疫向上効果

ポリフェノールは、抗酸化作用の強い物質です。抗酸化作用とは、体の活性酸素の発生や働きを抑えることを指します。

活性酸素は老化や体に有害な反応を促すので、抗酸化作用のあるポリフェノールなどを取り入れることが大切です。

これらの期待できる効果・効能について、順番に説明します。

美容効果

ポリフェノールは抗酸化作用が強く、活性酸素の働きを抑えます。活性酸素は老化や肌の色素沈着、ターンオーバーの速度を遅らせるなど、美容に悪影響があります。

ポリフェノールはその体に悪い活性酸素の影響を抑えやすくし、美肌になるための体の免疫力を上げてくれます。

血流改善効果

ポリフェノールは、血液を固める作用のある血小板の凝集を防ぐことで、血液がドロドロになりにくくなり血流を良くします。

また、動脈血管を弛緩させる働きもあるので、血管が詰まりにくくなります。

動脈硬化予防

ポリフェノールは、低密度リポタンパク質 (LDL) コレステロールの酸化を阻害します。酸化を阻害することで、

血中のコレステロールが悪い働きをするのを抑えます。その結果動脈硬化を予防してくれます。

高血圧症予防

ポリフェノールは、血液を固まりにくくし、血管を守ってしてくれるので、血圧を上げにくくしてくれます。

免疫向上効果

ポリフェノールには、これらの抗酸化作用があるので、総じて体の悪い反応を抑えやすくしてくれます。

その結果体の免疫力にいい影響が期待できます。

参考:ポリフェノールの体内動態に関する研究 

様々な効果・効能に期待できるポリフェノールとはそもそも何?

ポリフェノールとは、様々な化合物の総称です。
例えば、緑茶に含まれているカテキンや大豆のイソフラボン、コーヒーのクロロゲン酸、ブドウの果皮に含まれるレスベラトロールなどが挙げられます。

ポリフェノールが含まれている食品【効果的な食べ方は?】

ポリフェノールがよく含まれている食品100gに対して、どれくらいのポリフェノールが含まれているのかグラフにすると次の通りとなります。

各食品を摂る際に注意したいのは、ポリフェノールを摂ることに気をとられて、他の成分を過剰に摂り過ぎてしまう可能性があることです。赤ワインはアルコール、コーヒーはカフェイン、野菜ジュースは糖質が多い等、バランスを見ながら摂ることをおすすめします。

また、ブロッコリーの豆乳スープやほうれん草のごまあえなど、複数の食材を掛け合わせるメニューを考えるのも良いでしょう。チョコレートなどの市販のお菓子などでも、ポリフェノールを含むことに特化した商品も多く発売されてるので、ご自身に合った摂取方法を試してみてください。

参考:Polyphenol Intake from Beverages in Japan over an 18-Year Period (1996–2013) 


様々な効果に期待できるポリフェノールのメリット・デメリットは?

ポリフェノールを摂ることで、どのようなメリットやデメリットがあるのか解説します。

ポリフェノールのメリット

ポリフェノールのメリットは、上記の効果パートでも記載しているように、総じて「老化の防止」に期待ができるということです。

また、自然に日頃の食生活で摂りやすく、身近な成分ということも大きな魅力でしょう。

ポリフェノールのデメリット

ポリフェノールは「鉄分の吸収を阻害しやすい」という報告があります。

鉄分を吸収する際の鉄構造に変化をもたらし、吸収しにくい形にしてしまい一緒に摂っている食べ物の鉄分が吸収しにくくなります。貧血になりやすい方や鉄剤を飲む時は、ポリフェノールが豊富な物と重ならないように、時間をずらす必要があります。

参考:The Role of Polyphenols in Human Health and Food Systems: A Mini-Review


ポリフェノールの効果を活かすための適切な量

ポリフェノールは様々な食品に含まれていますが、過剰に摂り過ぎないように注意しましょう。

しかし、実は1日あたりのポリフェノールの適切な量については厳密な基準はありません。
食品にはポリフェノールだけでなく様々な成分が含まれているので、一気に摂るのではなく1日の中で少しずつ摂ると体に良いでしょう。

ポリフェノールを摂り過ぎるとどうなるか

ポリフェノールの摂り過ぎだけで健康被害が出ているという報告はあまりありませんが、ポリフェノールが含まれているコーヒーや赤ワインなどを摂り過ぎることはおすすめできません。

また、鉄分の吸収を抑えてしまうことがあります。ポリフェノールは、一度に大量に摂取したりせず、適度に摂るよう心がけましょう。

ポリフェノールの効果をうまく活用しよう

今回の記事では、「ポリフェノールに期待できる効果・効能」「ポリフェノールのメリットやデメリット」について、現役薬剤師が解説しました。

様々な効果・効能に期待できるポリフェノールは、身近な食材に含まれていて摂取しやすいところが魅力です。

ポリフェノールに期待できる効果・効能をはじめメリットやデメリットを知り、健康的な毎日を過ごしていきましょう。

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