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新じゃがはシーズン中に積極的に"買い"--ビタミンC含有量はじゃがいもの4倍!!
春から初夏にかけてスーパーや青果店に並ぶ新じゃがは、春の訪れを感じる食材の1つですね。そんな新じゃがはビタミンCの含有量が高く、調理しやすいなどのメリットもたくさんあると管理栄養士の尾花友理先生が解説してくれました。新じゃがが"買い"食材である理由とは?
新じゃがに関する栄養基礎知識
年間を通して身近な食材、じゃがいも。春から初夏にかけては通常のじゃがいもより少し小さめの新じゃがが店頭に並びます。
新じゃがとじゃがいも、何が違うのかご存知ですか? 通常のじゃがいもは春から夏にかけて育てられ、秋から冬にかけて収穫されます。一方、新じゃがは冬から育てられ、春から夏にかけて収穫されます。そして通常のじゃがいもとの大きな違いが、収穫後すぐに出荷される点。じゃがいもは収穫後に貯蔵庫で貯蔵され、熟成してから出荷されるため、水分がほどよくぬけてホクホクした食感になります。一方、新じゃがは収穫後間もないため、水分が多いのが特徴です。
新じゃがが"買い"な理由
さて、ここからは新じゃがが本当の意味で買うべき食材である理由を見ていきましょう。
"買い"ポイント1: 皮をむく手間が省ける
じゃがいもは、皮をむくのがちょっと面倒ですよね。でも、新じゃがは皮が薄いため、よく洗えば皮をむかずにそのまま調理可能。調理時間が大幅にカットできちゃいます。
じゃがいもの芽や皮には、ソラニンという有害物質が含まれていると聞いたことがある人もいるかもしれません。新じゃがは収穫後間もないことから、芽が出ていることは考えにくく、芽を取り除く工程はほぼありません。
ただし、日の当たる場所で保管してしまうと、皮が緑色っぽく変色してしまうことがあります。そうなってしまった新じゃがはソラニンを多く含む可能性があるため、皮ごと調理するのは避けましょう。
"買い"ポイント2: じゃがいもより栄養価が高い
じゃがいもに多い栄養素といえば、免疫力を高めたり、美肌作りに貢献するビタミンC 。そのビタミンCの含有量が、新じゃがは通常のじゃがいもに比べておよそ4倍も含まれています。ビタミンC は収穫後時間が経つにつれて減少する傾向にあるため、収穫後すぐに出荷される新じゃがには、じゃがいもよりも多くのビタミンCが残っているという理由です。
また皮ごと調理が可能なため、皮に含まれるビタミンやミネラルなども、くまなく栄養を摂ることができます。
"買い"ポイント3: 煮くずれしにくい
新じゃがの特徴としてもう1つ嬉しいポイントが、煮くずれしにくい点。たとえばカレーやシチュー、ポトフなどじっくり煮込んだり、多めに作って何度も温め直して食べる料理に新じゃがをつかえば、じゃがいもが溶けてしまうという心配も無用です。
新じゃがの良さをいかしたレシピを紹介
新じゃがと豚肉のごろごろ煮
新じゃがのおいしさを丸ごと味わえるこっくりとした煮物です。煮詰めたら火を止めてじっくり味をしみこませて。
材料(4人分)
豚肩ロースブロック肉 500g / 新じゃが(中) 8個 / 油 大さじ1
A(醤油、酒 各大さじ2 / 砂糖 大さじ1と1/2 / みりん 大さじ1 / 和風顆粒だし 小さじ1/2)
作り方
1. 豚肉は1cmの厚さに切る。
2. 新じゃがは皮をよく洗い、大きいものは半分に切る。
3. フライパンに油を中火で熱し、1を両面こんがりするまで焼く。
4. 2を加え炒め合わせたら、水300cc(分量外)とAを入れ、蓋をして20分煮る。
5. じゃがいもに竹串を刺し、火が通っていたら蓋を開けて煮汁にとろみが出るまで煮詰める。
春から初夏にかけてしか味わえない、おいしく便利な新じゃが。シーズン中はぜひたくさん味わってくださいね。