ダイエット中の「チートデイ」効果ある?太るだけ?理想的なやり方を管理栄養士が解説

ダイエット中や食事制限中に「何を食べてもOK」といわれるチートデイ。減量への効果があるといわれていますが、実際はどうなのでしょうか?「太るだけでは?」という意見もあり、どちらなのか気になる方も多いでしょう。

今回の記事では「チートデイ」について、管理栄養士が解説します。

目次

チートデイとは

一般的にチートデイとは、ダイエットや糖質制限、減量中に「食べる量や内容を気にせずに、好きなだけ食べてよい日」という意味を指します。

チートデイは週に1~2日とされることが多く、ダイエット中でも週に数回は好きなものを食べられるという気軽さから、注目が集まっている考え方です。

チートデイによるメリットは、食事制限によるストレス軽減や、基礎代謝の低下を防げることなどがいわれています。

食事制限を長く続けてカロリー不足の状態が続くと、ヒトの体の恒常性という性質が働き、基礎代謝を低下させる働きが起こります。これがなかなか痩せなかったり、リバウンドしたりする原因です。

チートデイによりカロリーを補給することで、体が「カロリー不足ではない」と勘違いすることで、基礎代謝低下を防ぐと考えられています。

しかし、本当に効果があるのでしょうか?

チートデイに科学的な根拠は示されていない

メリットがあるように思えるチートデイですが、実は科学的な根拠は示されていません。

チートデイにより、食欲を抑えるレプチンが増加する可能性があるという研究報告もありますが、基礎代謝には変化がみられなかったことがわかっており、また長期的な効果があるかどうかもわかっていません。

また、チートデイに関する研究をさらに探してみましたが、有効であるという論文を現時点では見つけられませんでした。

「チートデイは効果がある」という話が広まっているのは、ボディービルダーなどのハードなトレーニングをする方からの口コミによる可能性があります。

そのためチートデイの効果というよりは、普段ストイックな食生活を送り、ハードなトレーニングをしていることが、減量やボディメイクに成功している理由のひとつとなっているのではないでしょうか。

自分とまったく違う生活・食事・運動スタイルの方の一部分だけをマネしても、効果が期待できるとは考えにくいものです。

「何を食べても大丈夫!」と安易にチートデイを行うのではなく、体への負担が少ない健康的なダイエット法を実践するようにしましょう。

※参照:M Dirlewanger , V di Vetta, E Guenat, P Battilana, G Seematter, P Schneiter, E Jéquier, L Tappy,"Effects of short-term carbohydrate or fat overfeeding on energy expenditure and plasma leptin concentrations in healthy female subjects”,Int J Obes Relat Metab Disord. 2000 Nov;24(11):1413-8.

チートデイによりかえって太ることもある

チートデイを行うことで、かえって太ることも考えられます。これはチートデイによりカロリーを摂りすぎたり、運動不足になったりすることが理由です。

例えば、ダイエットのために1週間11,200kcal(平均して1日1600kcal)に抑えたい場合について考えてみましょう。週6日を毎日1400kcal、週1日をチートデイとして3,500kcal摂ったとします。すると合計11,900kcalとなり、本来摂るべき量より700kcalプラスされてしまい、太ってしまいかねません。

また、正確にカロリーを計算・把握するのは難しいものです。気づかないうちに、カロリーオーバーしてしまうことも考えられます。さらに、たくさん食べた日は運動量や活動量が少なくなることも知られており、消費カロリーが減ってしまい、太りやすくなってしまいます。

「チートデイは食べ放題のようにたくさん食べても痩せる!」という魔法のような方法ではなく「太る可能性もある方法」だといえるでしょう。

食欲コントロールやダイエットモチベーションに悪影響を及ぼす場合も

長期的にチートデイを行うことで、食欲が増してしまったり、ダイエットのモチベーションを低下させたりといった悪影響につながるかもしれません。

過食により、ドーパミンという快楽物質が分泌されることが知られています。そのためさらに食べたい気持ちが強まることも考えられ、ダイエットを妨げてしまう可能性があります。

また頻回にチートデイを行うことで、気持ちがゆるんでモチベーションが下がり、ダイエットが長続きしなくなることも考えられるでしょう。

このことから、ダイエットの中断だけでなく、リバウンドにつながることもあるかもしれません。

チートデイが必要な過度なダイエットは健康にもNG

「好きなだけ食べてOK」という方法は魅力的に思えるかもしれませんが、太らないためにほかの日は厳しく食事制限をする必要もあり、体への影響が心配です。

・食事制限による栄養失調(免疫力・体力の低下、貧血の原因など)
・極端な食事制限が続かずリバウンドしやすい
・チートデイにたくさん食べることで胃腸に負担がかかる
・極端な食事制限と過食を繰り返すことで摂食障害につながることも

極端な方法ではなく、長く続けられる方法の方がストレスが少なく、リバウンドも少ないものです。短期的なメリットばかりに目を向けず、長期的な体への影響も考えて、ダイエット法を考えるようにしてみましょう。

これならOK!理想的な「チートデイ」のやり方とは?

チートデイは「痩せる」根拠はないものの、ダイエット中のストレス解消には有効であるため「ほどほどに」を心がければ実践してもOKです。

具体的には下記のような例であれば心配ないでしょう。
・週に1度だけデザートを1つだけ食べてOKとする
・平日は外食や間食を控えて、休日は1日だけ外食を適度に楽しむ

このようなチートデイなら、ダイエットを長く続けるためのよい息抜きになってくれます。食べることを楽しみながら、無理なくダイエットを続けてくださいね。

チートデイをやるならほどほどに!無理のないダイエットをしよう

今回の記事では「チートデイ」について、管理栄養士が解説しました。

食事制限やダイエットをつらいと感じると、つい楽な方法に飛びついてしまうこともあるかもしれません。

しかし、短期的にはよくても、長期的にみるとデメリットばかりということもしばしばです。ぜひ長く続けられる方法を見つけて、無理のないダイエットを行い、理想の体に近づきましょう!

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