カビの発生原因を知って対策を! できてしまったカビの掃除法も解説

湿気や冬場の結露が原因で発生してしまうカビ。掃除してもまたすぐに発生してしまい、困っている家庭も多いのではないでしょうか。今回はライオン株式会社「リビングケアマイスター」の吉井和美さんに、適切な対策・対処方法やおすすめのアイテムを教えてもらいました。

目次

カビが発生する原因

カビは、「胞子(カビの原因菌)」という種のようなものからスタートし、成長すると「菌糸」と呼ばれる根のようなものを伸ばし始めます。菌糸は枝分かれしながら成長し、その先端などからまた新たに胞子をつくってばらまくようになります。ばらまかれた胞子は別の場所に付着して、そこで新たに成長を始める…というライフサイクルを持っています。実は「カビが生えた」と私たちが気づくときは、すでにカビは菌糸が枝分かれして成長している状態です。その前から目に見えないだけでカビの原因菌は存在していたのです。

カビが成長しやすい環境としては、「適度な温度(20~30℃)」「水分(黒カビは湿度85%以上)」「栄養(汚れなど)」の3条件があり、これが揃うと一気に増殖します。気温、湿度ともに上昇する梅雨の時期などは、まさにカビの増殖にはもってこいの季節。また同様に、浴室もこの条件が揃いやすい場所のため、カビに悩まされることが多くなります。

カビの対策法

ここでは、特にカビが発生しやすい浴室での対策をご紹介します。カビ対策には、カビ原因の芽を摘んでおくことが大切です。カビが増殖する3条件(温度・水分・栄養)を取り除くとともに、黒カビが見えるようになる前に、カビの原因菌を除菌しましょう。

まず、温度や水分を取り除くために、入浴後の換気を意識すること。換気扇をつけ、かつ窓やドアを少し開けるのがおすすめです。入ってくる空気がないと換気できないので、空気の流れをつくるように心がけましょう。また、少し手間ですが、入浴後に壁や床の水滴をふき取ると、なお良いです。鏡や窓などの水気を取る道具「スクイージー」を使えば、一気に水が切れるので楽にふき取りができますよ。

また、カビ増殖のもととなる汚れを取り除くために、入浴後はシャワーで壁や床に飛び散った汚れを流しておくことも重要。この際、水のシャワーだと乾きにくく水滴が残りやすくなってしまうので、湯のシャワーで流すのがおすすめです。また、シャワーで流すだけでは、汚れは落としきれないので、週に1回を目安に、浴室用洗剤を使って壁や床の汚れをしっかり洗いましょう。

さらに、見えないカビの原因菌を除菌するためには、除菌成分を含んだ煙で浴室をまるごと除菌できる、くん煙タイプの防カビ剤がおすすめです。ライオンの商品であれば、おすすめは「ルック おふろの防カビくん煙剤」。煙が隅々まで届いて、目に見えない黒カビの原因菌まで除菌してくれます。

画像提供 ライオン株式会社

発生したカビの掃除方法

発生してしまったカビは、塩素系カビ取り剤を使って掃除しましょう。カビが生えている場所にスプレーしてしばらく放置し(放置時間は製品によって異なります)、水でよく流します。落ちないからといって、ゴシゴシこするのはNG。壁などの素材に傷をつけてしまうと、その傷がカビの住処になり、どんどん落としにくくなってしまう可能性があります。1回で落ちない場合は、カビ取り剤をスプレーして水で流すことを繰り返しましょう。ティッシュペーパーを使ってカビ取り剤を湿布するのもよいでしょう。

浴室によく発生するピンク色のヌメリは、酵母というカビの仲間が主な原因で、増殖スピードが速いのが特徴です。浴室用洗剤をかけてスポンジでこすって落とします。ヌルヌルと気持ち悪くスポンジでこすりたくない場合は、塩素系カビ取り剤を使うと触らずに落とすことができます。

おすすめカビ予防・掃除アイテム

ドラッグストアやホームセンターには、カビ対策・掃除アイテムが多数揃っています。浴室掃除用の洗剤などは基本ですが、その他にも持っておきたいおすすめアイテムは以下の通りです。

スクイージー

水切りワイパーとも呼ばれるアイテムで、100円ショップでも買うことができます。水分を簡単にふき取れるので、カビの発生予防に役立ちます。

くん煙タイプの防カビ剤

見えないカビの原因菌をしっかり除菌するために、お風呂場ではくん煙タイプの防カビ剤を定期的に使用して黒カビの発生を防ぎましょう。

塩素系カビ取り剤

塩素系カビ取り剤は黒カビに強力に効き、汚れを落としてくれます。ただし、「酸性タイプ」と混ぜると有害なガスが出て危険です。使用時は換気をよくして、眼鏡、手袋、マスクを着用してください。また、注意表示をしっかりと読んで使うようにしましょう。最近よく掃除で使われる酢やクエン酸も酸性ですので、塩素系カビ取り剤と一緒に使わないようにしてください。

適切なカビ対策で、きれいな家を保ちましょう。

取材協力

ライオン株式会社 リビングケアマイスター 吉井和美(よしいかずみ)

掃除用洗剤の製品開発を約15年、技術者向けの情報発信を約5年経験。これまでの知識を活かし、掃除に前向きに取り組めるようなコツやノウハウをわかりやすく伝えます。ライオンの生活情報メディア「Lidea」でも情報発信中。

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