パスタとスパゲッティの違い--マカロニやペンネ等パスタの種類や材料も解説

手軽なメニューとして大活躍のパスタ。ところで、「パスタ」と「スパゲッティ」がどう違うのかご存知ですか。また同じ"小麦粉"から作る麺であるのに、うどんなどと食感が異なるのはなぜでしょうか。パスタに関するトリビアを一般社団法人日本パスタ協会に教えてもらいました。

目次

パスタとスパゲッティの違い

まずは、パスタとスパゲッティの違いから説明します。一般社団法人日本パスタ協会によると、パスタとは小麦粉と水を練り合わせて作られる食品全般のこと。スパゲッティやマカロニなど、あらゆる形状の麺の総称です。パスタには主に「デュラムセモリナ」という小麦粉が使用されます。ちなみに、イタリアではデュラムセモリナを100%使用することが義務づけられていますが(生パスタは普通小麦粉の使用可)、日本では必ずしもそうではありません。

対してスパゲッティはというと、パスタの中の1種類を意味します。一般的に流通しているものでは、直径1.4mm~1.9mm前後で、長さが25cm前後の円柱状の長いパスタのことを指します。パスタの中では一番ポピュラーなタイプで、イタリア語で紐や糸を意味するスパーゴ(spago)から由来した名称です。

つまりレストランなどでスパゲッティを使ったメニューが出てきた場合に、それを「パスタ」と呼ぶのは間違いではありませんが、例えば円筒状ではなく平たい形状の麺を使ったパスタ料理が出てきた場合は、それを「スパゲッティ」と呼ぶと間違いとなります。

こちらは「パスタ」ではあるが「スパゲッティ」ではない

JASでもパスタの形状は分類されている

日本で生産されるパスタ(マカロニ類)の品質を保証するために、日本農林規格(JAS)では「マカロニ類の日本農林規格」でパスタを4つに分類しています。

JASによれば「1.2mm以上の太さの棒状又は2.5mm未満の太さの管状に成形したもの」を「スパゲッティ」、「2.5mm以上の太さの管状又はその他の形状(棒状又は帯状のものを除く)に成形したもの」を「マカロニ」と呼びます。また、「1.2mm未満の太さの棒状に成型したもの」はあまり聞きなれませんが「バーミセリ」と分類され、4つ目の「ヌードル」は「帯状に成型したもの」とされています。

なお日本で生産されたパスタでも、JAS規格に合致しない製品が流通していることも。JASマークがないからと言って商品自体に問題があるわけではないのでご安心ください。

主なパスタの種類

一般的に、パスタは主に「ロングパスタ」と「ショートパスタ」に分けられ、形状によって名称が異なります。それぞれに属するパスタについて、形状や合うソースの特徴は以下の通りです。

ロングパスタ

スパゲッティ

直径1.4mm~1.9mm前後で長さ25cm前後の円柱状のパスタ。スパゲッティの中でも太さにより合うソースが異なり、太いタイプのスパゲッティは濃厚なソースに、細いタイプは汁気が多く軽いソースに適している。

バーミセリ

直径1.0mm~1.2mm前後で長さ25cm前後の円柱状タイプ。こちらも細めの麺なので汁気が多く軽いソースに合う。

リングイネ

楕円形の切り口をした棒状のパスタのこと。スパゲッティの歯応えとヌードルのツルツルとした食感を同時に楽しめるのが特徴。汁気が多いソースやホワイトソースと合わせてよく使用される。

フェットチーネ、タリアッテレ

幅5mm~10mm程度の平麺で帯状のパスタ。クリームソースとの相性が非常に良い。ちなみに、「フェットチーネ」とは主にイタリアの中部・南部で使われる呼び名で、主に同国北部で使われる「タリアッテレ」とは同じ種類のパスタを指す。

ショートパスタ

マカロニ

穴が開いた円筒状のパスタで直径は2mm~5mm程度、円周部の厚さが1mm程度のもの。日本ではサラダやグラタンによく使用される。濃いめのソースとよく合う。

ペンネ

円筒状のマカロニの両端をペン先のような斜めの形状にカットしたもの。両端が斜めにカットされることにより、ソースが筒の中に入りやすくなり味がよくしみ込む。また、表面に筋がついている「ペンネリガーテ」(rigate=筋)のタイプもある。こちらもトマトソースやクリームソースなどの濃いめのソースとよく合う。

シェル

その名の通り貝の形をしたパスタ。表面に筋がついており、幅10mm~20mmのものが一般的。なお、ソースと絡める他に大きなものは中に詰め物をして調理するスタイルもある。

カール

クルクルとらせん状にねじれた形状をしている。ねじれた溝の部分にドレッシングやマヨネーズが絡まりやすいため、サラダパスタとしてよく使用される。

同じ形状の麺でもメーカーにより茹で時間が違うのはなぜ?

商品によって茹で時間が異なることに疑問を持ったことはありませんか。基本的な茹で時間の違いは麺の直径(麺径)の違いによりますが、その他の工夫も。最近はパスタ調理を簡便化・合理化したいという生活者の要望に応えるため、各メーカーから早茹でタイプのマカロニやスパゲッティが開発されています。早茹でタイプのパスタは、各社ごとに形状は異なるものの溝を入れるなどの構造で、麺の表面積を大きくするという工夫をしています。このことにより水分の浸透度を早め、茹で時間を短縮してるというわけです。

各商品の茹で時間は、メーカーが自分たちが作った麺を一番おいしく食べられる時間を何回も実験して決めたもの。袋の表示時間を参考にしながら、好みの硬さに茹で上げてください。

うどんとどう違う?

うどんも小麦粉と水で練り上げられた麺だけど……

小麦粉を水などで練り上げるという工程は同じなのに、「うどん」や「そうめん」と「パスタ」の味や食感が異なるのはなぜでしょうか。その秘密は小麦粉の品種(原料)や製法にあります。パスタは、前述のようにデュラム小麦という粒がとても硬い小麦を粗挽きした「デュラムセモリナ」を主に原料としています。このデュラムセモリナは他の麺類で使用する小麦粉とは異なり、グルテンが強い特徴があります。

パスタがモチモチで、うどんなどよりも食感がしっかりしているのはこのため。よくパスタのパッケージに「デュラムセモリナ使用」という文字がありますが、この特徴ある食感を主張したメッセージというわけです。

なお冒頭で紹介しましたが、全てのパスタにデュラムセモリナが使用されているわけではなく、配合割合を変えたり他の小麦粉を使用したりしているパスタもあります。

また製法として、パスタは水とデュラムセモリナなどを練り、生地から空気を抜いた上で高圧で押し出す方法で作るため、麺の組織が緻密になります。一方でうどんは水と小麦粉、塩を加えて練った生地を延ばし、裁断して作ります。そのためパスタより緻密ではありません。パスタの麺の方がしっかりした食感になっているのはこれが理由です。

パスタについて理解は深まりましたか。形状の違いなどを理解しておくと、よりその麺にあったソースがわかるようになり料理上手になれるかもしれません。おいしくパスタを食べるために、パスタトリビアをお役立てくださいね。

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