【薬剤師監修】注意したい薬の飲み合わせと食べ合わせについて解説します

薬には、相性が悪く一緒に飲んではいけない「飲み合わせが悪いもの」があることを知っていますか?
ご自身が飲んでいる薬は飲み合わせ的に大丈夫なのか、もし「相性が悪い薬」を一緒に飲んでしまうとどうなるのか、知っておきたいですよね。

今回の記事では「薬の飲み合わせ」について、現役薬剤師が解説します。

目次

薬の飲み合わせとは

薬の飲み合わせとは、同時に異なる薬や食品を摂る時の相性を指します。

薬には相性の悪い薬や食品があり、一緒に飲んでしまうと有害なことがあります。

相性の悪い薬を一緒に飲むとどうなるのか

相性の悪い薬同士を一緒に飲んでしまうと、薬の効果が強く出過ぎて副作用が出てしまったり、逆に薬の効果が弱くなり効果を得られない可能性があります。

例えば、効果が強くなってしまう場合は、血圧を下げる薬だと低血圧になってしまい、ふらつきや気分が遠くなってしまうことがあります。

睡眠薬の場合は翌日起きられない、眠気がつづく、だるいといった症状が出やすくなります。

効果が下がる場合は、抗菌薬の効果が落ち感染症が治りにくく、またその菌に対して免疫力が下がることがあります。

飲み合わせの良くない薬の例

飲み合わせの良くない薬は薬の含量にもよりますが、同じ作用の薬同士(解熱鎮痛剤と解熱鎮痛剤、睡眠薬と睡眠薬)や、抗菌薬と胃薬や利尿薬等さまざまあります。

解熱鎮痛剤と解熱鎮痛剤

解熱鎮痛剤は熱を下げる作用と痛みを抑える作用があります。

病院で処方される場合は一緒に飲んでしまうことはほとんどないのですが、市販薬の総合風邪薬と痛み止めを一緒に飲んでしまうと飲み合わせが悪いことがあります。

これらを一緒に飲むと、解熱作用が強くなってしまったり、胃痛やむくみ、尿量低下、まれに肝臓や腎臓など臓器を痛めてしまうことがあるので注意してください。

睡眠薬と睡眠薬

睡眠薬と睡眠薬は、飲み合わせが悪い場合は効果が強くなってしまい、翌日の倦怠感やだるさ、眠気につながってしまいます。

抗アレルギー薬と抗アレルギー薬

飲み合わせが悪いものを一緒に飲んでしまうと、副作用の眠気、倦怠感、口渇が出やすくなってしまいます。

市販の風邪薬や鼻炎薬、咳止めや乗り物酔いの薬の成分が重なる可能性があるので気をつけましょう。

睡眠薬と抗アレルギー薬

飲み合わせの悪い成分の場合、通常よりも眠気が強くなってしまう可能性があります。

解熱鎮痛剤と降圧薬

相性の悪い場合は一緒に飲むと痙攣が起こる可能性があるため注意しましょう。

病院で処方されている場合は大丈夫な可能性が高いですが、市販の解熱鎮痛剤を飲む時は注意してください。

複数の薬を飲む場合は必ず確認を

上記以外にも飲み合わせの悪い薬同士はあるので、複数の薬を飲む場合は必ず確認してから飲むようにしてください。

また、薬同士だけではなく、食べ物や飲み物との相性が悪い薬もあります。

食前食後どちらかに飲まなければいけない薬も食べ物や飲み物との相性が悪い場合が多いので注意しましょう。

【こんな場合は注意】飲み合わせの悪い薬を飲んでしまうケース

1つの病院の薬を飲む場合は、飲み合わせの悪い薬同士を処方されることはほとんどありません。

しかし、複数の病院で違った診療を受ける際は、処方薬の相性が悪い場合があります。また、処方されている薬に追加して市販薬を購入する場合、市販薬同士の飲み合わせも注意が必要です。

お薬手帳を薬剤師に見せるなど、自身が服用している薬と合わないものが処方されていないか、また購入していないかしっかり確認してもらいましょう。

薬以外で飲み合わせに注意するもの

飲み合わせは薬だけでなく、食品にも気をつけなければいけません。食べ物や飲み物で相性の悪いものを確認しておきましょう。

グレープフルーツ

グレープフルーツは飲み合わせの良くない薬が比較的多いです。グレープフルーツは薬の代謝を阻害するので、薬の効果が強く出てしまうことがあります。

血圧や狭心症の薬、コレステロールの薬、眠剤などをお飲みの方は、今一度飲み合わせが大丈夫な薬か確認してください。

また、グレープフルーツ以外にもはっさくやポンカンなど、グレープフルーツのように飲み合わせが悪い柑橘類もあります。

お茶、コーヒー、紅茶、烏龍茶など

これらの飲み物は薬の効果に影響を与えてしまうことがあります。

薬の効果を十分に得られなかったり、薬の効果が出るのに時間がかかる可能性があるので、一緒に飲まないようにしましょう。

アルコール

アルコールは肝臓の代謝に影響があるので、薬の効果に影響しやすいです。薬の副作用が出やすくなる可能性が高いので、避けるようにしましょう。

炭酸飲料

炭酸は薬が体に吸収される過程で影響があります。
薬の効果を強めたり、弱めたりする可能性があるので、炭酸で薬を飲まないようにしてください。

牛乳、ヨーグルト

牛乳はカルシウムが豊富に含まれています。
カルシウムと相性の悪い薬と飲んでしまうと、薬の効果が減ってしまう可能性があります。骨粗鬆症薬や一部の抗菌薬、鉄剤との併用は避けてください。

チーズ、マグロ

チーズやマグロは抗結核薬との相性がよくありません。処方された場合は避けるようにしましょう。

納豆

納豆はワーファリンという血液をサラサラにする薬と相性が悪いです。ワーファリンを飲んでいる方は納豆は控えてください。

サプリメント

・ミネラル(カルシウム、マグネシウム)
ミネラルと薬を一緒に飲むと、薬の効果が減ってしまったりと影響が出る可能性がありますので注意しましょう。

・セントジョーンズワート
セントジョーンズワートは様々な薬と相性が悪いので注意が必要です。薬の代謝に影響を及ぼし、薬の効果を十分に得られない可能性があります。

ピルや気管支拡張剤や強心薬、抗うつ薬など色々な種類の薬に影響するので、セントジョーンズワートを摂る場合は十分注意してください。

出典:生労働省 情報発信等推進事業HP

もし飲み合わせの悪い薬同士を飲んでしまったら?

もし飲み合わせの悪い薬を飲んでしまったら、体調に気をつけて安静にしてください。もし体調に異常が見られた場合は受診を検討してください。

薬には「飲み合わせ」がある!複数摂取する場合はしっかり確認を!

今回の記事では、「薬の飲み合わせ」について薬剤師が解説しました。

薬を複数取る場合、また食品やサプリメントを摂る時に避けるべきものがあるということが分かりました。薬を飲む際は十分注意して、適切に飲むように心がけましょう。

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