塩分過多はこんなに危険!摂り過ぎたときの対処法や注意点を薬剤師が解説します

忙しいときに便利な外食。
準備や後片付けをしなくてもおいしい食事をとれるので、忙しい人ほど外食を利用する機会が多いのではないでしょうか。

しかし、外食が多くなると、塩分の摂り過ぎが気になったりしませんか?

今回の記事では、最適な塩分摂取量の目安をはじめ、「塩分を摂りすぎてしまった際の対処法や注意点」などを解説し、塩分を摂り過ぎないためにどうすればいいのかについて現役薬剤師が解説します。

目次

塩分の過多はよくないのか?【摂り過ぎたときの危険性】

塩分には1日あたりの適量があるため、摂りすぎてしまうと「高血圧」になるリスクが高くなります。

高血圧は、脳卒中や心臓病、腎機能の低下などを誘発してしまう可能性があるので、日頃から塩分の摂り過ぎ予防を意識することが大切です。

1日の塩分適正量

日本高血圧学会減塩委員会の提言によると、塩分は1日あたり男性は7.5g未満、女性は6.5g未満が推奨されています。

元々高血圧や腎臓病などの疾患を抱えている方は、重症化予防のため1日6g未満が推奨されています。世界保健機関(WHO)も、すべての成人の減塩目標を5gに設定しています。

参考:日本高血圧学会HP / https://www.jpnsh.jp/com_salt.html

塩分摂り過ぎの目安量

外食やコンビニ食などは旨味を感じやすくしたり、保存の品質を上げるために塩分が多く含まれている傾向にあります。
外食や市販のお弁当、即席系の食事が多い方は、塩分摂取量が多くないか注意してください。

しかし、塩分は普段1日あたりどれくらい摂っているのか分からないですよね。
具体的な食品メニュー別でどれくらい塩分が含まれているのかは、下記の通りです。

参考にしてみてください。

・チャーハン 2.5g
・カレーライス(ビーフ) 3.9g
・フライドポテト 1.0g
・カップラーメン 6.2g
・しょうゆラーメン 7.3g
・ミートソーススパゲッティ 4.4g

以上から、塩分は外食にありがちな食品メニューに多く含まれていることが分かります。

※参考:大塚食品HP / https://www.otsukafoods.co.jp/enjoy/health/index02-2.html
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト / https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-002.html

塩分を摂り過ぎたとき身体の中では何が起こる?

塩分を摂りすぎると、血液中のナトリウムの濃度が高くなります。
そして、体内のナトリウムと水分の量を調整するために、血管中の血液量が増えて血圧が高くなり、いわゆる「高血圧」の状態になります。

高血圧の状態が続くと、血管はもろくなり、血管が硬くなり「動脈硬化」を引き起こす可能性があります。
動脈硬化は、脳卒中や心臓病、腎臓病などの原因につながるため、注意が必要です。

塩分を摂りすぎた時に起こりやすい病気

前述の通り、塩分の摂り過ぎでかかる恐れがある病気は次の通りです。

・高血圧
・脳卒中
・心不全
・慢性腎臓病(CKD)

順番に説明していきます。

高血圧

血圧とは、血液が動脈を流れる際に血管の内側にかかる圧力のことです。
収縮期血圧が140㎜Hg以上、拡張期血圧が90㎜Hg以上は「高血圧」と診断されます。

主に頭痛やめまい、肩こりなどが起きやすくなりますが、自覚症状が全く無いことも多いです。
血圧が高いほど、脳卒中や心臓病、腎臓病などの合併症が発症する危険性が高くなります。

脳卒中

脳卒中とは、脳の血管が急に破れたり詰まったりしてしまう病気です。
脳卒中は血管が破れる「脳出血」と、血管が詰まる「脳梗塞」とに分けられ、脳に障害を起こし様々な症状を引き起こします。

参考:日本脳卒中学会HP / https://www.jsts.gr.jp/common/overview.html

心不全

心不全とは、段々と心臓が悪くなり、少しずつ寿命を縮める病気です。
心臓から十分な血液を送り出せなくなり、体に必要な酸素や栄養を送れなくなります。

最初は主に息切れや疲労感、むくみといった症状から始まります。
体の循環が悪くなり水分が体に溜まりやすくなると、足がむくんだり浮腫で体重が急に増加します。

また腹部膨満や呼吸が苦しくなることもあります。

国立循環器研究センターHP / https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/heart-failure/

慢性腎臓病(CKD)

慢性腎臓病とは、腎臓の機能が慢性的に低下してしまう病気です。
初期症状はほとんど無く、気が付いたら腎機能が低下しているケースがほとんどといわれています。

腎機能が下がると、夜間尿、むくみ、貧血、倦怠感、息切れなどの症状が現れます。
腎臓は一度ある程度まで悪くなると自然に治ることはなく、透析療法や腎臓移植を行わなければいけなくなる可能性があります。

厚生労働省HP / https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042647.pdf

塩分を摂り過ぎたときの対処法

とはいえ、注意していても一時的に塩分を摂りすぎてしまうこともありますよね。
そんな時の対策として参考にしてください。

水分を摂る

塩分を摂り過ぎると血液中のナトリウム濃度が高くなっているので、水分をよく摂り体の外に排出しやすくしましょう。

カリウムの多い食材を摂る

カリウムは、体内のナトリウムを外に出しやすくしてくれます。

バナナ、アボカド、きゅうり、トマト、キウイ、りんご、乾燥したアンズやイチジクに豊富に含まれているので、積極的に摂るようにしましょう。

汗をかく

塩分を多く摂ると、喉が渇き体が水分を欲するためむくみやすくなります。

体に溜まった余分な水分を外に出すために運動したり半身浴などで汗をかくようにしましょう。

塩分過多を予防する工夫【摂り過ぎたときにも考えたい】

塩分の摂り過ぎは、食事のちょっとした工夫で抑えたり予防したりすることが可能です。

減塩

減塩しても食事を美味しく摂るために、出汁などの旨味成分、酸味や香辛料を使うと減塩して美味しく食べられます。
最近では醤油や出汁等で減塩されている商品がよく出ています。

また、味が足りない時は塩や醤油などをかけるのではなく、少しずつ付けて食べることで摂取量が自然と抑えられます。

厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト / https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-002.html

塩分過多は健康上のリスクあり!摂り過ぎたときの対処法を知ろう!

今回の記事では、「塩分摂取量の目安や摂り過ぎないための注意点」「塩分を摂りすぎてしまった際の対処法」について、現役薬剤師が解説しました。

塩分を摂りすぎると、体に少しずつ悪い影響が出てしまうことが分かりましたね。
少し気を付けていけば、体に優しい食生活を送れます。
5年後、10年後の自分を大切に、日々を過ごしていきましょう。

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