豚こま肉はあえて"買い"な超便利食材ーー切り落としとの違いや柔らかく調理するコツ

他の部位に比べるとお買い得な価格である豚こま切れ肉。その理由をちゃんと知っていますか。価格が低いからと言って、品質やおいしさが劣るわけではないんです。むしろそれ以上に魅力たっぷり。その理由を管理栄養士の尾花友理先生が解説してくれました。切り落とし肉との違いも紹介します。

目次

豚こま肉の栄養基礎知識

豚こま肉は、冷凍庫に常備しておくと、なにかと使い勝手のいい食材ですね。さて、そんな豚こま肉と、一見似ているように見える豚切り落とし肉、この2つはどこが違うか知っていますか?

その答えは、こま肉が色々な部位の切れ端を寄せ集めたものに対して、切り落とし肉は特定部位の切れ端であるということ。切り落としは「バラの切り落とし」「ももの切り落とし」というように部位によって分かれています。こま肉は大きさや厚さがほぼ均等に切りそろえられていますが、切り落とし肉は部位ごとに大きさや厚さなどが異なっている点も違いです。

さて、ここからは豚肉の栄養について見てみましょう。

「豚肉はスタミナがつく」「疲労回復に効果がある」と言われるのは、ビタミンB1が豊富に含まれているため。このビタミンB1は牛肉や鶏肉には少ない栄養素なのです。

ビタミンB1は体内に入ってきた糖質をエネルギーに変えるために必要な栄養素。ビタミンB1が不足した状態では糖質をエネルギーに変えることができず、疲れやすかったり、体がだるくなったりといった症状が出ます。

ビタミンB1をより効率よく働かせるのに役立つのが、ねぎ類やにんにくに含まれるアリシン。つまり、豚肉と一緒にねぎやにんにくを摂れば、スタミナの最強コンビになります。「豚肉と玉ねぎ」や「豚肉とにんにく」は味の相性もとっても良いので、ぜひ組み合わせてください。

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豚こま肉が"買い"な理由

さて、ここからは豚こま肉が本当の意味で買うべき食材である理由を見ていきましょう。

"買い"ポイント1: とにかく安い!

こま肉は、とんかつ用、生姜焼き用など形をきれいに整えた肉を切り分ける際にできる切れ端です。それゆえ、他の豚肉に比べて価格が安いのが魅力。トクバイに登録されている全国のスーパーマーケットの価格を見ると、国産の豚肉でも100gで100円以下の店舗が多くあります。同じ予算でも豚こま肉を選べば、野菜炒めや生姜焼き、焼きそばなどを作る際にいつもよりもちょっと多めに肉を入れられます。ボリュームアップで、家族も大喜び間違いなしですね。

"買い"ポイント2: 切る手間がない

豚こま肉を使うメリットとして最もおすすめなのが、包丁とまな板を使わなくてもいい点。豚バラ肉や豚もも肉のスライスなどを買ってき場合は、加熱前に包丁で切るひと手間がありますが、切れ端である豚こま肉ならそのまま使ってOK! 脂のついた包丁やまな板を洗う必要がないだけでも調理の手間が省けますよね。

"買い"ポイント3: うまみがある

先述のように色々な部位の切れ端である豚こま肉には、脂の多い部分や赤身など、特徴の違う肉が含まれています。そのため単体の部位の肉だけを使うよりも、うまみや食感の違いなどを楽しむことができます。

かたい食感が気になるという人もいるかもしれませんが、その場合には加熱前に下味をつけたり、小麦粉や片栗粉をまぶしたりしましょう。そうすると加熱後の食感が柔らかくなりますので試してみてください。

豚こま肉の良さをいかしたレシピを紹介

ポークチャップ

約10分で完成するスタミナたっぷりメニューです。調味料を入れる時は焦げやすいので一旦火を止めるのがコツ。豚こま肉に小麦粉をまぶすと味がよく絡みます。

材料(2人分)

豚こま肉 200g / 玉ねぎ 1/2個 / ピーマン 1個 / 小麦粉 大さじ1 / 塩・胡椒 少々/ 油 大さじ1/2

A(ケチャップ 大さじ2 / 中濃ソース 大さじ1 / 酒 大さじ1)

千切りキャベツ(付け合わせ用) 適宜

作り方

1. 豚こま肉に塩・胡椒し、肉を広げるようにしながら全体に小麦粉をまぶす。

2. 玉ねぎはくし形切りに、ピーマンは太めの千切りにする。

3. フライパンに油を熱し、中火で2をしんなりするまで炒め、1を加え色が変わるまで炒める。

4. 火を止め、Aを加えて全体を混ぜ合わせたら再び弱火にかけ、1分ほど炒め合わせる。

5. お好みで千切りキャベツとともに皿に盛りつけて完成。

低価格なのにうまみたっぷりで、調理もしやすい豚こま肉。あえて"買い"な理由がたくさんありますね。

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