玉ねぎは食べすぎるとどうなるの?体に起こる不調や危険性を管理栄養士が解説

生のシャキシャキ感はもちろん、トロトロになるまで煮込んだりと調理法次第で様々な味わいが楽しめる玉ねぎ。季節を問わず食べられる上、体にいいからと積極的に食べる方は多いと思いますが、食べすぎても大丈夫なのでしょうか?玉ねぎを食べすぎるとどんな影響があるか、管理栄養士が解説します!

目次

玉ねぎが体にもたらす効果とは?

「体にいい」というイメージのある玉ねぎですが、実際に玉ねぎを食べることで体にどのような変化をもたらすのでしょうか?玉ねぎには、「硫化アリル(アリシン)※以下、アリシン」や「ケルセチン」と呼ばれる成分が含まれています。「アリシン」は、血液凝固抑制作用による血液サラサラ効果、「ケルセチン」は、強い抗酸化力による血圧低下や脂肪吸収効果など、多岐にわたって体にもたらす効果を期待できます。また最近では心疾患やがん予防にも効果が期待できることが分かってきています。

様々な調理方法がある玉ねぎですが、サラダなど生で食べるときに玉ねぎの辛みを気にして水にさらすことも多いですよね。しかし、水にさらすことにより水溶性であるアリシンが流れ出し、せっかくの効果が期待できなくなってしまいます。成分の効果だけでなく、それがどんな特徴を持っているのか、覚えておくのがおすすめです。

食べすぎることによる危険性

体にとって良い効果が期待できる玉ねぎですが、食べ過ぎて口臭が気になる……なんて経験ありませんか?実はその臭い、玉ねぎに含まれているアリシンが原因なのです。この成分は玉ねぎだけではなく、にんにくやニラ、ネギ類に共通して含まれています。

そんな気になる臭いの対処法としておすすめなのが口腔内の細菌を洗浄・消臭作用があるポリフェノール。

ポリフェノールを多くを含むのは「りんご」や「緑茶」といわれています。食事と一緒、または食後すぐに取り入れることで消臭効果が期待できるでしょう。また、「牛乳」を飲むことでたんぱく質がアリシンを包み込んでくれ、結果的に消臭効果が期待できます。

口臭への影響のほかにも、アリシンには強い殺菌作用があることから玉ねぎを過剰摂取してしまうことで、胃や腸などが強い刺激を受けることが懸念されます。結果として下痢や腹痛、吐き気や頭痛を引き起こし体に悪影響を及ぼしてしまう危険性も。

「食べすぎ」の基準はある?

一般的には生の玉ねぎの場合、1日50g程度が適量とされています。具体的には中くらいの玉ねぎ1/4程度が目安です。

また子供の適量は大人の目安から半分の25gとされています。体質や体調、アレルギーの有無など、個人差があるので注意しましょう。

なお火を通して加熱することで刺激の強いアリシンは別の成分に変化するため、摂取量を抑えることが出来ます。ただし、アリシンの成分が微量でも残る可能性があるため、極端に食べ過ぎるのは控えましょう。

ついつい美味しくて食べすぎてしまった!そんな時どうすればいい?

適量はわかっていても、ついつい美味しくて食べすぎてしまった……なんてこともありますよね。玉ねぎを食べた後、腹痛や胃痛が起きてしまった場合は、アリシンによる胃粘膜への刺激が原因です。安静な体勢になり、白湯や水分を摂取しましょう。

安静にしていても、腹痛や頭痛が治らない場合はすぐに病院に受診し専門的な治療を受けることをおすすめします。玉ねぎを食べる度に不調が起きる場合は、アレルギーの可能性もあるので相談してみましょう。

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吸収を和らげる食べ方はある?

アリシンによる体へのトラブルを防ぐための予防策としては、玉ねぎを食べる前に乳製品を摂取することです。例えば、食前に牛乳を飲み、胃粘膜を保護してから玉ねぎを食べると刺激を緩和することが出来ます。

また、加熱することでアリシンの成分は減少しますが、ケルセチンなどの他の栄養素は残っているので「体にいい」効果は引き続き期待できます。じっくりと火を通すカレーやシチューなどの煮込み料理やオニオンスープなどが最適でしょう。

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逆にお勧めできない食べ方は?

先述の通り、一般的には生の玉ねぎの場合1日50g程度が適量であり、中くらいの玉ねぎ1/4程度が目安です。玉ねぎをたっぷり上に乗せたオニオンサラダなどでは、簡単に摂取できてしまう量ですので食べ過ぎに注意してください。

体にいいからといっても食べ方と食べ過ぎには要注意!

いかがでしたでしょうか。玉ねぎを食べることで多くの体にいい効果が期待できます。その一方で食べすぎには注意が必要です。適量を意識し、対策を考えながら美味しく摂取しましょう!

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