預貯金だけではリスクあり?FPが資産運用の種類とおすすめな方法を初心者向けに解説します

先行きが見えず何かと不安を感じることも多い昨今、お金の問題は将来に向けてしっかり考えていきたいですね。
預貯金だけでは資産形成が難しい世の中ですが、資産運用についてきちんと考えられているでしょうか。

資産運用には、数多くの運用方法があります。
この記事では、3級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)が「初心者でもわかりやすい資産運用の種類」について解説します。
上手に資産を運用して、お金にも働いてもらいましょう。

目次

資産運用とは?どんな種類があるの?初心者にもわかりやすく解説

「資産運用」とは、自分が持っているお金(資産)を預貯金や投資に配分(運用)することで、お金を効率的に増やしていくことです。

資産運用向けの商品は、預貯金や株式投資、投資信託やFX、仮想通貨など、たくさんの種類があります。大きく価格が上下するものや、値動きはほとんどないが安全に運用ができるものなど、種類によって特徴も異なります。

自分に合った投資方法を探して、無理のない投資をおこないましょう。

また、投資は誰にでも行うことができます。投資は「お金持ちがやることだ!」と思わずに、記事を読み進めて気軽に資産運用をしてみましょう。

種類豊富な資産運用!自分に合った方法でお金にも働いてもらおう

銀行に預貯金をしておくだけでは資産は増えていきません。むしろ、円の価値が下がれば、銀行にお金を眠らせているだけでは総体的に資産が減っているとも言えます。

お金にも働いてもらうため、種類豊富な資産運用から自分にピッタリな方法を探し、かしこく運用してくことが必要です。

では、資産運用にはどのような種類があるのでしょうか。

資産運用の種類と内容10選を徹底解説!

数ある資産運用の中から、よく活用される運用方法である下記10選を解説します。

 ・円預金
 ・外貨預金
 ・株式投資
 ・投資信託
 ・保険
 ・債券
 ・金
 ・FX
 ・暗号資産(仮想通貨)
 ・不動産

ローリスクローリターン・ハイリスクハイリターンや、必要になる資金のある・なしなど種類によって様々です。

種類別にわかりやすく説明していますので、自分に合った運用方法を見つけてください。

円預金

銀行にお金を預けておく、円預金も資産運用の一つです。

円預金にも「普通預金」「定期預金」「積立式定期預金」などがあります。円預金のリスクとしては、銀行が破綻した場合に預けたいたお金が返ってこないことですが、預金保険制度というものがあるので、1金融機関ごとに預金者1人あたり元本1,000万円とその利息までは保護されるので安心です。

ただ、安全ではあるものの、超低金利が続いている現状では、お金を預けていても増えることはほとんどありません。資産運用を円預金1本に絞るのは、見方によってはリスクの方が高いともいえるでしょう。

外貨預金

外貨預金とは、ドルやオーストラリアドルといった外国通貨で預金をすることです。

円安になれば大きなリターンを得ることができます。また、金利が円預金より高く設定されている点も特徴です。

しかし、円高になった場合は、元本割れをすることがあります。外貨預金をするためには円を外貨に交換し、日本で使用する場合は円に戻さないといけません。

そして、円預金とは異なり「預金保険制度」の対象外となっていることを理解しておきましょう。

株式投資

株式を購入することでその会社の「出資者」になり、「株主」と呼ばれます。

株式投資は、「株式」の取得価額よりも高い価格で株式を売れば、譲渡益を得ることができます。

また、企業が株主に対して年に1・2回、利益の還元として配当金を出すことがあるので、それを受け取ることができます。

また、一定数の株式を保有していると、優待券や割引券、記念品といった株主優待を受けられることがあります。

配当金や株主優待、譲渡益などのメリットが見られるものの、値動きが激しく、銘柄選定や売買のタイミングの見極めなどの難しさがあります。

投資信託

投資信託とは、投資をしてくれるたくさんの人から集めたお金を1つの大きな資金として、運用の専門家が株式や債券などで運用するものです。

そして、得られた利益を、投資した人達の投資額に応じて分配される仕組みの金融商品です。

専門家に任せられるので、自分で運用できない初心者にはピッタリの運用方法です。また、毎月少額からコツコツと積み立てることができるので、豊富な資金がなくても取り組める運用方法になります。

一方で、大きなリターンを得ることは難しく、元本割れのリスクもありますが、長期的に見れば右肩上がりのものがほとんど。ちなみに、インデックスファンドも投資信託の一つです。

保険

保険は、万が一に備えて加入するものと思われがちですが、数ある商品の中には「貯蓄性」のあるものが存在し、資産運用として使えるものがあります。

「終身保険」「養老保険」「学資保険」「個人年金保険」が資産運用としての機能を持っています。

金利が低くなっている今、新規加入では大きくお金を増やすことは難しいですが、保険機能が付いている商品もあるので、「貯める」と「備える」を同時に可能にします。

また、税金の控除を受けられるメリットもあります。

債券

債券とは、国・地方公共団体・企業が投資家などから資金を借り入れるときに発行する有価証券のことです。

支払われる利息があらかじめ決められており、収益額がはっきりしているので、株式や投資信託などと比較すると安全性が高く、収益性も安定していると言われています。

注意点としては、発行体が倒産や財政難に陥ると、利息や償還金が受けられなくなる可能性があります。

金投資とは、「金(ゴールド)」を投資の対象にする資産運用です。

金は「有事の金」と呼ばれており、その理由として、金は株式と異なる値動きをする傾向があり、株安・紛争・テロなど世界情勢が不安定になる出来事が起こると、安全資産として金を買う人が増えるためです。

価値基準が世界共通であり、鉱物なので埋蔵量に限りがあり希少価値が高く、無価値にならない点も魅力です。

FX

FXとは、英語の「Foreign Exchange」(外国為替の意)の略称で「外国為替証拠金取引」のことです。

外国為替証拠金取引の「外国為替」とは、「お金を交換する」こと。例えば、両替所などで日本円を米ドルに交換しますが、この交換が「外国為替」なのです。円とドルを交換するときの価値を表したものが、「為替レート」と呼ばれ、「(例)1ドル=100円」などと言われるものです。

為替レートは日々変化しており、その差額を利用して利益を出します。

ただ、FXはルールが少し複雑で、ハイリスクハイリターンのギャンブルになりやすいと言われています。

暗号資産(仮想通貨)

暗号資産は仮想通貨のことです。

2020年5月1日に改正資金決済法と改正金融商品取引法が施行され、「仮想通貨」という呼称から「暗号資産」に切り替えられています。

暗号資産とは、インターネット上でやりとりできる財産的価値のことです。代表的な暗号資産には、ビットコインやイーサリアムなどがあります。

ちなみに暗号資産は、国家やその中央銀行によって発行された法定通貨ではありません。
また、裏付け資産を持っていないことなどから、利用者の需給関係などのさまざまな要因によって、暗号資産の価格が大きく変動する場合があります。

不動産

不動産での資産運用は、「大家」さんとしてアパートやマンション、戸建てを貸し、家賃収入を得ることになります。

不動産を取得する際にまとまった資金が必要になりますが、ローンを組んで取得することも可能です。

入居があれば、長期的に安定した収入を得ることができますが、空室のリスクや老朽化のリスクがあります。

種類豊富な資産運用、初心者は株式投資(インデックス積立)がおすすめ

資産運用には、数多くの種類や方法があることを理解していただけたでしょうか。

初心者におすすめする資産運用の方法は、株式の投資信託の中でもインデックス積立となります。

インデックス積立とは?どんな種類の資産運用なの?

インデックス投資とは、市場の値動きを示す指数(=インデックス)の値動きに連動を目指す投資方法です。

それを毎月定額で投資を行うことで、値が高いときは量を少なく、値が低いときは量を多く買い付ける効果があり、その市場を構成する複数の銘柄に分散投資ができます。

代表的なものでは、日本株式では「日経平均株価(日経225、日経平均)・東証株価指数(TOPIX)」、米国株式では「NYダウ(ダウ平均株価)・S&P500指数・ナスダック総合指数」などです。ニュースでもおなじみなので、聞いたことがあるのではないでしょうか。

株式投資(インデックス積立)でほったらかし

インデックス投資は、時間をかけて値動きを味方につけ、長期積立投資しながら運用していくスタイルが向いています。

さらに、インデックスファンドを買うだけで、分散投資ができることも魅力の1つ。

また、少額から始められ、毎月定額購入が自動できるので、一度にたくさんの余剰資金がなくても、毎月コツコツと預金感覚で気軽に始めることができるのがポイントです。

商品選びで迷ったら全世界株式・米国株式・S&P500関連商品を!

インデックス投資にも様には々な商品があり、選ぶのを迷ってしまうこともあるでしょう。

そんな時、全世界株式や米国株式、米国株式の中でも、S&P500がおすすめです。

全世界株式・米国株式・S&P500関連商品がおすすめな理由

全世界株式は、文字通り世界中の株式に投資する商品です。全世界株式のファンドを購入することで、世界中の企業に投資できます。

全世界株式なら、世界中にリスクが分散されているため、リスク回避ができるのです。

米国株式は、米国の証券取引所に上場している株式のことです。米国株式市場は、好パフォーマンスの実績があります。もちろん、短期間で見れば下がっている時もありましたが、 長期で見れば右肩上がりの好成績が伺えます。

米国株式の中でも、米国の代表的な株価指数であるS&P500は、GAFA(米国のIT関連企業大手4社の頭文字)を中心とした代表的な500銘柄を時価総額で果汁平均し指数化したものです。

そのため、S&P500に連動するファンドに投資すれば、アメリカの主要企業500社へ投資していることと同じ効果が期待できるのです。

資産運用は対象商品の特徴を自身でしっかり調べて自己責任で!

初心者におすすめする全世界株式や米国株式、S&P500関連商品ですが、元本保証はされていません。

長期的に安定的な利益をあげているので安心しがちですが、投資のタイミングなどで下落し、思った通りの利益が出ない場合もあります。

そのため、投資の特徴をよく知り、自己責任の範囲内でおこなうようにしましょう。

商品種類の特徴と合わせて資産運用のメリット・デメリットを理解する

資産運用の種類には、どの運用方法にもメリット・デメリットはあります。

自分にあった資産運用をしっかりと調べ、メリット・デメリットを理解してから運用を始めましょう。

特に高額な資金を要するものは安易に始めず、じっくりとリサーチして下さい。

初心者でも気軽に始められる資産運用(インデックス積立)のメリット

市場全体に投資するインデックス積立投資なら、株の銘柄に詳しくなくても気軽に投資をすることができるので、数ある資産運用の中でも初心者が始めるのにぴったりです。

始めやすいというのは大きなメリットですね。

また、インデックス投資は、複数株に投資したことと同じ効果があるので、リスクの分散ができます。

さらに、小額から始められて手数料も比較的安価なものが多いのもポイントです。

初心者でも気軽に始められる資産運用(インデックス積立)のデメリット

ほかの投資方法にもあてはまりますが、インデックス積立投資も元本保証はありません。

先に紹介した、米国株式なども、長期的に見ると右肩上がりではありますが、下がることもあります。

なので、「元本保証はない」ということはしっかりと念頭において下さい。

また、インデックス投資は長期運用に向いている投資方法です。短期間で大きな利益を狙いたい人にはデメリットになるでしょう。

種類豊富な資産運用!初心者はほったらかしOKなインデックス積立から

今回の記事では、3級FPが「初心者向けの資産運用の種類」について解説しました。

今すぐにでも資産運用を始めたい初心者の方は、詳しい知識がなくても「ほったらかし」でOKなインデックス積立投資から始めましょう。

毎月、自分で決めた小額から始められるので、まとまった資産がなくてもすぐにスタートすることができます。

長期運用が基本なのですぐには利益は見込めませんが、早めにスタートして将来に向けて大きくお金を増やしましょう。

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