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絶対失敗しないステーキの焼き方! 安い肉も高級牛並みにフライパンで簡単・柔らかジューシー 焼き加減も解説
肉料理の代表格ステーキ! クリスマスや年末年始など、家族に食べてもらいたいけれど、「おいしい肉は高く、安い肉は硬くていまいち」と躊躇する人も多いのでは? じつは 安い牛肉とフライパンでも、ジューシーで柔らかい美味しいステーキに簡単に仕上げる方法があるんです!加えて、レア、ミディアムレア、ミディアム、ウェルダンといった焼き加減についても、料理教室やレシピ開発でも活躍する管理栄養士が解説します。

ステーキの焼き加減の種類
ステーキの焼き方を解説する前に、まずはステーキの焼き加減について説明します。ステーキの焼き加減は細かく分類すると10段階ほどになりますが、ここでは代表的な3種類+1種類を紹介します。

上からレア、ミディアム、ウェルダン
レア(Rare)
肉の表面だけをごく短時間、強火で焼き付けた状態で、中心部はほとんど生の状態です。中心部の温度は50〜60℃程度で、断面の中心部全体が鮮やかな赤い色をしています。非常に柔らかく、しっとりとしていて歯切れが良いのが特徴です。肉本来の風味や柔らかさを最大限に楽しみたい方におすすめです。
ミディアム(Mediam)
ちょうど良い焼き加減として、多くの方に好まれるバランスのとれた焼き方です。表面はしっかりと焼けていますが、肉の中心部にも火が通りつつ、ほんのりとピンク色、中心部にわずかにレアの赤色が残った状態です。加熱時に中心部の温度は60℃〜70℃程度となり、たんぱく質がほぼ固まっています。そのため、歯切れは良く、肉汁が繊維から染み出してきます。
ウェルダン(Well Done)
表面にしっかりと焼き色がつき、肉の中心部まで完全に火が通っている状態です。断面は赤みやピンク色はほとんど残らず、全体が均一な茶色になります。繊維は収縮、繊維から肉汁が滲み出てくるため、膨張して中心部が膨らんでおり、しっかりとした歯ごたえ(弾力)があります。加熱時の中心部の温度は70℃〜77℃程度。
ミディアムレア(Mediam Rare)
ミディアムとレアのちょうど中間にあたる、人気の焼き加減。表面はしっかりと焼けて香ばしい焼き色がついてますが、中心部にはまだ赤みが残っています。血のような赤さ(レア)よりも火が通っており、淡いピンク色(ミディアム)よりも赤みが濃い断面になります。
ステーキの焼き加減を見分ける方法
上記のレア、 ミディアムレア、ミディアム、ウェルダンの焼き加減を見極めるためにはプロの料理人も使うテクニック「指で押す方法」があります。焼いているステーキの弾力(硬さ)と、自分の手のひらの筋肉の弾力(硬さ)を比較する方法です。
親指と他の指を合わせることで、親指の付け根のふくらみ(母指球筋)の硬さが変わり、それがステーキの焼き加減の目安となります。
レアの硬さ
- 指の合わせ方: 親指と人差し指の先端を軽くくっつけて、輪を作ります(OKサインのような形)。
- 硬さ: このとき、親指の付け根(手のひら側)を反対の指で押すと、非常に柔らかく、弾力がほとんどなく、指が深く沈む感触です。
- ステーキの状態: 焼いているステーキの中心を軽く押したときに、この柔らかさなら「レア」です。
ミディアムの硬さ
- 指の合わせ方: 親指と薬指の先端を軽くくっつけます。
- 硬さ: 親指の付け根が、中指のときよりもさらにしっかりとした弾力になり、押してもあまり沈まない感触です。
- ステーキの状態: 押したときにしっかりとした弾力で押し返してくるようなら「ミディアム」です。
ウェルダンの硬さ
- 指の合わせ方: 親指と小指の先端を軽くくっつけます。
- 硬さ: 親指の付け根が最も硬く、強い弾力がある状態です。
- ステーキの状態: 押したときに非常に硬く、ほとんど指が沈まず、強い弾力で押し返すようなら「ウェルダン」です。
ミディアムレアの硬さ
- 指の合わせ方: 親指と中指の先端を軽くくっつけます。
- 硬さ: 親指の付け根の硬さが、人差し指のときよりも少し弾力が出て、程よい柔らかさになった状態です。
・ステーキの状態: 押したときに少し弾力があり、柔らかいけど沈みすぎない感触なら「ミディアムレア」です。
安い肉をおいしくジューシーに焼く方法
安い肉は、「パサパサしてジューシーさが無い」「硬くて噛みきれない」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。しかし、これは肉を焼いた時によくありがちな失敗例です。下処理と加熱の温度に気をつければ、安い肉でも柔らかくジューシーに仕上げることができます。
生の肉は柔らかいですが、歯で噛み切るのは難しいというのはご存知でしょうか。上述のように、肉は加熱をすることで筋肉のたんぱく質が固まってきます。たんぱく質が固まってくることで、歯がサクッと入り、噛み切ることができるようになるのです。加熱を始め、60℃付近までは温度が高くなる程、食べやすい柔らかさに近づいていき、65℃を超えると急激に硬くなってきます。
また、65℃を超えて肉のたんぱく質が急激に縮むと、細胞内から旨味成分が溶け出して肉の中に広がります。しかしここで加熱をし過ぎてしまうと、旨味成分である肉汁が肉の外に漏れ出して、パサパサした肉になってしまうのです。

肉をおいしく焼くためには、火の通し加減が命!
▼気になるお肉のランク…「A5=おいしい」ワケでない⁈
アルファベットの「歩留等級」は「生産性」の高さの評価で、なんと味の良さには関係なし!
数字の「肉質等級」は「霜降り度合い」の評価。好みによるから、5だからっておいしいワケではないのです。
失敗しないステーキの焼き方、ポイントは5つ
そこで、安い肉を高級肉のように変身させる焼き方のポイントは5つです!
1. 肉を常温に戻す
冷蔵庫から出したての肉は冷たく、加熱に時間がかかります。冷たいままの肉を焼くと、「表面は焼けたけれど中は生焼けだった」「中まで火を通すのに時間がかかってパサパサになってしまった」なんていう失敗のもとに。焼き始める30分〜1時間前に冷蔵庫から出し、常温に戻しておきましょう。(*1cm以下の厚みが薄い肉の場合は神経質になる必要はありません)
2. 筋切りをする
肉を加熱すると、肉の繊維質が急激に縮み、形や大きさが変わります。反り返ってしまって上手に焼けなかったり、食べた時に筋を感じたりする原因に。これらを防ぐために、切り目を入れて、繊維質を短くしておきます。
また、より柔らかさを求めるなら、フォークで全体をぶすぶす刺して繊維質を断つ方法も。包丁で筋の部分に切り目を入れる方法よりも柔らかい食感になりますが、肉汁が出やすくなるためジューシーさは少し落ちる印象なので、お好みの焼き上がりに合わせて使い分けてみても良いでしょう。
3. 塩・こしょうは直前に
塩を振ると肉の内部の水分が表面に引き出されてきます。塩を振ってから焼くまでの時間が長いと、旨味成分とともに肉内部の水分が流出してしまいます。塩は焼く直前に振りましょう。
4. 強火で短時間加熱
ステーキの焼き色と香ばしい風味は「メイラード反応」というものになります。メイラード反応は、食品に含まれるアミノ酸(またはタンパク質)と糖(炭水化物)が、140℃以上の高温で加熱されることで起こる複雑な化学変化の総称。それによって、数百種類もの新しい芳香成分が生成され、ステーキ特有の香ばしさ、ナッツのような香り、肉らしい風味といった複雑な美味しさを生み出します。また生成されるメラノイジンという物質が、肉の表面に褐色(茶色)の美しい焼き色をつけ、クリスピーな食感にも繋がります。
このメイラード反応を起こしながら、いかに焦がさず焼くかということで加熱は強火・短時間」がポイントとなっていきます。
5. 余熱で火を通す(休ませる)
火を止めた後でも、熱を持った肉は加熱が進んでいきます。これを利用して、焼いた後にアルミホイルで包んで少し休ませましょう。実は、ステーキのおいしさとジューシーさを決定づけるには、この「休ませる」という工程は非常に重要です。アルミホイルで包むときは、密着させすぎず、肉の周囲に少し空間ができるように包むと、蒸れすぎずに余熱が伝わります。これにより絶妙な焼き加減になります。
また「休ませる」目的には、肉汁を均一に再分配させる点もあります。焼いている最中、肉の中心部は冷たいままですが、表面近くは高温になります。これにより、肉汁(ドリップ)は熱から逃げるように中心部へ集中します。そのため、休ませることで以下の効果も生まれます。
- 肉汁の再分配: 高温だった表面から中心にかけて徐々に熱が伝わり(余熱調理)、中心に集まっていた肉汁が、肉全体にゆっくりと再分配されます。
- 肉汁の流出防止: 再分配された肉汁は、肉の繊維に再び吸収されます。これにより、切った瞬間に肉汁が大量に流れ出すのを防ぎ、一口目から最後までジューシーに保てます。
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下処理
今回はアメリカ産の牛肩ロース肉を使用しました。厚さは1cm程度。
1. 肉は焼く30分〜1時間程前に冷蔵庫から出し、常温に戻す。
2. 赤身と脂身の境目に切り込みを入れ、筋切りをする。切り込みを入れすぎると肉汁が流れやすくなるので2cm間隔を目安に。

3. 焼く直前に塩こしょうを振る。塩は高い位置から、全体に行き渡るように振りかける。塩の分量の目安は肉の重さの0.8%程度。150gの肉なら小さじ1/4程度が目安です。

焼き方
※今回は暑さ1cm程度の肉を"ミディアム"で焼きます。
1. フライパンを強火にかけ、牛脂を入れて溶かす。
サラダ油を使って焼いても良いですが、牛脂を使って焼くことで旨味を補うことができるので、安い肉をより美味しく食べるためにおすすめです。また、バターを使って焼いても香りやコクが加わるのでおすすめです。
2. 肉を入れたときにジュッと音がするくらいしっかりとフライパンを温め、ステーキ肉の表面から焼き始める。1分弱焼いて、おいしそうな焼き色がついたら裏返す。※厚さによって焼き時間を調整する

3. 裏面も同様に焼き、肉の表面に水分がにじんできたらフライパンから取り出し、アルミホイルの上にのせる。肉をひっくり返すのは1回だけでOK。

4. アルミホイルで肉全体を包み、コンロの横などの温かい場所に置いて5分程休ませる。
レアに仕上げたい場合はアルミホイルに包まずOK。ミディアムレアの場合は2〜3分を目安に休ませます。ウェルダンに仕上げたい場合は裏返して強火で焼いた後、弱火にして2〜3分、肉汁がしっかりと硬くなるまで待ちます。ただし、ウェルダンは中までしっかりと火が通って硬く仕上がるため、和牛など高価で脂肪が多い肉向きの焼き方です。

ソースの作り方
ステーキが焼きあがったら、お好みのソースで召し上がれ! 今回は簡単に作れる和風オニオンソースをご紹介します。
材料(ステーキ1枚分)
たまねぎ 1/4個 / 酒 大さじ2 / みりん 大さじ1 / 醤油 大さじ1 /にんにく(すりおろし) 少々
作り方
1. たまねぎはすりおろしておく。ステーキを焼いたフライパンに酒、みりんを入れ強火で煮立たせる。
2. 1のたまねぎ、醤油、にんにくを入れひと煮立ちさせて完成。

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分厚いステーキを焼きたい時はどうすればいい?

今回は1cm程度の薄めのステーキの焼き方をご紹介しましたが、分厚い肉の場合には火加減をコントロールして焼く必要があります。
最初は肉の表面を焼き固めて旨味を閉じ込めるよう、強火で焼き色がつくまで1分程度焼きますが、そのあとは弱火にし、じっくりと火を通していきます。その後、肉を横から見て1/3程度まで色が変わったのを目安に裏返します。
裏面も同様にまずは強火で焼き色をつけ、再び弱火にして好みの焼き加減になるまで焼きます。3cmほどの分厚い肉の場合には裏返して弱火にした際に蓋をして蒸し焼きにすると良いでしょう。
焼き方次第で肉の美味しさは大きく変わる!
好みもありますが、ステーキの美味しさは焼き方で大きく変わります!特に安い肉の場合はサシが少なく赤身の割合が多い物をよく見かけますが、焼き方の5つのポイントを押さえて、ジューシーで柔らかいステーキを味わいましょう。そして、たくさんステーキを食べたい時には、たっぷりの野菜も忘れずに。ステーキを焼く前のフライパンで野菜を焼くと、洗い物が増えないのでおすすめです。ぜひたっぷりの野菜と一緒にステーキをお楽しみください。
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