レタスに「栄養がない」は本当?キャベツとの比較や栄養を摂るコツを解説【管理栄養士監修】

レタスは「栄養がない」とイメージを持つかもしれませんが、実際どのような栄養や効能があるのでしょうか?
また、キャベツと比較して優秀なのかも気になりますよね。

今回の記事では「レタスの栄養」「ほかの野菜との比較」「栄養を効率的に摂るコツ」について、管理栄養士が解説します。

目次

レタスは「栄養がない」はウソ!

レタスは「栄養がない」というイメージを持つかもしれませんが、それは誤りです。

レタスには、食物繊維、カリウム、ビタミンCなど、野菜から補給したい栄養素が含まれ、整腸作用、むくみ対策、美肌づくりなど、さまざまな効能が期待されます。

また、レタスはほかの野菜に比べるとカロリーが低く、ダイエット中にもおすすめです。
シャキシャキとした食感でよく噛んで食べられるため、食べすぎ防止にもなるでしょう。

ただし、レタスは約96%が水分であるため、ビタミンCなどの含有量はさほど多いわけではありません。
栄養バランスを整えたい場合は、レタスだけでなくさまざまな野菜をとるようにしましょう。

ほかの野菜との比較はのちほど詳しく紹介します。

レタスに含まれる栄養素と期待できる効能

さまざまな栄養素を含むレタスですが、どのような効能が期待できるのでしょうか?
詳しく見てみましょう。

むくみ解消に役立つ「カリウム」

レタスはむくみ解消に役立つカリウムを含みます。

むくみの原因となるのが、ナトリウム(塩分)の摂りすぎです。
カリウムは余分なナトリウムを体外に排出してくれる働きがあるため、むくみを解消してくれるのです。

生で食べるほうがカリウムを効率よく摂れるため、レタスはカリウム補給にぴったりの野菜です。

腸内環境を整える「食物繊維」

レタスに含まれる食物繊維は、腸内環境を整えるのに役立ちます。

食物繊維は便の材料となり、腸を刺激して排便を促す働きもしてくれます。
また腸内で善玉菌のエサとなり、善玉菌が増えるのを助けてくれます。

また、便秘の解消には水分の摂取も大切です。
レタスは水分を豊富に含む点からも、便秘対策に役立ってくれるでしょう。

肌を健やかに保つ「ビタミンC」

ビタミンCは肌を健やかに保つのに役立つ働きがあります。
ビタミンCはコラーゲンの生成に必要であり、肌のハリを保つのに欠かせません。

また、紫外線によってシミの原因となるメラニン色素が生成されるのを抑える働きも期待されており、美肌を作りたい方には必須ともいえる栄養素です。

抗酸化作用のある「β-カロテン」

レタスにはβカロテンが含まれ、抗酸化作用が期待されます。
抗酸化作用とは「活性酸素」の働きを抑えたり取り除いたりしてくれる働きのことです。

活性酸素はストレスや紫外線、タバコなどにより発生し、大量に生成されることで肌の老化、動脈硬化、免疫機能の低下などを引き起こすことが知られています。

美肌を作りたい方や健康が気になる方は、β-カロテンを含むレタスやかぼちゃ、にんじん、ほうれん草などを積極的に取り入れるようにしましょう。

※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

レタスの栄養を比較しよう

「栄養がない」というのは誤りであることはお伝えしましたが、ほかの野菜と比べると栄養成分値はどう違うのでしょうか?

キャベツなどの野菜、レタスの種類による栄養成分値を比較してみましょう。

キャベツやほかの野菜との比較

まずは100gあたりの栄養成分値について、レタスとキャベツ、白菜、きゅうりとの違いを比較してみます。

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

カリウムや食物繊維は大きな差はみられず、β-カロテンの量はキャベツや白菜より多い量となっています。
しかし、ビタミンCの量は5mgと少なく、キャベツの8分の1の量です。

それぞれの野菜に、よい面もそうでない面も両方あることがわかります。

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レタスとキャベツはどちらがよいの?

「レタスとキャベツはどちらがよいの?」と思う方もいるかもしれません。どちらの野菜が優れているとはいいにくく「どちらもバランスよく取り入れて」というのが正解です。

レタスとキャベツを使い分けたいなら、以下のようにしてみるのもよいでしょう。

・レタス:カロリーや炭水化物の量を抑えたいときに。噛みごたえのある野菜で食べすぎ防止を期待したいときに。
・キャベツ:加熱するとたっぷり食べられるため、たくさん食べたいときに。ビタミンCをたっぷり摂りたいときに。

それぞれのよい面を活かして取り入れるようにするとよいでしょう。

サニーレタスやリーフレタスとの比較

レタスにはサニーレタスやリーフレタスなどの種類があり、普通のレタスに比べると、栄養成分値に差がみられます。

具体的にどの程度違うのか、100gあたりの栄養成分値を見てみましょう。

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

比較してみると、サニーレタス、リーフレタスの方がずば抜けて栄養豊富ということがわかります。

食物繊維は1.7〜1.8倍、カリウムは2.1〜2.5倍、βカロテンは8.3〜9.6倍、ビタミンCは3.4〜4.2倍もの含有量です。

レタスは淡色野菜に分類されますが、サニーレタスとリーフレタスは緑黄色野菜に分類されます。
一般的に、淡色野菜に比べると緑黄色野菜の方が栄養豊富な傾向があるため、レタスより栄養豊富となっています。

より栄養素を摂りたいときは、サニーレタスやリーフレタスを活用するのもよいでしょう。

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レタスの栄養をたっぷり摂るコツ

レタスは生で食べることが多いため、栄養素をムダなく摂りやすい野菜です。

さらに効率的に栄養素を摂るには、どのようにしたらよいかコツをお伝えします。

水洗いはちぎる前に

レタスの水洗いは、葉をちぎる前に行いましょう。
ちぎった後に水洗いしてしまうと、切り口からカリウムやビタミンCなどの水溶性の栄養素が流出しやすくなってしまいます。

またレタスをちぎった後、パリッとさせるために水に浸けておくことがありますが、同じ理由であまりおすすめできません。
もし浸けたい場合は、短時間でサッと済ませるようにしましょう。

ドレッシングでβ-カロテンの吸収アップ

ドレッシングに含まれる油分は、脂溶性ビタミンであるβ-カロテンの吸収を助けてくれます。

「油分はダイエットの大敵!」と思うかもしれませんが、実は栄養面ではよい働きをしてくれるのです。

ただし、ほかのおかずがこってりしたものや揚げ物の場合は、そこから十分に油分を取れます。
その場合はノンオイルドレッシングを選ぶようにすると、カロリーの調整に役立つでしょう。

たっぷり食べるなら加熱調理もアリ

レタスをたっぷり食べたい場合は、加熱調理もおすすめです。

ビタミンCなどの栄養素が減ってしまうため加熱調理はNGと思うかもしれませんが、加熱するとたっぷり食べられ、食物繊維をたくさん摂れるメリットがあります。

スープやチャーハンなどに入れると、レタスのシャキッとした食感を楽しめ、いつものメニューに変化を与えてくれます。
レタスがたくさんあって消費したいときにもおすすめですよ。

レタスに「栄養がない」はウソ!健康づくりやダイエットに活用しよう

今回の記事では「レタスの栄養」について管理栄養士が解説しました。

レタスは食物繊維やカリウム、β-カロテン、ビタミンCなど、不足しがちな栄養素の補給に役立つ野菜です。
ほかの野菜もバランスよく取り入れながら、レタスを健康づくりやダイエットにたくさん活用してくださいね。

レタスを使ったおすすめレシピ3つ

最後に、レタスの栄養たっぷり取れるおすすめのレシピを3つご紹介します。

ゆで豚とピリ辛味噌のレタス包み

豚肉をレタスで包んだ、ダイエットにもぴったりなヘルシーメニューです。
リーフレタスのほかにも、サニーレタスでもアレンジできますよ。

ゆで豚とピリ辛味噌のレタス包み

豚バラ肉(しゃぶしゃぶ用)、リーフレタス、長ねぎ、○味噌、○酢、○しょうゆ、○豆板醤、○にんにくチューブ、○砂糖、○ごま油、キムチ(あれば)

調理時間:10分

レタスとわかめのレンジナムル

レタスを電子レンジでさっと加熱し、ナムル風にしてたっぷりとれるレシピです。
ごま油を入れることで、β-カロテンの吸収を助けてくれます。

レタスとわかめのレンジナムル

レタス、カットわかめ、○にんにくチューブ、○鶏ガラスープの素、○しょうゆ、○ごま油、○いりごま

調理時間:5分

しゃきしゃきレタスとミートボールの洋風鍋

レタスをたっぷりとりたいなら、鍋にするのはいかがでしょうか?
ほかの具材に火が通った後にレタスを入れることで、シャキシャキとした食感を保てますよ。

しゃきしゃきレタスとミートボールの洋風鍋

鶏ひき肉、ベーコン(スライス)、レタス、ミニトマト、○塩・こしょう、○片栗粉、コンソメ顆粒、塩・こしょう

調理時間:20分

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