【管理栄養士が解説】アボカドの優れた栄養と期待できる効果|おいしいレシピも紹介

アボカドは栄養が豊富な食べ物といわれますが、いったいどれほど栄養素が含まれているのでしょうか?また、いざ食べようと思っても、硬くておいしくなかったり、どうやって食べたらいいのかわからなかったり……なんてことも。今回はアボカドの栄養と期待できる効果のほかに、おいしいアボカドの選び方、苦手な方でもおいしく食べられるレシピを管理栄養士が紹介します。

目次

アボカドは1/2個で摂りたい栄養が摂れる優秀な食べ物!

アボカドは1/2個で不足しがちな栄養素や、健康や美容のために摂りたい栄養素が詰まった魅力的な食べ物です。分類上は果物ですが、ほかの果物に比べると糖質(炭水化物)の量が少なく、甘みもほとんどないため、野菜と同じように食べることができます。

アボカド1/2個(可食部70g)に含まれている栄養素は下記のとおり。個々の栄養素をみるとアボカドより豊富に含まれている食べ物もありますが、これだけさまざまな栄養素をしっかりバランスよく摂れるという面では、優秀な食べ物といえるでしょう。

※18~64歳男女の平均値を使用しており、個人に必要な量を意味するものではありません

続いて、それぞれの栄養素について詳しくみていきます。

血圧やむくみが気になる人が摂りたい【カリウム】

カリウムは野菜や果物に多く含まれ、アボカドに含まれる量は果物の中では1位です。

カリウムは余分な塩分(ナトリウム)を排出してくれる働きがあるため、血圧やむくみが気になる方に役立つ栄養素です。塩分のとり過ぎは血圧を上げる原因や、むくみの原因になるため、減塩で対策すると同時にカリウムの摂取が大切です。

外食が続くなど塩分のとり過ぎが気になるときや、お酒やおつまみをとりすぎてしまった際のむくみ対策として食べるのがいいでしょう。

カリウムは水に流れ出やすい性質を持っていますが、アボカドは切った後に水にさらすことがないため、カリウムを無駄なく摂ることができますよ。

若返りのビタミン【ビタミンE】

ビタミンEは「若返りのビタミン」と呼ばれるように、肌や血管の老化の原因となる活性酸素の働きを抑えてくれる働きがあります。また活性酸素の酸化を防ぐことで、動脈硬化を防ぐ働きも効果があるといわれています。

成人男女の1日に必要な量は5~7mgほどですが、アボカド1/2個だけで3分の1~2分の1弱ほどを補えます。

ビタミンEは脂溶性ビタミンといい、油と一緒に摂ることで吸収率がアップします。アボカドの場合、アボカド自体に脂質が含まれているため、アボカド単体でも効率よくビタミンEを摂ることができます。

お通じ解消、健康維持には欠かせない【食物繊維】

食物繊維は便秘の解消や腸内環境を整えるのに役立つだけでなく、血糖値の急激な上昇を防いだりコレステロールの吸収を妨げたりする働きがあります。

日本人は野菜や果物の摂取不足から、食物繊維の摂取量が不足気味です。アボカドは1/2個で3.9gもの食物繊維が摂れます。これはなんと、食物繊維の多いイメージのある同量のごぼうとほぼ同じ量です。

食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなり、善玉菌が増えるのを助けてくれるので、チーズ、味噌などの発酵食品と合わせてとるのがおすすめです。

また血糖値やコレステロール値の上昇を抑えるには、食事の前に食物繊維を摂ると効果的といわれているため、アボカドを使った料理は食事のはじめにとるようにするといいでしょう。

不飽和脂肪酸

アボカドは「森のバター」といわれるほど、野菜や果物の中では脂質の多い食べ物です。脂質というと敬遠しがちですが、実はこの脂質が身体にいい働きをしてくれるので、アボカドの脂質はむしろ積極的に摂りたいものです。

アボカドに含まれる脂質は、そのほとんどが不飽和脂肪酸といわれる脂質で、中でもオレイン酸が多く含まれています。オレイン酸はオリーブオイルにも含まれる脂肪酸で、善玉コレステロールを増やし悪玉コレステロールを下げてくれる働きがあります。コレステロール値が気になる方や、コレステロール値を上げる一因となる肉類を食べることが多い方は、意識して摂りたいものです。

ただし脂質が多い分、カロリーは1/2個(70g)で125kcalと、野菜や果物の中では高カロリーのものに分類され、食べすぎはカロリーオーバーの原因になります。多くても1日1個、毎日食べるなら1/2個程度にしておくといいでしょう。

ほかにも、貧血予防や妊娠中に欠かせない栄養素である葉酸、免疫力の維持や肌の健康作りに欠かせないビタミンCも補給できます。普段あまり野菜や果物を食べない……という方にこそ、食べて欲しい食べ物です。

※参照:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)

▼ダイエット中はアボカドを食べてもいい?
森のバターと呼ばれるアボカドですが、「バターなら脂質とカロリーが多いのでは…」と気になりますよね。そこで体重が気になる方にはぜひ参考にしてほしい、アボカドの食べ方のコツを解説します。

「アボカドは高カロリーだから太る」はホント?ダイエット中の上手な取り入れ方

アボカドは栄養価が高いことから「スーパーフード」のひとつとして知られていますが、カロリーも高いため食べすぎには気を付けたい食材です。この記事ではアボカドのカロリーと糖質量、ダイエット中の食べ方のコツについて管理栄養士が解説します。美容に役立つ成分も含まれているので、ダイエット中でも上手に食事に取り入れてみてくださいね。

おいしいアボカドの見分け方

アボカドを買ってきても、硬すぎたりやわらかすぎたりでおいしく食べられなかった……という経験をした人も多いはず。食べごろのおいしいアボカドを見分けるには、以下のポイントを確認してみましょう。

  • 皮の色がグリーンではなく黒っぽくなっている
  • 手のひらで軽く握ってみて(または指でそっと押してみて)柔らかい感触になっている
  • ヘタと実の間にすき間ができている(ヘタが少し浮いている)

このようなアボカドは、適度に水分が抜けて完熟している証拠です。もしアボカドが青かったり硬かったりする場合は、室温で2~3日おくと追熟されて食べごろになりますよ。

未熟なアボカドと完熟したアボカドの栄養価の違いについては、文部科学省が発表している日本食品標準成分表では明記されていません。一部、熟していく過程で炭水化物などの栄養素が変化する可能性はありますが、普段食べる量程度では気にする必要はないでしょう。

▼硬いアボカドを柔らかくする方法は?
スーパーでおいしそうなアボカドを買ってきたのに、包丁を入れるととても硬くて困ってしまうことがありますよね。切った後のアボカドをやわらかくする方法や、食べ頃のやわらかさまで追熟するおすすめの方法を解説いたします!

【管理栄養士が解説】アボカドの優れた栄養と期待できる効果|おいしいレシピも紹介

アボカドは栄養が豊富な食べ物といわれますが、いったいどれほど栄養素が含まれているのでしょうか?また、いざ食べようと思っても、硬くておいしくなかったり、どうやって食べたらいいのかわからなかったり……なんてことも。今回はアボカドの栄養と期待できる効果のほかに、おいしいアボカドの選び方、苦手な方でもおいしく食べられるレシピを管理栄養士が紹介します。

アボカドが苦手な人でもおいしく食べられるレシピ

アボカドはそのままサラダにしたり、さしみにしたりして食べてもおいしいですが、初めて食べる方や苦手な方は味つけをしっかりしてから食べるのがおすすめです。アボカドの青臭さが気になりにくくなり、食べやすくなりますよ。

アボカドのわさび醤油和え

アボカドをわさび醤油で和えた、おかずにもおつまみにもなる簡単メニューです。しょうゆ味がアボカドになじんで、食べやすくなりますよ。わさびが苦手な方は、代わりにすりごまを入れてもいいでしょう。

材料(2人分)

アボカド…1個
○しょうゆ…小さじ1
○みりん…小さじ1/2
○わさび(チューブ)…2~3cm
○和風だしの素(顆粒)…ひとつまみ
刻み海苔…少々

作り方

1.アボカドは2cm角の食べやすい大きさに切り、○の調味料と合わせる。器に盛り、刻み海苔を飾る。

豆腐とアボカドの塩昆布あえ

アボカドを豆腐と一緒に塩昆布で和えたさっぱりメニューです。塩昆布のほどよい塩気がアボカドによく合いますよ。

豆腐とアボカドの塩昆布あえ

豆腐(木綿)、アボカド、塩昆布、しょうゆ、白いりごま、ごま油

調理時間:15分

アボカドで不足しがちな栄養をたっぷり補給しよう!

アボカドに含まれるさまざまな栄養素は、野菜や果物不足の方、または食生活が乱れがちな方に摂ってもらいたいものばかりです。ぜひ一度、アボカドを手に取って試してみてくださいね。

レシピ
ランキング

おすすめ記事

全体ランキング