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かぼちゃの効果・効能は?皮や種の栄養が摂れるおすすめ料理も紹介
幅広い料理やスイーツに用いられ、栄養価が高いことで知られるかぼちゃ。実は、皮や種の部分にも栄養がたっぷり含まれているんです。この記事では、かぼちゃを食べることで期待できる効果・効能をはじめ、栄養を効率的に摂るのにおすすめのかぼちゃ料理も紹介します。
かぼちゃの効果・効能
かぼちゃを食べることで期待される効果・効能にはどのようなものがあるのでしょうか。また、効率的に栄養が摂れるおすすめの料理もご紹介します。
免疫力アップに役立つ
かぼちゃに含まれるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは免疫に関わる栄養素です。それぞれの働きは以下の通りです。
・ビタミンA…ウイルスや細菌の侵入を防ぐ働きがあり、粘膜の乾燥を防いでくれる(※1)
・ビタミンC…細菌から体を守る白血球の機能を高めてくれる(※2)
・ビタミンA、C、E…抗酸化作用があり、免疫力低下の一因となる活性酸素を取りのぞいてくれる働きがある(※3)
いずれも必要な量をきちんと摂ることで、免疫システムを正常にしてくれるのを助けてくれます。
また、ビタミンA、Eは脂溶性ビタミンといい、油と一緒に摂ることで吸収率が高まります。そのため、油を使った料理にしたり、脂身の多いひき肉と一緒に調理したりすることで効率よく栄養を摂ることができますよ。
<おすすめの料理>
かぼちゃとナッツのサラダ、かぼちゃのごま炒め、かぼちゃのそぼろ煮
※1 参考:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
※2 参考:一般社団法人 愛知県薬剤師会
※3 参考:厚生労働省 eヘルスネット「抗酸化物質」,厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
抗酸化作用で老化防止
ビタミンA、C、Eの抗酸化作用は、免疫力アップを助けてくれるだけでなく、老化を防いでくれる働きもあります。中でもビタミンEは抗酸化力が強いとされ、「若返りビタミン」と呼ばれることも。
老化の原因となる活性酸素は、ストレス、タバコ、紫外線、大量飲酒などによって増えてしまいます(※4)。ストレスが多い方、また喫煙や飲酒習慣がある方だけでなく、紫外線が気になる季節にも補いたいビタミンです。
ここでも油を使った料理にすることで、効率よく栄養を摂ることができます。
<おすすめの料理>
かぼちゃとナッツのサラダ、かぼちゃのごま炒め、かぼちゃのそぼろ煮
肌の健康を守る
かぼちゃに含まれるビタミンAは皮膚を乾燥から守り、さらにビタミンCはコラーゲンを作るのに欠かせない栄養素です(※5)。
とくにかぼちゃに含まれるビタミンCは、バナナの約2.7倍、りんごの約11倍と、普段よく食べる果物よりも多く含まれています(※6)。
ビタミンAの吸収を高める油と一緒に調理したり、ビタミンCをさらにとることができる枝豆と一緒に調理したりするといいでしょう。
<おすすめの料理>
かぼちゃと枝豆のサラダ、かぼちゃのバター焼き、かぼちゃのそぼろ煮
※5 参考:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
※6 参考:文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)
むくみ改善
かぼちゃはカリウムをとるのにぴったりな食べ物で、むくみを軽くしてくれる働きがあります。
人の体は塩分をとり過ぎると水分をため込んでしまい、むくみの原因となります。むくみを解消するには、この余計な水分を排出するのが重要です。カリウムは余分な塩分を排出してくれる働きがあり、その際に水分も一緒に排出してくれます。これによってむくみ解消につながるというわけです。
かぼちゃに含まれるカリウムの量は、野菜、果物の中でもトップクラスです。
カリウムは水に溶け出てしまう性質があるため、煮汁ごと食べられるスープや、カリウムをさらにとることができる小豆と一緒に調理するのがおすすめです。
<おすすめの料理>
かぼちゃのスープ、かぼちゃのいとこ煮(かぼちゃと小豆の煮物)
便秘改善
かぼちゃには便秘改善に役立つ食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は整腸作用があることと、便の材料になってくれることからお通じ改善の手助けをしてくれます。
食物繊維はかぼちゃの皮にも含まれるため、しっかり食物繊維を摂りたいなら、皮ごと調理できるメニューがいいでしょう。
<おすすめの料理>
かぼちゃの煮物、かぼちゃとれんこんのサラダ、かぼちゃの皮のきんぴら
▼かぼちゃはダイエットにもおすすめ?
カロリーが気になる方はかぼちゃを避けたほうが良いのでは…と考える方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。工夫次第でかぼちゃは低カロリーで楽しむことができます。
かぼちゃは皮や種にも栄養がたっぷり
かぼちゃには皮や種にも栄養が含まれています。具体的にどのような栄養が摂れるのか、おすすめの料理とともにご紹介します。
▼かぼちゃを切るのが怖い…を克服レッスン
丸ごとかぼちゃの簡単な切り方と、料理別の切り方をご紹介します。なるべく安全に切れる方法を紹介していますが、それでもかぼちゃは他の野菜と比べると硬いので、十分に注意してください。
皮に含まれる栄養
かぼちゃの皮には、果肉部分以上にβ-カロテン(ビタミンA)が含まれるといわれています。ビタミンAは免疫アップや、皮膚の健康を守ってくれる欠かせない栄養素です。
ほかにも、先ほどお伝えしたように皮の部分には食物繊維も多く含まれます。そのため、かぼちゃの栄養を余すことなく摂りたいなら、皮ごと調理して食べるのがおすすめです。
皮の栄養を効率的に摂るのにおすすめの料理(皮ごとかぼちゃサラダ)
皮の栄養を効率的に摂るのには、皮ごとつぶして作るかぼちゃサラダがおすすめです。
皮まで柔らかくなるようにしっかり加熱すれば、皮の食感も気にならずに食べられます。また、かぼちゃサラダに使うマヨネーズには脂質が多く含まれており、ビタミンAの吸収を高めてくれます。
サラダを作る際、かぼちゃの加熱はゆでるより電子レンジがおすすめです。ゆでると栄養が水に流れ出てしまいやすくなりますが、電子レンジで調理すれば防ぐことができます。
電子レンジで加熱するときは、皮ごと小さくカットしたかぼちゃを耐熱容器に入れ、水を大さじ1杯ほど入れてふんわりとラップをかけます。様子を見ながら4~5分ほど加熱すればOK。フォークなどで皮ごとつぶし、お好みの具材をマヨネーズと和えれば完成です。
▼かぼちゃのレンジ調理のススメ
レンジ加熱で失敗する原因や成功させるポイントを知り、手軽においしくかぼちゃを調理しましょう!
種に含まれる栄養
かぼちゃの種は、漢方薬にも使われるほど栄養が詰まっている部分です。カリウム、鉄、亜鉛、食物繊維、多価不飽和脂肪酸(オメガ6系脂肪酸)であるリノール酸をとることができます。
リノール酸は悪玉コレステロールを減らしたり、動脈硬化を防いでくれたりする働きがあります。健康が気になる方は、種までしっかりいただきたいですね。
種の栄養を効率的に摂るのにおすすめの料理(かぼちゃの種のおつまみ)
種は電子レンジで乾燥させて煎ることで、簡単におつまみ&おやつにできます。
まずは電子レンジで乾燥させます。ワタを取り、軽く洗って水分をふき取った種を耐熱皿に並べ、ラップをかけずに600Wの電子レンジで4分ほど加熱します。
その後、いったん混ぜて再度2~3分加熱します。箸などで触ってみてカラカラと乾いた音がして、表面がカサカサとした乾燥した状態になればOKです。
そのあと油をしいたフライパンで、極弱火でじっくりと煎ります。種がパチパチとはじける音がしたら火を止めて、最後に塩をふれば完成です。
これだけで、カリカリとした食感と、ナッツのような香ばしさを楽しめるおつまみ&おやつに変身します。
ワタに含まれる栄養
ワタは取りのぞいて捨ててしまうことが多いですが、ワタの部分には食物繊維が含まれています。
ワタは少し苦みがありますが、工夫するとおいしく食べられますよ。
ワタの栄養を効率的に摂るのにおすすめの料理(かぼちゃ餅)
かぼちゃのワタを活用するなら、ワタで作るかぼちゃ餅がおすすめです。
かぼちゃのワタ1玉分(約100g)を600Wの電子レンジで30~40秒加熱して、水けを軽くしぼります。片栗粉大さじ1.5と砂糖少々を混ぜ、丸めてフライパンで焼きます。仕上げにバターを載せればかぼちゃ餅の出来上がりです。
砂糖によってワタの苦みが気になりにくくなり、もちもちした食感の中に、ワタのザクザクとした食感も楽しめるおもしろいおやつです。
かぼちゃは栄養豊富で、捨てるところがない優秀食材です。ぜひ旬の季節には、おいしいかぼちゃで効率的に栄養を補いましょう。
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